「僕が望んだのは、あなたではありません」と婚約破棄をされたのに、どうしてそんなに大切にするのでしょう。【短編集】

長岡更紗

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B聖女だったのに婚約破棄されたので悪役令嬢に転身したら国外追放されました。田舎でスローライフを満喫していたらなぜか騎士様に求婚されています。

4.婚約破棄の真相

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 シリトーの村に来てから、二ヶ月が過ぎた。
 アドルフはエイマーズ王国に戻る気がないらしく、一緒にこの村で暮らしている。
 彼は、エレインの心の支えとなってくれていた。しかし、まだ好きだと言われたことへの返事はできていない。

「ゆっくりでかまいませんから」

 そう微笑んでくれているのをいいことに、決断を先延ばしにしている状況だ。


 秋の装いが消えゆき、もう少しすれば冬がやってくる。
 エイマーズ王国よりも寒い土地で、エレインは冷たくなった手を擦った。

「ほら、エレイン。ちゃんと上着を羽織らなければだめだろう?」

 すっかり砕けた口調になったアドルフが、自分の上着を脱いでエレインの肩にかけてくれる。

「今から畑仕事なのよ? すぐに体は温まるわ」
「じゃあ、その間だけでも着ておいて。夕方、取りに来るから」

 アドルフは眩しい笑顔を置いて、村人たちと害獣退治に行ってしまった。
 エレインはその上着に手を通すと、深呼吸する。アドルフの爽やかな香りが胸に入り込み、痛みを伴う息を吐き出した。
 アドルフは優しい。告白の答えを急かすことなく、エレインの隣でずっと微笑んでくれる。

「なのに、私は……」

 アドルフを、どうしても昔のクラレンスと重ねてしまうのだ。
 クラレンスもこんな風に優しかった。
 クラレンスもこうして微笑んでくれた。

 クラレンスのように……クラレンスみたいな……

 その度に胸がズキズキと痛みを発する。
 アドルフに対する申し訳なさと、いつまでもクラレンスへの気持ちを断ち切れない不甲斐なさと。

 アドルフに対する気持ちは、好きであるのだとは思う。
 けれど、それが一体どういう〝好き〟であるのか自分で理解できなかった。
 クラレンスと重ねているから好きだと勘違いしているだけなのかもしれない。その証拠に、クラレンスを思うとこんなにも心が苦しい。
 だからといって、アドルフを突き放すことなんてできなかった。
 彼のためには、はやく振ってあげた方がいいに決まっている。しかし、どうしてもそれを切り出すことはできないのだ。

 アドルフにちゃんとお断りしなくてはいけないのに……どうして、言えないの……っ

 アドルフを利用しようという、嫌な心が自分にはあるのかもしれないとエレインは気持ちを沈ませた。
 だって、彼は優しい。そばにいてくれるだけで、心が安らぐのだ。そんな心地の良い存在を、自ら手放すなんてしたくない。できない。
 それがただのエゴだとはわかっていても、どうしても決心がつかなかった。

 夕刻、畑仕事を終わらせる段階になると、いつも通りアドルフがやってきた。

「おかえりなさい、アドルフ様。今日はこんなに大きな大根を収穫し……どうしたんですか?」

 いつものような爽やかさのない、少し暗い表情。なにごとかとエレインは彼に駆け寄る。

「エレイン……兄上から、書状がきている」
「……書状?」

 アドルフの手の中の紙が、かさりと音を立てた。
 なにが書かれていたのかと、不安になりながらアドルフを見上げる。

「俺とエレインは、すぐにでもここを出て、エイマーズ王国に戻れという兄上の指示だ」
「え……どうして、今さら……?」
「わからない。けど、次期国王の命令を無視することはできない」
「ええ……そうね……」

 なにを言われるのかわからないというのに、なぜだか胸は勝手に高鳴っている。
 久しぶりにクラレンスの顔を見ることができるのだ。ただそれだけで心が浮かれてしまっている。

「エレイン……ッ」

 そんな心が顔に出てしまっていたのか。
 眉尻を悲しく下げたアドルフに、エレインは手を引かれた。

「アドルフ様……!?」
「俺と結婚してほしい……今すぐ……っ」

 アドルフの切羽詰まった顔。どこか痛ましいその姿に、エレインは胸を詰まらせる。

「どう、して……急に……」
「兄上は、もしかしたらエレインを婚約者に戻すつもりかもしれない……っだから!」
「待って、アドルフ様。そんなこと、あるわけが……」
「ないとは言い切れないっ!」

 温厚なアドルフの叫ぶ声など、初めて聞いた。
 驚いて目を広げていると、アドルフはハッと我に返ったようにバツの悪い顔をしている。

「すまない……つい……」
「いえ……」

 アドルフは、それ以上なにも言わなかった。そしてエレインも、答えを出せずに黙っていた。
 彼の気持ちは嬉しい。心から嬉しいと感じるのに、どうして答えが出せないのだろう。
 目の前にあるかもしれない、クラレンスとの再婚約。それを考えると、胸がじくじくと痛み出す。

 私は、どうしたいの……
 どうしたらいいの……?

 答えの出ない問い。
 きっと、クラレンスに会って答えを出すしかないのだろう。
 エレインはエイマーズ王国へ行くことに決めたのだった。



 ***



 エレインはアドルフと共にエイマーズ王国へと戻ってきた。
 といっても、着いた先は王都の城ではなく、自然豊かな地にある王家の別荘だ。
 そこで、クラレンスはエレインたちを待っていた。そして彼の後ろには、隠れるようにブレンダの姿も。

「よく戻ってきてくれた。エレイン、アドルフ」

 クラレンスを前に跪こうとすると、彼は一言「いい、他に誰もいない」と拒否を示す。
 エレインはその言葉に、まっすぐ彼と顔を見合わせた。

「久しぶりだな、エレイン……会いたかった」

 クラレンスの優しい瞳。愛してると言ってくれた、あの時の……。

「殿下……っ」
「すまなかった……許してほしい」

 クラレンスの口から出てきたのは、謝罪の言葉。
 一体どういうことなのかと、手を伸ばせば触れられる距離までやってきたクラレンスを見上げる。

「僕は……ブレンダに操られていたんだ」
「ほ、本当ですか、殿下……」
「ああ。時折、意識が正常になることがあった。その時に母上に無理を頼み、僕に結界を張ってもらった」

 王妃であるクラレンスの母親もまた聖女だ。しかし若い頃に魔力を酷使しすぎたせいか、体力も聖女の力も衰えて寝込んでしまっていると聞く。
 ブレンダに目をやると、彼女は悔しそうに視線を落としていた。

「それから僕は正気を取り戻すことができたんだ。僕がエレインを追放なんて……そんなことをするわけがないだろう……!」
「殿下……」
「クラレンスと呼んでくれ……っ」

 以前の、クラレンスだ。優しく愛してくれたあの頃の、エレインの愛したそのままの。

「クラレンス様……!」

 エレインがその名を呼ぶと、クラレンスがぎゅっと抱きしめてくれる。クラレンスの体温が伝わってくる。

「申し訳ありません、クラレンス様……掛けられていた魔法に気づかなかったこと…… あなたを信じなかったこと……」
「いいんだ、エレイン……僕も操られていたとはいえ、君を追放してしまって……すまない」
「いいえ、いいえ……っ」

 ぽろぽろと熱いものがこぼれ落ちる。それはクラレンスの方も同じで。
 思いは同じだったのだと安堵する。

「……よかったですね、エレイン様」

 隣から、アドルフの声がした。
 気安く話しかけてくれていた彼が、以前と変わらず一歩引いてそう言った。

「アドルフ様……」

 にっこりと穏やかに微笑むその優しさに、胸が痛む。けれど、掛ける言葉など見つからなかった。

「しかし、どうして彼女はそんなことを?」

 アドルフがブレンダに目をやりながらクラレンスに問いかけた。クラレンスは困ったように視線を下げながら首を振っている。

「聞いても答えてくれないんだ。エレイン、君の魔法で彼女の本心を聞き出せるか?」

 王妃はおそらく、結界で力を使い果たしてしまったのだろう。エレインはこくりと頷いて、魔力を溜め始めた。

「いや……やめて……!!」
「いい、やってくれ。エレイン」

 ブレンダの拒否はクラレンスには通じず、魔法を促された。
 いつかのように相殺されないよう、練り込んだ魔力を彼女の胸に当てて、直接流し込む。
 〝本心をさらけ出す魔法〟だ。
 エレインがクラレンスに頷いて見せると、彼は尋問を始めた。

「ブレンダ、どうして僕をあやつるようなことをした? 国家の転覆でも狙っているのか?」

 魔力を直接流されたブレンダは、苦しそうにしながらもぶんぶんと首を横に振る。

「違いますわ……! そんなこと、企んでなどおりません!」
「ではなぜ、こんなことをしたんだ」
「それは……っエレイン様がずるい方だからですわ!」
「……え?」

 ずるい、と言われてわずかに首を傾げる。なにもずるいことなど、やった覚えはない。

「どうして私がずるいんですか?」
「だって……だってエレイン様は、なんの苦労もせずクラレンス様の婚約者になったではありませんか!」

 なんの苦労もせず。
 確かに、クラレンスの婚約者となったのは棚ぼたのようなものだった。
 生まれた時から、魔力量が多かっただけなのだから。

「私は……っ魔力はあったけど、ちっぽけで……到底、殿下の婚約者になどなれなかった……っ」

 ぐすっというブレンダの啜り泣きが部屋に響く。
 魔力量の多い者が聖女認定され、第一王子の婚約者となれるのだから、仕方のない話だ。

「私は……五歳の頃に殿下をお見かけする機会がありましたの……この方しかいないと思いましたわ。だから魔力量が増えるよう、必死に努力してきましたのに……! エレイン様はなんの努力もなさらず、殿下を奪っていった……!!」

 ブレンダ泣きながら訴える姿は、ここにいる全員の胸を打つものがあった。
 なんの努力もなしに……と言われると、否定のしようがない。そんなこと、考えもしたことがなかったのだから。

「エレイン様が殿下の婚約者となられてからも……私は一縷の望みをかけて、魔力量を増やすべくずっと訓練をしてきましたの! 毎日、毎日……! エレイン様の魔力量を凌駕することができたなら、婚約者になれるのだと信じて……」

 彼女の努力は正しかったのだろう。
 エレイン以上の魔力の持ち主が現れたら、婚約者の座を明け渡さなければいけない……そういう契約だったのだから。

「でも……エレイン様の魔力を凌駕するなんて、無理……どれだけ努力しても、今以上には伸びなかった……」

 はらはらと涙をこぼすブレンダの姿に、情のようなものが芽生えてしまう。彼女はそれほどまでに、クラレンスに恋していたのだろうと思うと。

「それで、僕の心をあやつることにしたのか?」
「はい……最初は少しずつ……夜会でお会いするたびに、魔力を飛ばして……エレイン様への気持ちを無くすようにと」

 夜会はエレインも出席していたはずだ。それなのに、魔法が使われていることにはちっとも気づかなかった。
 彼女は魔力量だけでなく、そういう技術も長けているのだろう。思ったよりもブレンダの力は相当凄そうだ。努力の賜物なのだろうか。

「エレイン様への気持ちがなくなれば、次に魔力量の多い私が婚約者になれると……そう、思って……」

 泣き崩れるブレンダを、エレインたちは複雑な思いで見下ろした。
 彼女のやったことはいけないことではあるが、どこか責めきれない。

「どうされます、兄上。彼女の処分は」
「クラレンス様、どうかブレンダ様にご恩情を……」

 彼女がやったことは『王族に許可なく魔法をかける』という罪だが、思わずやってしまう、ということをエレインも身をもって知っている。
 それにブレンダのいうことにも一理あるのだ。なんの努力もせず手に入れていた魔力と第一王子。ブレンダから見ると、どんなにか悔しかったことだろう。

「ブレンダ、ひとつ聞く」

 ブレンダに顔を向けたクラレンスの顔は、どこか優しく。

「僕にかけた魔法は、エレインへの気持ちを無くすものだけなのか?」
「はい……」

 〝本心をさらけ出す魔法〟はまだ有効だ。嘘はついていないだろう。
 その言葉を聞いたクラレンスは、「そうか」と目を瞑った。

「あの……クラレンス様……?」

 なぜか、胸がざわつく。
 エレインの問いかけに、たっぷり十秒は経ってからクラレンスは目を開いた。
 その瞳はエレインへと移動しているが、憂い顔は晴れていない。

「エレイン……頼みがある。僕にも本心をさらけ出す魔法をかけてくれ」
「な、兄上?!」

 アドルフの驚きの声が部屋に響いた。いずれ王となる者が、本心をさらけ出す魔法をかけられるなど、前代未聞だ。
 しかしその真剣な表情を見るに、大切なことなのだろうと理解したエレインは頷いた。

「わかりましたわ、クラレンス様。どのようなお考えがあるのかはわかりませんが、そのようにいたします」
「ありがとう、エレイン……君のそういうところが大好きだよ……」

 好きと言われたのに、心がツキンと痛むのはなぜだろうか。
 エレインは魔力を練る。王妃の結界はすでに解けているようで、クラレンスの中へと流し込むことができた。
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