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おまけ
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⭐︎おまけ 我輩はにゃこである⭐︎
我輩はにゃこである。
名前はまだにゃい。
にゃぜなら我輩は野良にゃこだからだ。
この国の第一王子のレンは我輩見ると目を細める。
我輩は男にゃので断じてキュンときたりはしにゃい。
しにゃいのだが、思わず喉をゴロゴロと鳴らしてしまうのは許して欲しい。
あ、噂をすれば、あれはレンとそのお気に入りじゃにゃーか。
風の噂で結婚したと聞いた。というか、町じゃあその噂で持ちきりだったんにゃ。
「レン様、あの猫さんはレン様のお友達では?」
「ああ、そうだ。おーい!」
手をあげられちゃ、行かにゃいわけにもいかにぇーな。
我輩は塀の上からレンの足元にストンと降りる。
《おみゃー、結婚したんだってにゃ》
「ああ、紹介しよう。妻の……ヴェリシアだ」
にゃんでそこでおみゃーは照れているにょか。
「こんにちは。よろしくね」
《シクヨロにゃ、おじょーちゃん》
「ふふっ、しゃれた猫さんね」
《よしてくれ、照れるにゃ》
我輩たちは少しだけ話をした。
レンは「邪魔したな」とお気に入りと一緒に去っていく。
その後ろ姿は、イチャイチャと音が出てきそうだったにゃ。
レンが幸せににゃったようで良かった。
本心にゃ。
本心にゃのだが……
──今日は、撫でて……くれにゃかった──
べ、別に撫でて欲しいにゃんて思ってにゃい!
にゃいけど……レンはもう、我輩などに興味は──
「待ってくれ!」
《?!》
にゃぜかレン戻ってきた。お気に入りをその場に残したまま。
「来いっ」
レンが手を広げて、我輩は、我輩は……!
《レン~ッ》
「よしよし」
《ゴロゴロゴロゴロッ》
「また、会いに来る」
《ほ、本当か~?!》
「もちろんだ。友達、だからな」
そう言うと、レンはひとしきり我輩を撫でて行ってしまった。
我輩に、会いに来てくれていたにょか。
二人はイチャイチャ帰っていたにょだが、我輩はもう、ちっとも気ににゃらにゃかった。
我輩はにゃこである。
名前はまだにゃい。
にゃぜなら我輩は野良にゃこだからだ。
この国の第一王子のレンは我輩見ると目を細める。
我輩は男にゃので断じてキュンときたりはしにゃい。
しにゃいのだが、思わず喉をゴロゴロと鳴らしてしまうのは許して欲しい。
あ、噂をすれば、あれはレンとそのお気に入りじゃにゃーか。
風の噂で結婚したと聞いた。というか、町じゃあその噂で持ちきりだったんにゃ。
「レン様、あの猫さんはレン様のお友達では?」
「ああ、そうだ。おーい!」
手をあげられちゃ、行かにゃいわけにもいかにぇーな。
我輩は塀の上からレンの足元にストンと降りる。
《おみゃー、結婚したんだってにゃ》
「ああ、紹介しよう。妻の……ヴェリシアだ」
にゃんでそこでおみゃーは照れているにょか。
「こんにちは。よろしくね」
《シクヨロにゃ、おじょーちゃん》
「ふふっ、しゃれた猫さんね」
《よしてくれ、照れるにゃ》
我輩たちは少しだけ話をした。
レンは「邪魔したな」とお気に入りと一緒に去っていく。
その後ろ姿は、イチャイチャと音が出てきそうだったにゃ。
レンが幸せににゃったようで良かった。
本心にゃ。
本心にゃのだが……
──今日は、撫でて……くれにゃかった──
べ、別に撫でて欲しいにゃんて思ってにゃい!
にゃいけど……レンはもう、我輩などに興味は──
「待ってくれ!」
《?!》
にゃぜかレン戻ってきた。お気に入りをその場に残したまま。
「来いっ」
レンが手を広げて、我輩は、我輩は……!
《レン~ッ》
「よしよし」
《ゴロゴロゴロゴロッ》
「また、会いに来る」
《ほ、本当か~?!》
「もちろんだ。友達、だからな」
そう言うと、レンはひとしきり我輩を撫でて行ってしまった。
我輩に、会いに来てくれていたにょか。
二人はイチャイチャ帰っていたにょだが、我輩はもう、ちっとも気ににゃらにゃかった。
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