普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎

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異世界に召喚されたら何もかもが説明不足だった話

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「……ということなんですけど、わかります?」

「はぁ、まぁ、なんとなく。」

「それはよかった。では早速向かいましょう。」

「あの、とりあえず会うだけでいいんですよね?俺、礼儀とかわかんないんですけど…」

「はい、何かございましたら私たちがフォローしますから。」



突然だけど、異世界に召喚された。
何十連勤かしたあと風呂で寝落ちして、気づいたらゲームでしか見たことのないでかい宮殿にいた。


入浴中に召喚された俺は当然真っ裸だったわけだが、突然の出来事に呆然とする間もなく、召喚士やら神官やらが構わず俺に質問してきた。
突然召喚されて、こっちが質問攻めしたいくらいだってのに。
年齢や健康状態、家族構成、好みの食べ物、あとは、せ、性交渉についてまで質問され…なんでそんな情報まで、と思ったが、どうやらこの人達は人間界から世界を救うために聖女を召喚をしたらしく、俺は異世界から召喚されてここにいるということがわかった。(それだけは教えてもらえた。)
そして聖女の必須条件が、純潔、らしい。
ああそうですよ、どうせ俺は童貞ですよ!
そもそも、聖女って!俺男なんですけど!!


こちらに質問してくるばかりで全然説明してもらえなかったが、とりあえず言葉は通じるみたいで安心した。自慢じゃないが日本語しか喋れない俺。それなのに明らかに日本語じゃない言語を瞬時に理解して喋れている。
これが異世界!そして聖女特有のチート能力!
これは俺TSUEEEEな展開になるのでは!?


異世界って言っても変な生物がウロウロしていることもないし、周りもみんな、よくあるRPGの登場人物達って感じ。
世界を救うって言ってたけど、勇者として召喚されてないってことは前線で戦うこともなさそうだな。
これから勇者を召喚するのか?そもそもこの世界の脅威はなんなんだ?
だめだ、全然説明なく連れてこられたせいで自分の役割が何一つわからん。
まあでも聖女として召喚されているなら食いっぱぐれることもなさそうだし、衣食住が保障されてればいっか、むしろ社畜卒業万歳!なんて楽観的に考えていた。


そんな素っ裸でお気楽気分な俺を尻目に、何やら偉い人たちが集まって話している。
よくわからんが険しい顔して、王、とか、謁見、とか言ってるな。


異世界、王、といえば、王道はやっぱ姫様が攫われた系?
それとも、最近流行りの婚約破棄とかざまあ系?
そうなってくると実は俺は偽物の聖女で、みたいな展開もありえるな。えー、異世界で路頭に迷うのは現実世界でクビになるよりやばいぞ、大丈夫かな。
いや待て、最近は偽物の聖女でもハピエン展開のストーリーもあるし、まだ希望はある!


「聖女様、こちらへ。」



そう言われるがまま一番偉そうな人に着いて歩いていたら、この国の王に会うことになっていた。
なんかよくわからないけど、ここはこの世界で一番大きな国で?
今、俺がいる王宮がまさにその王がいるところで?
つまりこの世界の王と言っても過言ではない奴に会うってこと?
急展開すぎるだろ!!
俺まだこっち来て30分くらいしか経ってない気がするんだけど!?


なんでもこのお偉いさんが言うには、さっき王に召喚成功の報告をした途端、すぐに俺を連れてこいと言われたらしい。
まあ世界の王なわけだし、俺はこの世界の命運を握ってる聖女だもんな。
つっても、俺に何ができるんだろ。
パワーが満ちあふれているわけでもないし、なんか魔法とか使えないかなって思ってさっきから出ろー出ろーって念じてるんだけど何も出ないし…俺が使えるスキルって言語翻訳機能だけってこと?グー○ルかな?


いやいやいや…俺聖女よ?
王に会ったらなんかフラグが立って新しい能力使える展開じゃない?
もしくは何か特定のアイテムをゲットして力が解放される説もあるよね?




「お待たせしました、こちらが王のいる謁見の間でございます。」


目の前には、でかい宮殿にぴったりな、これまたデカくて重厚な扉。
装飾もド派手で、俺もしかしてこれからすごい人に会うんじゃない?
急に不安になってきた。


「あ、あのー…」

「はい?いかがされましたか?」

「えっと、この扉の向こうにもう王様がいるってこと、ですよね?」

「左様でございます。」

「俺、あの、まだ裸なんですけど…」



そう、召喚されてからここに来るまでずっと真っ裸だった俺。
周りの人も気にせず俺に質問してきたし、俺も俺で考え事してたからまだ自分が何も着てないってことをすっかり忘れていた。
でもいよいよ王に会うって思ったら、そういえば裸だし、流石に真っ裸で王に会う聖女なんていなくない?って我に返った。


「構いません、むしろ何も纏っていない方が、王に対して反逆の意思がないことの証明になります。」

「あ、な、なるほど…」


そうか、世界を統べる王だもんな。
暗殺とかあるかもしれないし、服がなければ武器も持てないし、これ以上の安全の証明はないかもしれない。


「ではこれより謁見となります…王よ、失礼いたします、聖女様を連れて参りました。」


思考を巡らせていると、いつの間にかもう入室することになっていた。
ちょ、展開早くない?
もう少し心の準備とかしたかったし、不安そうな聖女を気遣うとか、ない?
え、俺聖女なんだよね?
全然説明もしてくれないし…人権ある?





「お前が異世界からの聖女か。」


重厚な扉が開き、奥から声が聞こえた。
この宮殿自体とても大きいが、中でも一際大きい広間が目の前に広がっている。
煌びやかなシャンデリアが何個も天井からぶら下がり、装飾の施された広間を煌々と照らしている。
まあそんなことはさておきだ。



「待ち侘びたぞ。」

「……は、はぁ、」

「ついに純潔の聖女が召喚できるとは。」

「……ぇ、あの、」

「なんだ?」

「あんた、いや、あなたが、王、さま?」

「そうだが?」

「………。」



広間の一番奥、玉座に座る(?)王をまじまじと見る。
王、なんだよな?この世界を統べてるっていう。
いや、別に周りに控えてる奴らも特に気にしてないし、合ってるならいいんだけどさ。




王、触手なんだけど。


「え、あの、そこの、えーっと、俺を連れてきた、なんか偉い感じの、」

「第一補佐です。なんでしょう?」

「えっと、補佐さん。あれが王で合ってますよね?」

「合っていますよ。」

「…触手、ですよね?あれ?あの中に王が囚われてる的な?」

「いいえ?あのお姿が王そのものです。」


あの姿が王って言われても…
カラフルな触手がうねうねと玉座を這い回るさまは、どう見ても王の姿には見えない。
てっきり、触手に囚われた王を聖女の力で救い出すミッションでも始まるのかと思った。


「な、なんで触手、なの?」

「まだ申し上げていませんでしたね。我々の本来の姿はあれですよ。本来の姿で暮らすことを許されているのは王のみです。我々は聖女様と同じ人間の姿に変身して生活しております。」



なんでも、人型に変身することで使える力が半分になるらしい。
王以外が人型になることで反逆者が出るのを防ぐのが目的のようだ。
ま、まぁ人型でも触手でも言葉は通じるし、ちょっと視覚的に違和感があるけど、これはこれで異世界感があっていい。
さあ王よ、改めて聖女としての役割を俺に教えてくれ!!



とか思ってたら、玉座から伸びた触手が俺を取り囲んでる。
あ、その触手結構伸びるんだ、とか思ってたら、玉座にいる本体?もぐんぐん大きくなって、

足首に絡みついてたりして、



んん?


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