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旦那様と親への挨拶
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私が神社から出るように促すと、旦那様は何も聞かずについて来てくれました。
ついてくださったのは、いいのですが……。
「旦那様」
「なんだ?」
「私、ご両親がどこに住んでいるのかわからないのですが、旦那様はご存じでしょうか?」
神社から出ると、左右に道が続いており、分かりません……。
「そうだと思ったぞ、まったく。無理するでない。しっかり案内するぞ」
「すいません……」
気が焦ってしまいました。
早くここから逃げ出したいと、脳が勝手に思ってしまったのでしょうか。
思っていた以上に、私はダメージを受けていたのでしょうか。
「落ち込むな、仕方がないだろう。ここは、華鈴にとって様々な記憶が刻まれている場所。焦るのも無理は無い。だが、今回ばかりは少々我慢してもらいたい。すぐに終わらせるぞ」
「旦那様、ありがとうございます。私は大丈夫ですのでお気になさらず――ひゃっ!?」
指を絡めている私の手を、旦那様は自身の口元に持って行き、軽く口づけ。
キスされた手の甲に、熱が集まります。
いきなり、何故!?
「これで、ぬしは我に意識が向いたな。これでも足りぬのなら、今は周りに人はおらぬ。今以上の事をしても良いのだぞ?」
「だ、だだだだ、旦那様!?」
私と繋がれている手はそのままに、空いている方の手を腰に回し抱き寄せられます。
黒い布で隠れている顔が近くなり、旦那様の甘い匂いが鼻を掠めます。
ま、待ってください、待ってください旦那様。
顔が近すぎます。私まだ、心の準備が出来ておりません!!
「だ、旦那様、まっ――………」
――――――――ペチン
「っ?! え、おでこに、ぺちっ?」
近付いて来る旦那様に耐えきれず、思わず目を閉じてしまうと、急に私のおでこをぺちんとされました。
な、何故ですか?
痛くはないのですが、それより驚きが大きくて言葉になりません。
「くくっ、さすがにここではやらんぞ。初めてがこんな所でなど、さすがに我も考えるものがある。初めてはもっと──こう、なんか、こう…………なんだ?」
「えっ…………と。なんでしょう?」
私と旦那様はお互い見つめ合い、問いかけ合います。ですが、お互いわからないので、答えなど出てくるわけがありません。
「あー、まぁ、そうだな。もっと、かっこよく決めたいのだ。夢を持たせてやりたいだろう。だから、ここではせん」
腰を折っていた旦那様が背を伸ばし、決め顔を浮かべているような口調で言い放ってくださいました。
そんな無理をしなくても、私にとってはいつでも旦那様はかっこいいので、特に気にしなくてもよろしいのですが……。
「──ふふっ、旦那様ったら」
思わず笑ってしまいました。
旦那様は、いつでも私を笑わせて下さいます、本当に。
「やっと、笑ったな」
「―――えっ?」
「先ほどから表情が硬かったからな。我は、笑っている華鈴が好きだぞ」
言いながら、旦那様が私の頬を甲でぺちぺちしてきます。
そんなに私は表情が硬かったのでしょうか、自分では気づきませんでした。
あ、でも、気持ちが落ち着いたのは分かります。
先ほどまで気が焦ってしまい、早くここから逃げたいと体が勝手に動いていたのですが、今は大丈夫です。
私を落ち着かせるために、旦那様は先程のようなことをしてくださったのでしょうか。
それなら、申し訳ない事をしてしまいました。
「ちなみに、ぬしの母親はここからかなり遠くに、今は住んでいるようだぞ」
「え、どこなのでしょうか?」
「確か、ここから車で五時間以上はかかる場所だと聞いた」
と、遠いですね……。
今日は移動だけで終わってしまいそう。泊まる場所などはあるのでしょうか。
「華鈴が選んでくれると助かる。車で五時間かけて移動するか、すぐに辿り着かせるか」
「――――え、あの。すぐに辿り着く事って、可能なのでしょうか?」
「我はあやかしの頂点だぞ? 一瞬で移動など造作もない」
た、頼もしいです、旦那様。
うーん、どちらを選べと言われましても。
私は正直に言いますと、少しでも旦那様と二人で行動をしたいので、車で移動がいいのですが。旦那様に負担をかけると考えると、瞬間的な移動の方がいいような気がします。
「正直に言うんだぞ、我慢すればお仕置きだ」
「お、お仕置き!?」
い、一体何をされてしまうのでしょうか、怖いです。
「え、えっと。あの、車の方が、嬉しい……です。少しでも、旦那様と共に時間を過ごしたいので……」
「うむ、了解だ。正直に言えて、えらいな」
私の頭を撫でてくれた旦那様は、流れようにスーツの胸ポケットから一台の黒いスマホを取り出し、どこかに電話をかけ始めました。
旦那様が持っているスマホは、現代でしかお使いが出来ないようです。
あやかしの世界にいる時はなくさないように大事に保管していると聞きました。
現代社会にしっかりと溶け込んでいる旦那様、さすがです。
ついてくださったのは、いいのですが……。
「旦那様」
「なんだ?」
「私、ご両親がどこに住んでいるのかわからないのですが、旦那様はご存じでしょうか?」
神社から出ると、左右に道が続いており、分かりません……。
「そうだと思ったぞ、まったく。無理するでない。しっかり案内するぞ」
「すいません……」
気が焦ってしまいました。
早くここから逃げ出したいと、脳が勝手に思ってしまったのでしょうか。
思っていた以上に、私はダメージを受けていたのでしょうか。
「落ち込むな、仕方がないだろう。ここは、華鈴にとって様々な記憶が刻まれている場所。焦るのも無理は無い。だが、今回ばかりは少々我慢してもらいたい。すぐに終わらせるぞ」
「旦那様、ありがとうございます。私は大丈夫ですのでお気になさらず――ひゃっ!?」
指を絡めている私の手を、旦那様は自身の口元に持って行き、軽く口づけ。
キスされた手の甲に、熱が集まります。
いきなり、何故!?
「これで、ぬしは我に意識が向いたな。これでも足りぬのなら、今は周りに人はおらぬ。今以上の事をしても良いのだぞ?」
「だ、だだだだ、旦那様!?」
私と繋がれている手はそのままに、空いている方の手を腰に回し抱き寄せられます。
黒い布で隠れている顔が近くなり、旦那様の甘い匂いが鼻を掠めます。
ま、待ってください、待ってください旦那様。
顔が近すぎます。私まだ、心の準備が出来ておりません!!
「だ、旦那様、まっ――………」
――――――――ペチン
「っ?! え、おでこに、ぺちっ?」
近付いて来る旦那様に耐えきれず、思わず目を閉じてしまうと、急に私のおでこをぺちんとされました。
な、何故ですか?
痛くはないのですが、それより驚きが大きくて言葉になりません。
「くくっ、さすがにここではやらんぞ。初めてがこんな所でなど、さすがに我も考えるものがある。初めてはもっと──こう、なんか、こう…………なんだ?」
「えっ…………と。なんでしょう?」
私と旦那様はお互い見つめ合い、問いかけ合います。ですが、お互いわからないので、答えなど出てくるわけがありません。
「あー、まぁ、そうだな。もっと、かっこよく決めたいのだ。夢を持たせてやりたいだろう。だから、ここではせん」
腰を折っていた旦那様が背を伸ばし、決め顔を浮かべているような口調で言い放ってくださいました。
そんな無理をしなくても、私にとってはいつでも旦那様はかっこいいので、特に気にしなくてもよろしいのですが……。
「──ふふっ、旦那様ったら」
思わず笑ってしまいました。
旦那様は、いつでも私を笑わせて下さいます、本当に。
「やっと、笑ったな」
「―――えっ?」
「先ほどから表情が硬かったからな。我は、笑っている華鈴が好きだぞ」
言いながら、旦那様が私の頬を甲でぺちぺちしてきます。
そんなに私は表情が硬かったのでしょうか、自分では気づきませんでした。
あ、でも、気持ちが落ち着いたのは分かります。
先ほどまで気が焦ってしまい、早くここから逃げたいと体が勝手に動いていたのですが、今は大丈夫です。
私を落ち着かせるために、旦那様は先程のようなことをしてくださったのでしょうか。
それなら、申し訳ない事をしてしまいました。
「ちなみに、ぬしの母親はここからかなり遠くに、今は住んでいるようだぞ」
「え、どこなのでしょうか?」
「確か、ここから車で五時間以上はかかる場所だと聞いた」
と、遠いですね……。
今日は移動だけで終わってしまいそう。泊まる場所などはあるのでしょうか。
「華鈴が選んでくれると助かる。車で五時間かけて移動するか、すぐに辿り着かせるか」
「――――え、あの。すぐに辿り着く事って、可能なのでしょうか?」
「我はあやかしの頂点だぞ? 一瞬で移動など造作もない」
た、頼もしいです、旦那様。
うーん、どちらを選べと言われましても。
私は正直に言いますと、少しでも旦那様と二人で行動をしたいので、車で移動がいいのですが。旦那様に負担をかけると考えると、瞬間的な移動の方がいいような気がします。
「正直に言うんだぞ、我慢すればお仕置きだ」
「お、お仕置き!?」
い、一体何をされてしまうのでしょうか、怖いです。
「え、えっと。あの、車の方が、嬉しい……です。少しでも、旦那様と共に時間を過ごしたいので……」
「うむ、了解だ。正直に言えて、えらいな」
私の頭を撫でてくれた旦那様は、流れようにスーツの胸ポケットから一台の黒いスマホを取り出し、どこかに電話をかけ始めました。
旦那様が持っているスマホは、現代でしかお使いが出来ないようです。
あやかしの世界にいる時はなくさないように大事に保管していると聞きました。
現代社会にしっかりと溶け込んでいる旦那様、さすがです。
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