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旦那様と迷子
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私が旦那様を見上げていますと、きょとんとした顔を浮かべました。
すると、なぜか口を押え肩を震わせます。
……これは、確実に笑っております。
な、何故ですか!?
旦那様が涙を拭きながら顔を上げ、頬を膨らませ怒っている私の頭を撫でてきます。
むー、何なんですかぁ……。
「いや、すまんすまん、そう怒るな。愛らしいと、そう思っただけだ」
「あいっ!? そ、そんなことを言われましても、今回ばかりは簡単に許しません!!」
「そう言う割には、頬が緩んでおるぞ。やはり、可愛いな、華鈴よ」
むむむっ、頬をフニフニと触ってきます。
優しく微笑みかけられると、どうしても頬が緩んでしまうのです、仕方がないのですよ!!
「華鈴よ」
「は、はい!」
「華鈴は、我を心配し過ぎだ。我はぬしが思っているより、弱くはないぞ」
――――――――え、い、いや。あの、ち、違います!! そういう事ではないのです!!
旦那様を弱いと思っているわけでは決してないのです!! そうお伝えしたかったのですが、旦那様が先に言葉を続けてしまいました。
「我は、ぬしに我慢ばかりさせていたなと思ったのだ。確かに長の仕事は沢山あり、あやかしの世界の管理も、我がしなければならん」
はい、存じております。
だから私は、旦那様が無理をしないように。
少しでも負担を減らせるようにと思っているのですから。
「だがな、我個人としては、ぬしにはもう少しわがままを言ってほしい。男とは、頼られると嬉しいものだからな」
頼られると嬉しい………本当でしょうか。
ご迷惑にならないのでしょうか、お仕事の邪魔にならないのでしょうか。
「うむ、疑っておるな?」
「あっ、い、いえ。旦那様を疑うなど、そのようなことはありません!! ただ、私がわがままを言ってしまうと、今度は旦那様が無理してしまわれないかと不安になったのです……」
捨てられた私を妻に迎えて下さり、本当の幸せをくださった旦那様。
私は、旦那様に少しでも無理をしてくほしくないだけなのです。
私のせいで旦那様の手を、煩わせたくないのです。
「ふむ。どうするべきか……」
「え、あ、あの!! 私の事は本当に大丈夫ですよ! 私は今もすっごく幸せですので、これ以上を求めてしまうと、私が我慢できなくなってしまうかもしれないです」
人というものは、今以上の幸せを求める生き物だと聞いたことがあります。
今以上の幸せを求めてしまえば、私は”もっと”と欲が出てしまう。
出てしまった欲を抑えるのは難しいと、私自身も実感しております。
今まで、何度か我慢ができず旦那様の手を握ったり、か、顔をじぃっと見ております。
これ以上は、何をしてしまうのかわかりません!!
「…………分かったぞ、華鈴」
あ、わかってくださいました。
旦那様に甘えることが出来れば、私は今以上の幸福を感じるでしょう。
ですが、それは私のわがまま。
旦那様には長としてのお仕事があります。
無理をさせてしまう訳にはいかないのです!!
私が旦那様を見ますと、藍色の瞳と目が合います。
いつの間にか黒い布は横にずらしており、顔を近づかせておりました。
私の視界が、旦那様の瞳に覆われます。
思考が動かず固まっておりますと、旦那様は私の背中に両手を回し抱き留めました。
甘い、優しい温もりに包まれ、やっと思考が動くなった私は一気に心臓が高鳴り、顔が赤くなるのを感じます。
「な、なななな、だ、旦那様!? な、何を?」
「うむ。華鈴が遠慮してしまうのなら、我が甘えようと思ってな。今まで幾度か抱きしめてはいるが、やはり何度でも、何時間でも華鈴を我の腕で包み込んでいたいな」
な、な!? ど、え? ま、え!?
し、思考がまたしても停止です。
これ、あの、私は、どうすれば??
「――くくっ、慌てているようだな、華鈴。いつものように、我の背中に手を回しても良いのだぞ?」
っ! み、耳元で! 耳元で話さないでください! くすぐったいです!
旦那様のお声は低く、体に甘い痺れが走ります!
……だ、旦那様の温もり、甘い香り。
が、まんなど、できるわけがありません!
震える手を、言われるがままに旦那様の背中に回します!
――――ギュッ
旦那様の背中、大きいです。ずっと抱きしめていたい。
――――幸せです、旦那様に包まれております。
これは、妻である私の特権なのです! 旦那様に包まれてもいいのは私だけなのです。
あ、これって重たい感情というものなのでしょうか。
旦那様にはばれないようにしなければ。
「お、そうだ。華鈴よ、今後時間を合わせ、出かけないか?」
「あ、はい!! あの、どちらにでしょうか?」
「現代だ。先週開店したばかりのショッピングモールがあるらしい。人間世界を束ねる神から教えてもらったのだ。華鈴はそのような所はどうだ? 行ってみたいか?」
旦那様とならどこでも楽しいので行ってみたいという感情より、旦那様となら行きたいという感情が大きいです。
「行ってみたいです!」
「そうか、では三日後だな」
え、やはり三日間は絶対安静なのですね?!!
すると、なぜか口を押え肩を震わせます。
……これは、確実に笑っております。
な、何故ですか!?
旦那様が涙を拭きながら顔を上げ、頬を膨らませ怒っている私の頭を撫でてきます。
むー、何なんですかぁ……。
「いや、すまんすまん、そう怒るな。愛らしいと、そう思っただけだ」
「あいっ!? そ、そんなことを言われましても、今回ばかりは簡単に許しません!!」
「そう言う割には、頬が緩んでおるぞ。やはり、可愛いな、華鈴よ」
むむむっ、頬をフニフニと触ってきます。
優しく微笑みかけられると、どうしても頬が緩んでしまうのです、仕方がないのですよ!!
「華鈴よ」
「は、はい!」
「華鈴は、我を心配し過ぎだ。我はぬしが思っているより、弱くはないぞ」
――――――――え、い、いや。あの、ち、違います!! そういう事ではないのです!!
旦那様を弱いと思っているわけでは決してないのです!! そうお伝えしたかったのですが、旦那様が先に言葉を続けてしまいました。
「我は、ぬしに我慢ばかりさせていたなと思ったのだ。確かに長の仕事は沢山あり、あやかしの世界の管理も、我がしなければならん」
はい、存じております。
だから私は、旦那様が無理をしないように。
少しでも負担を減らせるようにと思っているのですから。
「だがな、我個人としては、ぬしにはもう少しわがままを言ってほしい。男とは、頼られると嬉しいものだからな」
頼られると嬉しい………本当でしょうか。
ご迷惑にならないのでしょうか、お仕事の邪魔にならないのでしょうか。
「うむ、疑っておるな?」
「あっ、い、いえ。旦那様を疑うなど、そのようなことはありません!! ただ、私がわがままを言ってしまうと、今度は旦那様が無理してしまわれないかと不安になったのです……」
捨てられた私を妻に迎えて下さり、本当の幸せをくださった旦那様。
私は、旦那様に少しでも無理をしてくほしくないだけなのです。
私のせいで旦那様の手を、煩わせたくないのです。
「ふむ。どうするべきか……」
「え、あ、あの!! 私の事は本当に大丈夫ですよ! 私は今もすっごく幸せですので、これ以上を求めてしまうと、私が我慢できなくなってしまうかもしれないです」
人というものは、今以上の幸せを求める生き物だと聞いたことがあります。
今以上の幸せを求めてしまえば、私は”もっと”と欲が出てしまう。
出てしまった欲を抑えるのは難しいと、私自身も実感しております。
今まで、何度か我慢ができず旦那様の手を握ったり、か、顔をじぃっと見ております。
これ以上は、何をしてしまうのかわかりません!!
「…………分かったぞ、華鈴」
あ、わかってくださいました。
旦那様に甘えることが出来れば、私は今以上の幸福を感じるでしょう。
ですが、それは私のわがまま。
旦那様には長としてのお仕事があります。
無理をさせてしまう訳にはいかないのです!!
私が旦那様を見ますと、藍色の瞳と目が合います。
いつの間にか黒い布は横にずらしており、顔を近づかせておりました。
私の視界が、旦那様の瞳に覆われます。
思考が動かず固まっておりますと、旦那様は私の背中に両手を回し抱き留めました。
甘い、優しい温もりに包まれ、やっと思考が動くなった私は一気に心臓が高鳴り、顔が赤くなるのを感じます。
「な、なななな、だ、旦那様!? な、何を?」
「うむ。華鈴が遠慮してしまうのなら、我が甘えようと思ってな。今まで幾度か抱きしめてはいるが、やはり何度でも、何時間でも華鈴を我の腕で包み込んでいたいな」
な、な!? ど、え? ま、え!?
し、思考がまたしても停止です。
これ、あの、私は、どうすれば??
「――くくっ、慌てているようだな、華鈴。いつものように、我の背中に手を回しても良いのだぞ?」
っ! み、耳元で! 耳元で話さないでください! くすぐったいです!
旦那様のお声は低く、体に甘い痺れが走ります!
……だ、旦那様の温もり、甘い香り。
が、まんなど、できるわけがありません!
震える手を、言われるがままに旦那様の背中に回します!
――――ギュッ
旦那様の背中、大きいです。ずっと抱きしめていたい。
――――幸せです、旦那様に包まれております。
これは、妻である私の特権なのです! 旦那様に包まれてもいいのは私だけなのです。
あ、これって重たい感情というものなのでしょうか。
旦那様にはばれないようにしなければ。
「お、そうだ。華鈴よ、今後時間を合わせ、出かけないか?」
「あ、はい!! あの、どちらにでしょうか?」
「現代だ。先週開店したばかりのショッピングモールがあるらしい。人間世界を束ねる神から教えてもらったのだ。華鈴はそのような所はどうだ? 行ってみたいか?」
旦那様とならどこでも楽しいので行ってみたいという感情より、旦那様となら行きたいという感情が大きいです。
「行ってみたいです!」
「そうか、では三日後だな」
え、やはり三日間は絶対安静なのですね?!!
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