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両親の出会い
13-17
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九尾は鬼を連れ、あやかしの世界へと渡った。
辿り着くと、鬼は大暴れし始めてしまい、九尾を吹っ飛ばした。
木に背中を強くぶつけてしまい、九尾は地面に落ちる。咳き込みながらも、何とか顔を上げた。
「あたた……。まったく、あやかしの世界に来れば、鬼も力が増幅してしまうのを忘れておったのぉ」
人間世界の空気は、あやかし達には合わない。
そのため、力も半減してしまう。
それだけでなく、今回のように人間世界に被害を出しては行けないと思うと、迂闊に力を放てない。
鬼は、被害については一切考えないが、力はどうしても半減する。
あやかしの世界に戻れば鬼の力は高まり、先程とは比べ物にならないくらいの力を発揮してしまう。
体は大きくなり、角が伸びる。
金棒を握る手からは血管が浮き出ていた。
力が溢れ、辺りに抑えきれない妖力が漂う。
「やれやれ、まったく……。まぁ、よい。条件は、ワシも同じだ」
立ち上がりながら、服に付いた土を払う。
顔を上げると、頬に赤い痣が伸びていた。
それは、長である証から伸びている。
力が増幅し、体全体に妖力が巡らされている証拠。
尾は大きく、長く伸び、爪は鋭くなる。
笑っている口元からは、キラリと光る牙が見え隠れしていた。
「さてと」
目を細めたかと思うと、九尾の姿が消える。
突如消えてしまった九尾を探すため、鬼は周りを見回した。
刹那、背中から腹部に九尾の手が貫通した。
「ガッ!!!」
九尾が鬼の背後に周り、背中からお腹まで手を貫通させる。
すぐさま抜き取ると、血がボタボタと溢れ出た。
それを気にせず九尾は距離を取り、尾を大きく広げた。
月明かりが九尾を照らす。
地面に映る影が、徐々に大きくなる。
鬼は、表情を変えずに、動くこともせず見続けた。
腕だけでなく、指先一つさえ動かせない。
ただただ、九尾を見続ける。
「鬼よ、今回は巻き込んで悪いなぁ」
尾を伸ばし、鬼の体に次から次へと突き刺した。
悲痛の叫びが木霊する。
九尾は、尾を突き刺したまま、地面に手を付いた。
「さぁて、封印させてもらうぞ、千年程な」
左手にもアザが伸びており、地面につけた瞬間、紋章が広がった。
尾に押しつぶされ身動きが取れない鬼へと伸び、強い光を放つ。大きな声が再度、響き渡った。
数秒、悲痛の叫びを上げていた鬼は、徐々に小さくなり、最後には声すら聞こえなくなった。
九尾は目を細め、立ち上がる。
尾をゆっくりと引き抜くと、そこにはもう、誰もいなかった。
地面には、印が結ばれており、蠢いている。
すぐ近くにある少し大きな石を拾い、妖力を込めると蠢く印の上に置いた。
モゴモゴとうねっていた印が徐々に動きを鈍らせ、数秒後には止まった。
しばらく警戒していた九尾だったが、動きを見せない印を見て、深く息を吐いた。
「はぁぁぁ……。まったく、鬼の封印を解除するなど、何を考えておるのだ、猫又よ……」
鬼は、封印される前、人間世界を牛耳っていた。
恐怖を煽り弱いあやかしを従え、恐れを人間達に与えていた。
そんな鬼だったが、九尾の先代により、封印された。
だが、それは人間の協力あってこそ。
今回は、封印を解除されたばかりだったため、力も最大限発揮する前に封印できた。
仮に、力が十分に蓄えられていたら、いくらあやかし世界に戻ってきたとて、九尾一人では倒せなかっただろう。
そう思うと、九尾は今回、運が良かったとも考えた。
だが、今はそんなことを考えている暇などない。
次に考えなければなら無いのは、雫含む、猫又の処分。
九尾は再度、深いため息を吐いた。
「――――ふむ?」
頭をガリガリと掻いていると、神木から気配を感じ触れた。
光り出すと、百目と鴉天狗が現れた。
地面に着地すると、九尾の姿を見て二人は驚愕。慌てて九尾へと近づいた。
「九尾様! 鬼はどうなりましたか!?」
「しっかりと封印出来たぞ」
体を横にずらし、封印したことを示す。
しっかりと封印されており、百目と鴉天狗は安堵の息を吐き、力が抜けその場に座り込んだ。
「よ、よかった…………」
「鬼の力がまだ完全に復活する前で良かったのぉ。完全復活を果たしていたら、流石のワシも危険であったぞ」
「さてと」と、九尾は再度神木に触れた。
光り出すと、今度は女性が四人、現れた。
鴉天狗と同じく、四人は余裕そうに地面に足をつけ、九尾を見上げた。
「二口女にろくろっ首、すなかけばばぁか、どうだった?」
「見ての通り、守り切りましたよ。守られもしてしまいました」
言うと、二口女が雪女の肩に手を置き、前へと押し出した。
「あ、あの…………」
「雪女!!」
九尾は、周りを一切気にせず雪女へと抱き着いた。
「あ、あの、九尾、様?」
「よかった。無事でよかったぞ、雪女よ」
片手が折れてしまっている為、九尾は片手で力強く抱きしめる。
力が強すぎて、雪女は嬉しい気持ちもあるが苦しく、コホッと咳き込んでしまった。
二口女は、九尾の肩を掴み、無理やり雪女と引きはがした。
「こらっ! 九尾様、女性は男性のように頑丈ではないのです! もっと優しく抱きしめてあげてください!」
「え、そ、そこですか?」
抱きしめている事に対しては何も言わないの? と雪女の頭に疑問が浮かぶ。
九尾は頬を掻き、「す、すまなかった」と、申し訳なさそうに謝った。
「九尾様、お疲れなところ申し訳ないですが、まだやる事は残っています」
鴉天狗がタイミングを計り、九尾へと言った。
「うむ、そうだな。さて、次はぬしだ」
九尾の視線の先にいるのは、すなかけばばぁが持っている籠に向けられた。
辿り着くと、鬼は大暴れし始めてしまい、九尾を吹っ飛ばした。
木に背中を強くぶつけてしまい、九尾は地面に落ちる。咳き込みながらも、何とか顔を上げた。
「あたた……。まったく、あやかしの世界に来れば、鬼も力が増幅してしまうのを忘れておったのぉ」
人間世界の空気は、あやかし達には合わない。
そのため、力も半減してしまう。
それだけでなく、今回のように人間世界に被害を出しては行けないと思うと、迂闊に力を放てない。
鬼は、被害については一切考えないが、力はどうしても半減する。
あやかしの世界に戻れば鬼の力は高まり、先程とは比べ物にならないくらいの力を発揮してしまう。
体は大きくなり、角が伸びる。
金棒を握る手からは血管が浮き出ていた。
力が溢れ、辺りに抑えきれない妖力が漂う。
「やれやれ、まったく……。まぁ、よい。条件は、ワシも同じだ」
立ち上がりながら、服に付いた土を払う。
顔を上げると、頬に赤い痣が伸びていた。
それは、長である証から伸びている。
力が増幅し、体全体に妖力が巡らされている証拠。
尾は大きく、長く伸び、爪は鋭くなる。
笑っている口元からは、キラリと光る牙が見え隠れしていた。
「さてと」
目を細めたかと思うと、九尾の姿が消える。
突如消えてしまった九尾を探すため、鬼は周りを見回した。
刹那、背中から腹部に九尾の手が貫通した。
「ガッ!!!」
九尾が鬼の背後に周り、背中からお腹まで手を貫通させる。
すぐさま抜き取ると、血がボタボタと溢れ出た。
それを気にせず九尾は距離を取り、尾を大きく広げた。
月明かりが九尾を照らす。
地面に映る影が、徐々に大きくなる。
鬼は、表情を変えずに、動くこともせず見続けた。
腕だけでなく、指先一つさえ動かせない。
ただただ、九尾を見続ける。
「鬼よ、今回は巻き込んで悪いなぁ」
尾を伸ばし、鬼の体に次から次へと突き刺した。
悲痛の叫びが木霊する。
九尾は、尾を突き刺したまま、地面に手を付いた。
「さぁて、封印させてもらうぞ、千年程な」
左手にもアザが伸びており、地面につけた瞬間、紋章が広がった。
尾に押しつぶされ身動きが取れない鬼へと伸び、強い光を放つ。大きな声が再度、響き渡った。
数秒、悲痛の叫びを上げていた鬼は、徐々に小さくなり、最後には声すら聞こえなくなった。
九尾は目を細め、立ち上がる。
尾をゆっくりと引き抜くと、そこにはもう、誰もいなかった。
地面には、印が結ばれており、蠢いている。
すぐ近くにある少し大きな石を拾い、妖力を込めると蠢く印の上に置いた。
モゴモゴとうねっていた印が徐々に動きを鈍らせ、数秒後には止まった。
しばらく警戒していた九尾だったが、動きを見せない印を見て、深く息を吐いた。
「はぁぁぁ……。まったく、鬼の封印を解除するなど、何を考えておるのだ、猫又よ……」
鬼は、封印される前、人間世界を牛耳っていた。
恐怖を煽り弱いあやかしを従え、恐れを人間達に与えていた。
そんな鬼だったが、九尾の先代により、封印された。
だが、それは人間の協力あってこそ。
今回は、封印を解除されたばかりだったため、力も最大限発揮する前に封印できた。
仮に、力が十分に蓄えられていたら、いくらあやかし世界に戻ってきたとて、九尾一人では倒せなかっただろう。
そう思うと、九尾は今回、運が良かったとも考えた。
だが、今はそんなことを考えている暇などない。
次に考えなければなら無いのは、雫含む、猫又の処分。
九尾は再度、深いため息を吐いた。
「――――ふむ?」
頭をガリガリと掻いていると、神木から気配を感じ触れた。
光り出すと、百目と鴉天狗が現れた。
地面に着地すると、九尾の姿を見て二人は驚愕。慌てて九尾へと近づいた。
「九尾様! 鬼はどうなりましたか!?」
「しっかりと封印出来たぞ」
体を横にずらし、封印したことを示す。
しっかりと封印されており、百目と鴉天狗は安堵の息を吐き、力が抜けその場に座り込んだ。
「よ、よかった…………」
「鬼の力がまだ完全に復活する前で良かったのぉ。完全復活を果たしていたら、流石のワシも危険であったぞ」
「さてと」と、九尾は再度神木に触れた。
光り出すと、今度は女性が四人、現れた。
鴉天狗と同じく、四人は余裕そうに地面に足をつけ、九尾を見上げた。
「二口女にろくろっ首、すなかけばばぁか、どうだった?」
「見ての通り、守り切りましたよ。守られもしてしまいました」
言うと、二口女が雪女の肩に手を置き、前へと押し出した。
「あ、あの…………」
「雪女!!」
九尾は、周りを一切気にせず雪女へと抱き着いた。
「あ、あの、九尾、様?」
「よかった。無事でよかったぞ、雪女よ」
片手が折れてしまっている為、九尾は片手で力強く抱きしめる。
力が強すぎて、雪女は嬉しい気持ちもあるが苦しく、コホッと咳き込んでしまった。
二口女は、九尾の肩を掴み、無理やり雪女と引きはがした。
「こらっ! 九尾様、女性は男性のように頑丈ではないのです! もっと優しく抱きしめてあげてください!」
「え、そ、そこですか?」
抱きしめている事に対しては何も言わないの? と雪女の頭に疑問が浮かぶ。
九尾は頬を掻き、「す、すまなかった」と、申し訳なさそうに謝った。
「九尾様、お疲れなところ申し訳ないですが、まだやる事は残っています」
鴉天狗がタイミングを計り、九尾へと言った。
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