生贄巫女はあやかし旦那様を溺愛します

桜桃-サクランボ-

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これからも

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「旦那様。私も旦那様が危険の場所に行くのは嫌です。怖いし、不安です。ですが、理解しています。ここで、旦那様が動かなければならない事を。なら、私も、あやかしの長の妻として、お手伝いがしたいです。どうか、一緒に今回の件を解決させて頂けませんか?」

 誠心誠意頭を下げお願いすると、旦那様が慌てた様子で私の頭を上げさせました。

「わかった。ここまで言っている華鈴は止まらんからな」

「す、すいません…………」

「いや、ありがたいのだ。これは、我の問題なのだからな」

「旦那様の、問題?」

 それは、一体どういう事でしょうか。
 首を傾げていると、恥ずかしそうに旦那様が顔を逸らし、口を開きます。

「我が、華鈴を守らなければならないと、勝手に思い上がっていたのだ」

「え、そ、それは…………」

 それは、嬉しいです。
 嬉しいですし、今まで私は旦那様に守られてきました。

 思い上がりではありません。
 私は、守られてきましたよ。なぜ、そんな悲しそうにしているのですか?

「だが、華鈴は我が思っている以上に強くなっている。我がすべてを守らなければならないわけではない。――――強くなったな、華鈴」

 優しく微笑み、旦那様が私を褒めてくださいました。
 旦那様が、私を抱きしめてくださいます。

 あぁ、どうしましょう。
 嬉しい。嬉しすぎて、言葉が出ません。
 涙が、出てきそうです。目尻が、熱いです。

 私も背中に手を回し、旦那様を抱きしめます。
 旦那様の優しい温もり包まれているこの時間が、なによりも大好き。

 ずっと、ずっと感じていたい。
 旦那様を、感じていたい。

 そして、いつでも幸せと感じられるような生活を送りたい。
 わだかまりがなくなるように、私も今回の件は、全力で頑張ります。

 ※

 旦那様は、今一度猫花家の皆様に会いたいと、手紙を書いております。

 前回は、あちら側の主催であるお誕生日会? だったみたいです。なので、あまりお話が出来なかったと。
 なので、今回はしっかりとお話出来る機会を設けてもらおうとしているみたいです。

 そこには、もちろん私も参加します。
 あとは、旦那様はもちろん。猫花家では、娘さんである静稀さんと、雫様。この四人でお話がしたいと、手紙を送ったらしいです。

 それから一週間後に、手紙の返事がきたみたいです。
 旦那様と共に、私も手紙の返事を見ます。

「――――ひとまず、了承は得たな」

「みたいですね」

 場所と、日時はあちらで提案をしてきました。
 こちらからお願いした身、そのあたりはこちらが合わせようという事になりました。

 場所は、猫花家の屋敷。日付は――――一か月以上も先ですね。

「なぜ、ここまで先の日を設定して来たのでしょうか」

「色々警戒しているのだろうな。もしかしたら、静稀に何かを教え込む時間を作っているのかもしれん」

 まさか、そんなことまで……。
 静樹さんとは会った事がありませんが、苦しい気持ちをしているのかもしれないと、予想はできます。

 早く助けてあげたいですが、迂闊に動けませんね……。

「今は我慢の時だぞ、華鈴よ」

「はい」

 今は、急いではいけません。
 急がず、こちらもこちらで、この期間に出来るようなことをしていきましょう。

 ※

 誕生日会の出来事で、雫は毎日いらだっていた。
 自分は何も出来ない。何かをしてしまえば、首に付けられた首飾りが雫の頭を飛ばす。

 だから、娘に七氏の情報を流した。
 好きになるように、求婚したくなるように。いい所ばかりを伝えた。

 それが功を奏し、静樹は、七氏を好きになった。

 全力で応援した。
 何をしてでも、静稀を七氏の嫁にする。そう、考えていた。

 だが、七氏に人間が嫁いだことを耳にし、静稀は酷く落ち込んだ。
 もう、好きではいられない。そう思ってしまった。

 このまま諦められてしまえば、雫の今までの行動が全て無駄となってしまう。

 だから、婚約したのなら、略奪すればいいと静稀に伝えた。
 最初は拒んだが、それでも毎日毎日、言い聞かせた。

 そうすると、静稀は徐々に洗脳される。
 婚約していても、奪えばいい。そうすれば、好きな人と幸せになれる。そう、思わせることが出来た。

 それなのに、今回、九尾が動いたことで事態が変わってしまった。

 九尾さえ動かなければ、こうはならなかった。
 九尾さえ居なければ、自分があやかしの長になれた。

 九尾さえ居なければ――……

 そんな時に、手紙が届く。
 内容は、また会えないかと言う、七氏からの手紙だった。

 これは、雫にとっては好機。
 もう、会えないと思っていた時に、まさか相手から申し出てくれるとは思ってはいなかった。

 けれど、今すぐは確実に無理だ。
 もっと、静稀に女子力を磨いてもらい、七氏を奪い取ってもらわなければならない。

「――――静稀を呼びなさい」

 女中に静稀を呼ばせ、雫は口角を横へと引き延ばす。

 ――――絶対に、今回で奪い取ってやるわ。あやかしの長の妻を……
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