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第11話 モブ、いじめに遭う?
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斎木先輩は俺に屈み込んで、ジャージの上から足にそっと触れた。
「大丈夫か」
「あし……」
それから、俺を抱き上げた。姫抱っこだ。
キャーッって悲鳴が上がる。
「なんだよ、蒼! 連れてくなら俺だろ?!」
「退け」
苛立った重低音が、俺の耳元で聞こえた。
「揺れるぞ?」
それから、落ちないようにって首に手を回すよう俺に言うと、医務室に連れて行ってくれた。
結局、俺は、併設の診療所を経由して、病院に搬送されたけど、単なる捻挫だった。完治まで二週間とのことだ。
大げさになってしまったな。先輩にも心配をかけてしまった。
先輩に連絡したら、すぐ既読になって「良かった」と返事をくれた。
俺といえば、先輩に姫抱っこされたことを、今更思い出して、真っ赤になってしまって。
保健医に、熱出てきた? って心配されてしまった。
□□□□
俺が先輩に姫抱っこで運ばれたことは、あっという間に知れ渡った。
すると、嫌がらせが始まった。
微かに内履きが濡れてたり、宿題や教科書がなくなったり、ロッカーになぜか乾いた泥が撒かれてあったり、少し水が降ってきたり……。
「地っ味ぃ」
「小坂にダメージなさそう」
「内履きだって気づかないくらいの湿り気だったよね」
「ロッカーも、使った体操服入れてただけだろ?」
加賀谷がプリントを掲げる。
「悲報です。これは、例の紛失した宿題のプリントですが」
「あ! あったの?」
「教科書とともに、置きっぱなしの鞄から見つかりました」
「じゃあ、いつもの忘れ物?」
「嫌がらせって、結局、2つかよ」
俺への風当たりが強くて、ツライ。
「親衛隊がやったんじゃないよ。親衛隊長から、小坂に手ぇ出すなって通達回ったから」
と、一ノ瀬が言う。
突然、思い出した。
斎木先輩の親衛隊長が、先輩ルートでの悪役なんだ。
確か、先輩と同じ3年で、先輩を妬んでて。
先輩への嫌がらせのために、味方のフリをして主人公をいじめる人だった。
線が細くて、勝ち気な美人だったんだけど……。
「親衛隊長ってどんな人?」
「え? 剣道部主将」
「は?!」
剣道部主将は、背が高くて筋肉もついて、温厚そうなフツメンだ。
「先輩と仲悪かったりする?」
「まさか! 仲いいよ、従兄弟だし。うちは親衛隊幹部が剣道部員だから、他所と違って『斎木様のSP』って感じが強いんだよね」
うーん? そうだっけ?
もしかして、もう誰かのルートに入ってて、外れた攻略対象者は細かい点が違ってるとか?
副会長か双子庶務のルートに入ってるのかな。
「次、教室移動だよ、行こっか」
立ち上がるとき、加賀谷が手を貸してくれた。
「大丈夫か」
「あし……」
それから、俺を抱き上げた。姫抱っこだ。
キャーッって悲鳴が上がる。
「なんだよ、蒼! 連れてくなら俺だろ?!」
「退け」
苛立った重低音が、俺の耳元で聞こえた。
「揺れるぞ?」
それから、落ちないようにって首に手を回すよう俺に言うと、医務室に連れて行ってくれた。
結局、俺は、併設の診療所を経由して、病院に搬送されたけど、単なる捻挫だった。完治まで二週間とのことだ。
大げさになってしまったな。先輩にも心配をかけてしまった。
先輩に連絡したら、すぐ既読になって「良かった」と返事をくれた。
俺といえば、先輩に姫抱っこされたことを、今更思い出して、真っ赤になってしまって。
保健医に、熱出てきた? って心配されてしまった。
□□□□
俺が先輩に姫抱っこで運ばれたことは、あっという間に知れ渡った。
すると、嫌がらせが始まった。
微かに内履きが濡れてたり、宿題や教科書がなくなったり、ロッカーになぜか乾いた泥が撒かれてあったり、少し水が降ってきたり……。
「地っ味ぃ」
「小坂にダメージなさそう」
「内履きだって気づかないくらいの湿り気だったよね」
「ロッカーも、使った体操服入れてただけだろ?」
加賀谷がプリントを掲げる。
「悲報です。これは、例の紛失した宿題のプリントですが」
「あ! あったの?」
「教科書とともに、置きっぱなしの鞄から見つかりました」
「じゃあ、いつもの忘れ物?」
「嫌がらせって、結局、2つかよ」
俺への風当たりが強くて、ツライ。
「親衛隊がやったんじゃないよ。親衛隊長から、小坂に手ぇ出すなって通達回ったから」
と、一ノ瀬が言う。
突然、思い出した。
斎木先輩の親衛隊長が、先輩ルートでの悪役なんだ。
確か、先輩と同じ3年で、先輩を妬んでて。
先輩への嫌がらせのために、味方のフリをして主人公をいじめる人だった。
線が細くて、勝ち気な美人だったんだけど……。
「親衛隊長ってどんな人?」
「え? 剣道部主将」
「は?!」
剣道部主将は、背が高くて筋肉もついて、温厚そうなフツメンだ。
「先輩と仲悪かったりする?」
「まさか! 仲いいよ、従兄弟だし。うちは親衛隊幹部が剣道部員だから、他所と違って『斎木様のSP』って感じが強いんだよね」
うーん? そうだっけ?
もしかして、もう誰かのルートに入ってて、外れた攻略対象者は細かい点が違ってるとか?
副会長か双子庶務のルートに入ってるのかな。
「次、教室移動だよ、行こっか」
立ち上がるとき、加賀谷が手を貸してくれた。
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