王道学園のモブ

四季織

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第15話 先輩に心配かけて

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 バタバタと走ってくる靴音がする。
 何人かの足音と、加賀谷と小笠原、一ノ瀬が先生を呼ぶ声がする。
 それから。

「小坂!」

 ガンッと叩きつけるように扉が開いて、斎木先輩の声がした。


「えっと、どういう状況だ?」

 後から入ってきた体育の先生が、当惑気味に、とりあえず俺に声をかける。

 俺は柔道の技の「肩固め」を解いて、起き上がる。
 レイプ犯の予定だった上級生は、ぐったりしていたけど、意識はあるはずだ。

 先生が、同じく入口で呻いてる上級生を確認していたら、風紀委員長が駆け込んできた。
 人口密度がすごい。

「……斎木、これはどういう状況だ?」

 風紀委員長がすぐ隣に立っていた先輩に聞く。
 その後ろから、ひょこっと、俺の幼馴染みのゴリラ、翔吾が顔を覗かせた。

「あ! たけるだったのか、レイプされてる生徒って」
「は?」


 風紀委員室に「第二体育倉庫で、レイプされてる人がいる」って匿名のタレコミがあったんだそうだ。
 それで、ちょうど風紀委員室にいた、風紀委員長と翔吾が駆けつけたと言うわけだ。
 そういや、お前、風紀委員だったな。


「先輩達はなんで?」
「斎木先輩から何度か着信があって、でもスマホ置き忘れてるから」

 俺が遅いから、先輩が心配してくれたのか。
 加賀谷達は、俺が先生の用事を済ませて、そのまま先輩のところに行ったと思っていたんだって。

「先生に聞いたら、小坂を呼んでないっていうし」

「小坂、説明できるか?」
「あー、襲ってきたんで、その正当防衛でですね、俺が……」
「たける、柔道やってたんで! やっぱり辞めるのもったいないよ!」

 お前は喋りすぎだ。
 俺はホントに強くないから。
 
 意識はあるから、先生と風紀委員長がレイプ未遂犯を連れて行く。
 先輩と俺を見て、加賀谷達も帰っていった。


 残された俺は先輩を見上げた。
 先輩は、ずっと喋っていない。

「せん……」

 ガバッと抱き締められた。
 先輩は小さい声で、「良かった」をずっと繰り返していた。

 すっごく心配かけたんだ。
 俺は、「心配かけてごめんなさい」って、先輩にしがみついていた。




 あの件があって、俺の嫌がらせを知った先輩から、「まず、どうして言わない」とこっぴどく叱られた。
 それで、先輩の部屋で、いつものクラスの3人を交えて、話をすることになった。

 先輩の親衛隊に入ってる一ノ瀬はもちろん、小笠原まで緊張してるのはなんでだ。
 特別室に威圧されてるのか。よく分かる。


「複数いる感じだな」

 話を聞いて、先輩がそう言った。

 最初のショボい嫌がらせと、今回のは明らかに手口が違う。
 それに、襲わせといて風紀委員を呼ぶなんて。

 意図が分からない。



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