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第一章 国立太平洋学園の潜伏者
第十七話 絶海学園(後編)
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~2100年4月10日 0:20 US1層地下水道管~
ガチャ。頭上からマンホールの開く音がした。
「旺1等航空司令官。お待たせしました」
「例の女、西郷優芽はどうなった」
「はい、こちらに」
もぞもぞ暴れている袋が投げられた。私は袋を開け西郷の口にしてあるガムテープを一気に取った。
「め…明衣ちゃん…どうしてここに…」
やはりこの女は私の正体に気が付いていなかったみたいだ。目を大きくして驚いている。
「私の名前は一ノ瀬明衣てはないわ。私は旺橙桜。革命国空軍1等航空司令官よ」
「革命国軍…っていう事は明衣ちゃんがスパイだったってこと?」
「今更気づいたの?日本人は大概間抜けね。もういいわ、さっさと失神させて頂戴」
「明衣ちゃん待っ、うっ…」
部下の一人が腹に拳を入れるとあっという間に失神してしまった。
「よし撤収よ」
「優芽―優芽―どこだー」
上から聞き覚えのある男の声がした。
「旺1等航空司令官。追手ですかね。私が一発かましてきましょうか」
「ここまでほぼパーフェクトの出来なのよ。事を大きくしてどうするの。私が時間を稼ぐわ貴方たちは脱出しなさい」
「ですが…分かりました!旺1等航空司令官もご無事で。よしお前たち行くぞ」
部下たちは来た道を駆け足で戻っていった。あっという間に足をとは聞こえなくなりあたりは静寂に包まれた。
「よし、もう一仕事するか」
~4月10日 0:30 噴水公園~
俺は噴水公園を走り回っていた。でもどこにも優芽の姿はない。
「あれ?貴文君てはないてすか」
後ろから声を掛けられ振り返るとそこには明衣がいた。
「明衣!どうしてこんな時間にここにいるんだ?それはそうと優芽を見なかったか」
「優芽ちゃんてすか…いえ見てないてすね。優芽ちゃんがどうかしたんてすか?」
「優芽がゆう…行方不明なんだ」
「まぁ、それは大変てす。私も探すのをお手伝いします」
「ありがとう。でももう遅いから帰って休め」
「少しだけ手伝ったら帰ります。優芽ちゃんのこと友達として心配てすから」
「分かった…ありがとう。でも無理はするなよ」
こうして俺は明衣と共に朝が明けるまで夜通し優芽を捜索したが優芽はどこにもいなかった。
~4月10日 8:00 NPOC非常事態対策本部~
「えぇー早朝から皆さんに集まっていただいたのは言うまでもなく、西郷優芽さん誘拐の件についてです」
東が深刻な口調でこう始めた。
「でもよ、革命国軍の誘拐って決まったわけでじゃないんだろ。じゃあどっかにいるんじゃねぇか。あのお嬢ちゃんかくれんぼとか好きそうだったからよ」
「でも岡田さん、女の子が夜通し帰ってこないなど何かあったに違いありません」
「はぁ?俺の言うことが信じられねぇっていいてぇのか?」
「そういうことを言ったのではありません!」
会議がカオスになってきた。こいつらは本当に優芽を助ける気があるのか。
「みなさんまぁまぁ落ち着いて。状況を整理しましょう。事件は…」
「その解説は私が行おう」
「‼」
会議室に設置してあるスピーカーから変声機で変換された機械声が聞こえてきた。
「てっ、てぇめー誰だ!」
「私は革命国軍の者てす。今回我々革命国は優芽さんを預からさしていただきました。さぁ、助けたければおとなしくしておくことてすね」
「ちょ、調子に乗りあがって、姿現せや!」
「おー怖いてすね。それてはわたしはこの辺て失礼」
俺はこのしゃべり方をどこかで聞いたことがある気がした。でも思い出せなかった。
俺はこの絶海に浮かぶ学園で何もできないまま3か月を過ごした。
ガチャ。頭上からマンホールの開く音がした。
「旺1等航空司令官。お待たせしました」
「例の女、西郷優芽はどうなった」
「はい、こちらに」
もぞもぞ暴れている袋が投げられた。私は袋を開け西郷の口にしてあるガムテープを一気に取った。
「め…明衣ちゃん…どうしてここに…」
やはりこの女は私の正体に気が付いていなかったみたいだ。目を大きくして驚いている。
「私の名前は一ノ瀬明衣てはないわ。私は旺橙桜。革命国空軍1等航空司令官よ」
「革命国軍…っていう事は明衣ちゃんがスパイだったってこと?」
「今更気づいたの?日本人は大概間抜けね。もういいわ、さっさと失神させて頂戴」
「明衣ちゃん待っ、うっ…」
部下の一人が腹に拳を入れるとあっという間に失神してしまった。
「よし撤収よ」
「優芽―優芽―どこだー」
上から聞き覚えのある男の声がした。
「旺1等航空司令官。追手ですかね。私が一発かましてきましょうか」
「ここまでほぼパーフェクトの出来なのよ。事を大きくしてどうするの。私が時間を稼ぐわ貴方たちは脱出しなさい」
「ですが…分かりました!旺1等航空司令官もご無事で。よしお前たち行くぞ」
部下たちは来た道を駆け足で戻っていった。あっという間に足をとは聞こえなくなりあたりは静寂に包まれた。
「よし、もう一仕事するか」
~4月10日 0:30 噴水公園~
俺は噴水公園を走り回っていた。でもどこにも優芽の姿はない。
「あれ?貴文君てはないてすか」
後ろから声を掛けられ振り返るとそこには明衣がいた。
「明衣!どうしてこんな時間にここにいるんだ?それはそうと優芽を見なかったか」
「優芽ちゃんてすか…いえ見てないてすね。優芽ちゃんがどうかしたんてすか?」
「優芽がゆう…行方不明なんだ」
「まぁ、それは大変てす。私も探すのをお手伝いします」
「ありがとう。でももう遅いから帰って休め」
「少しだけ手伝ったら帰ります。優芽ちゃんのこと友達として心配てすから」
「分かった…ありがとう。でも無理はするなよ」
こうして俺は明衣と共に朝が明けるまで夜通し優芽を捜索したが優芽はどこにもいなかった。
~4月10日 8:00 NPOC非常事態対策本部~
「えぇー早朝から皆さんに集まっていただいたのは言うまでもなく、西郷優芽さん誘拐の件についてです」
東が深刻な口調でこう始めた。
「でもよ、革命国軍の誘拐って決まったわけでじゃないんだろ。じゃあどっかにいるんじゃねぇか。あのお嬢ちゃんかくれんぼとか好きそうだったからよ」
「でも岡田さん、女の子が夜通し帰ってこないなど何かあったに違いありません」
「はぁ?俺の言うことが信じられねぇっていいてぇのか?」
「そういうことを言ったのではありません!」
会議がカオスになってきた。こいつらは本当に優芽を助ける気があるのか。
「みなさんまぁまぁ落ち着いて。状況を整理しましょう。事件は…」
「その解説は私が行おう」
「‼」
会議室に設置してあるスピーカーから変声機で変換された機械声が聞こえてきた。
「てっ、てぇめー誰だ!」
「私は革命国軍の者てす。今回我々革命国は優芽さんを預からさしていただきました。さぁ、助けたければおとなしくしておくことてすね」
「ちょ、調子に乗りあがって、姿現せや!」
「おー怖いてすね。それてはわたしはこの辺て失礼」
俺はこのしゃべり方をどこかで聞いたことがある気がした。でも思い出せなかった。
俺はこの絶海に浮かぶ学園で何もできないまま3か月を過ごした。
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