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1章 追放されし転生貴族の三男はゴーレムを頼りに相続された荒廃した不毛の辺境地の開拓を始めます
第2話
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アルト・フェルナンド。
下級貴族に等しい名ばかりの伯爵家に生まれた三男。
第二夫人の子として生まれた時点で、家の序列はすでに決まっていた。
兄姉は、長男(妾の子)、次男(第一夫人の子)、長女(第一夫人の子)。
ほかにも隠し子がいるという噂はあるが、いずれも父の寵愛を受けた子供たちだ。
アルトの母は彼が五歳のとき、流行り病で亡くなった。それ以降、屋敷の中で彼の居場所は薄い影のようになった。
それでも貴族の息子として、何不自由ない暮らしはできていた。
だが、つい先日、父親が急死したことで人生設計は大きく狂うことになる。
後継者を定めぬまま亡くなったせいで、先の兄姉による家督争いが勃発したのだ。
妾の子と第一夫人の子が火花を散らす中で、第二夫人の子で三男坊のアルトはどちらにもつかず、ただ静観していた。
その結果が、これである。
兄姉たちは一時的に結託して、後継者を減らす為に誰も欲しがらぬ“荒廃した不毛の辺境地”をアルトに相続させて、家から追い出したのだ。
――そんな奇運に転がされたアルトには、大きな“秘密”があった。
それは“前世の記憶”を持っているということ。
前世……日本という国で生まれ、名もない平々凡々な会社員だった。趣味はガソダムなどのロボットのプラモデル作り。子供の時の夢はロボットのパイロットになりたかった。そんな普通のオタクであった。
独身貴族として気ままに暮らし、いつものようにアニメを横目に徹夜でプラモデルを作り続け、眠らぬまま出勤する途中で心不全を起こし、四十歳で帰らぬ人となった。
そして気づけば、この世界に転生していた。
――そう、アルトは転生者なのだ。
転生時に神からチート能力を授かったわけではない。
だが、少なくとも「独身貴族」から「本物の貴族」へと身分が上がったのだから、運は悪くなかったと言える。
この世界はいわゆる「剣と魔法のファンタジー世界」。
しかし、アルトにとって心躍るのは魔法の詠唱ではなく、ロボットの可動音やビーム砲の発射音だった。
その為、剣と魔法のファンタジー世界よりは、ロボットとかがある未来な世界の方が良かったなと肩を落としたものだ。
そんなオタクが剣と魔法のファンタジーな世界でも、すくすくと育ち、各国の貴族たちが通う学院にはコネで入学したものの、家格も低く、学力や魔力などの素質も平凡なアルトは、前世の記憶を大して活かすことなく、目立たぬ学生として静かな日々を送っていた。
そんな中で、彼が唯一心を奪われたのが《ゴーレム魔術》である。
無機物に命を与える術。その概念と形は、どこかロボットを思わせた。
以来、アルトは眠る間も惜しんで砂や粘土、石や岩を素材にゴーレムを錬成し、研究に没頭した。そう生前の趣味…プラモデル作りのように。
しかしゴーレムは、コア(いわゆるCPU、エンジン、燃料の元)となる魔石は高価で、動作は亀のように遅くパワー不足であり、大きく作れば作るほど、必要な魔石も増え、費用だけがかさんでいった。
学院を卒業してからも実家でゴーレム研究を続けていたが、役立たずの金食い虫のゴーレムは無駄な代名詞のようなもので、家族からウザがられていた。
「アルトはまたお人形遊びをしているのか。オマエは暇でいいな」
「そんなガラクタ玩具に金を使うなよ。この穀潰しが」
「早く、なんでも良いから縁談を貰って出て行きなさいよ」
屋敷で聞く兄姉の嘲笑にも反論する気力はなかった。
そして――追放の話へと、すべてが繋がっていく。
こんなことなら、さっさと結婚でもして家を出ていればよかった――そう思っても、縁談の話など一度もなかった。
下級貴族の三男坊。他貴族が喜んで迎い入れたり、嫁ぎ先候補に挙がる訳がないのだ。
下級貴族に等しい名ばかりの伯爵家に生まれた三男。
第二夫人の子として生まれた時点で、家の序列はすでに決まっていた。
兄姉は、長男(妾の子)、次男(第一夫人の子)、長女(第一夫人の子)。
ほかにも隠し子がいるという噂はあるが、いずれも父の寵愛を受けた子供たちだ。
アルトの母は彼が五歳のとき、流行り病で亡くなった。それ以降、屋敷の中で彼の居場所は薄い影のようになった。
それでも貴族の息子として、何不自由ない暮らしはできていた。
だが、つい先日、父親が急死したことで人生設計は大きく狂うことになる。
後継者を定めぬまま亡くなったせいで、先の兄姉による家督争いが勃発したのだ。
妾の子と第一夫人の子が火花を散らす中で、第二夫人の子で三男坊のアルトはどちらにもつかず、ただ静観していた。
その結果が、これである。
兄姉たちは一時的に結託して、後継者を減らす為に誰も欲しがらぬ“荒廃した不毛の辺境地”をアルトに相続させて、家から追い出したのだ。
――そんな奇運に転がされたアルトには、大きな“秘密”があった。
それは“前世の記憶”を持っているということ。
前世……日本という国で生まれ、名もない平々凡々な会社員だった。趣味はガソダムなどのロボットのプラモデル作り。子供の時の夢はロボットのパイロットになりたかった。そんな普通のオタクであった。
独身貴族として気ままに暮らし、いつものようにアニメを横目に徹夜でプラモデルを作り続け、眠らぬまま出勤する途中で心不全を起こし、四十歳で帰らぬ人となった。
そして気づけば、この世界に転生していた。
――そう、アルトは転生者なのだ。
転生時に神からチート能力を授かったわけではない。
だが、少なくとも「独身貴族」から「本物の貴族」へと身分が上がったのだから、運は悪くなかったと言える。
この世界はいわゆる「剣と魔法のファンタジー世界」。
しかし、アルトにとって心躍るのは魔法の詠唱ではなく、ロボットの可動音やビーム砲の発射音だった。
その為、剣と魔法のファンタジー世界よりは、ロボットとかがある未来な世界の方が良かったなと肩を落としたものだ。
そんなオタクが剣と魔法のファンタジーな世界でも、すくすくと育ち、各国の貴族たちが通う学院にはコネで入学したものの、家格も低く、学力や魔力などの素質も平凡なアルトは、前世の記憶を大して活かすことなく、目立たぬ学生として静かな日々を送っていた。
そんな中で、彼が唯一心を奪われたのが《ゴーレム魔術》である。
無機物に命を与える術。その概念と形は、どこかロボットを思わせた。
以来、アルトは眠る間も惜しんで砂や粘土、石や岩を素材にゴーレムを錬成し、研究に没頭した。そう生前の趣味…プラモデル作りのように。
しかしゴーレムは、コア(いわゆるCPU、エンジン、燃料の元)となる魔石は高価で、動作は亀のように遅くパワー不足であり、大きく作れば作るほど、必要な魔石も増え、費用だけがかさんでいった。
学院を卒業してからも実家でゴーレム研究を続けていたが、役立たずの金食い虫のゴーレムは無駄な代名詞のようなもので、家族からウザがられていた。
「アルトはまたお人形遊びをしているのか。オマエは暇でいいな」
「そんなガラクタ玩具に金を使うなよ。この穀潰しが」
「早く、なんでも良いから縁談を貰って出て行きなさいよ」
屋敷で聞く兄姉の嘲笑にも反論する気力はなかった。
そして――追放の話へと、すべてが繋がっていく。
こんなことなら、さっさと結婚でもして家を出ていればよかった――そう思っても、縁談の話など一度もなかった。
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