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目に入れても痛くない程、愛してる。 ☆公爵夫人☆
しおりを挟む王位奪取計画・終章
首謀者・リリアナ嬢の親・セラーズ侯爵夫妻の場合
公爵夫人・アリス
「…お待たせ致しました。少しは落ち着かれましたか?」
「…ええ。恥ずかしい所をお見せしてしまい、申し訳御座いませんでした…」
「あの子は…」
夫人が涙を堪えながら、聞いてくる。
「彼女は少しだけ、取り乱しておりましたので、今は、別室におりますわ。
護衛に守らせておりますし、貴族達も既に返しました。…ですので、ご安心くださいませ」
セラーズ侯爵夫妻は安心したように、息を漏らした。
けれど、彼等には知って貰わなければならない。
「…今回の件、全てはアカデミー内で起こりました。
ですから、実際に見て来た私の娘から、ありのままを…説明させて頂いても、宜しいかしら?」
「…ええ。是非お願いします」
了承の言葉を聞き、アリスを呼ぶ。
アリスは悲しそうな顔をしながら、事の顛末を彼女の言葉で説明した。
セラーズ侯爵夫妻は泣きながら、静かに聞いていた。
きっと、セラーズ侯爵夫妻は、今回の招待をした時点で、リリアナ嬢の金銭の使用履歴や、外出履歴・使用人への指示等を調べ、間接的にでも、娘(リリアナ)が何かよからぬ事をしていると裏付ける、証拠を掴んでいたのだろう…。
いくら巧妙に隠していても、親の金を用いての犯行だ。
家庭内で調べてみたなら、さぞかし分かり易かっただろう…。
アリスの話が終わった所で、夫人が再度口を開く。
「…起こってしまった事は、仕方がありませんわ…。
これからの事を、お話ししましょう…。
相手が貴族であれば、被害に遭われた方々に、損害賠償金をお支払いするのが一般的でしょう…。
けれど、王族を害したとあれば、暗殺を企てたとして、一族の首で償う事を余儀なくされる。と、言った所でしょうか…」
セラーズ侯爵夫妻は、静かに泣き続けていた。
覚悟はしていたのだろう…。
「…我が家とセラーズ侯爵家は、敵対派閥でしたから、今まであまりお話しした事はありませんでした。
けれど、先程のお2人のお言葉や、懸命な姿勢には、同じ娘を持つ親として…大変心打たれました…」
「「……」」
「…誰でも間違いは犯しますわ…。
それが自分が愛する娘だった時に、見捨てずに、心を鬼にして、厳しく娘を正そうとする。
そして……どんな事をしてでも、……例え自分達の命を犠牲にしてでも、救おうとする…。
誰にでも出来る事では、御座いませんわ…」
「……そんな善良で心優しい方々が、無残な最後を迎える事を、私は望みませんの…。
………ですから、取引を致しませんこと?」
公爵夫人の予想しなかった言葉に、静かに泣くだけだったセラーズ侯爵夫妻は、驚いたように顔を上げた。
顔を上げると、そこには、少し悲しみを乗せた、天使のような顔をした親子が見えたのだった。
そして、公爵夫人は彼等に提案をする。
彼等を慮ったような提案を。
ベルトハイドが考えた、計画に基づいた提案を。
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