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1.婚約破棄したい王子がいるので
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「シャーロット・ラクシフォリア、お前との婚約を破棄する!」
パラディオ国の第二王子であるイアンは声高にそう宣言した。
困惑と冷笑の視線を一身に浴びて、それに気がつくことなく、自信満々にふんぞり返るイアン。
腹立たしさすら感じるその顔を見て、それでも一番最初に、今回はかばいきれないかもしれないと考えた。私はつくづく、お人好しらしい。
建国記念の式典前夜、国王主催の舞踏会。
いつも以上に気を引き締めた王族としての振る舞いが求められるこの場で、イアンはやらかしたのだ。
婚約者である私をエスコートせずに一人で入場させた。それならまだ、私がわがままを言ったことにすればなんとかなる。
意気揚々と私の知らない令嬢を腕に巻き付けて会場に現れた。これも腕に巻きついている令嬢に責任を押し付ければいい。
しかし、このパフォーマンスはだめだ。
私を捨てたこと、別の令嬢と懇意にしていることをこんな大勢の前で認識させるなんて。
どうすればこの状況を穏便に済ませられるだろう。そう考えていると、視界の端に兄を捉えた。それを見て、私はやっと冷静になる。
――なんとかしてあげる必要ってある?
私はいま、婚約を破棄されたのだ。
私はイアンのフォローをする責任はなくなった。
「……理由をうかがっても?」
私は努めて投げやりに聞こえないように言葉を選ぶ。
よりにもよって、兄も来ている舞踏会で、こんな馬鹿げたことをするなんて。
イアンを哀れみ、そして巻き添えになるであろうパラディオ国を憂う。
視界の端には、物騒な顔でイアンに向かっていこうとする兄とそれを必死に止めている友人がいる。
パラディオ国の第二王子であるイアンは声高にそう宣言した。
困惑と冷笑の視線を一身に浴びて、それに気がつくことなく、自信満々にふんぞり返るイアン。
腹立たしさすら感じるその顔を見て、それでも一番最初に、今回はかばいきれないかもしれないと考えた。私はつくづく、お人好しらしい。
建国記念の式典前夜、国王主催の舞踏会。
いつも以上に気を引き締めた王族としての振る舞いが求められるこの場で、イアンはやらかしたのだ。
婚約者である私をエスコートせずに一人で入場させた。それならまだ、私がわがままを言ったことにすればなんとかなる。
意気揚々と私の知らない令嬢を腕に巻き付けて会場に現れた。これも腕に巻きついている令嬢に責任を押し付ければいい。
しかし、このパフォーマンスはだめだ。
私を捨てたこと、別の令嬢と懇意にしていることをこんな大勢の前で認識させるなんて。
どうすればこの状況を穏便に済ませられるだろう。そう考えていると、視界の端に兄を捉えた。それを見て、私はやっと冷静になる。
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