フードコートの天使

美浪

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犯人は・・ feat.アキラ

問い詰める

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旭さんからの電話を受けて2人で店内を急いだ。

「すみません。」
沢山のお客様にぶつかりそうになりながら避けて走る。

「見えた!」
正面玄関横。

3人組の女性だ。

旭さんを待った方が良いのかな?直ぐに向かうと言ってたけれど。

いや、俺達の問題だし。ここは話し掛けるか。

「どうする?アキラさん。」
ジュンがチョンと袖を引っ張った。
「行こう。」

3人組の女性は見た目20代かな。化粧ケバいからちょっと解りにくい。
服装は露出多め系。

昨日と同じ人物が御意見を書いていた。
やっぱり近くで見ても全く知らない人達だ。ファミリー層が多いモールでは目立つ。お客様で店に来てたら解りそうなタイプだし。

そっと近付いた。

ジュンは俺の後ろから付いてきた。
「知らない人だよ。」
後ろからそう聞こえたので頷いた。

何の恨みだか知らないけど!今日で終わり!

「すみません。ちょっと良いですか?」
冷静に・・。

書いていない喋っていた2人が此方を見た。
「何すか?」
1人がぶっきらぼうにそう言った。

ん?反応が何と言うか思ってたのと違う。
普通、驚くだろ?
おいおい。お前達が書いてる御意見の店長だぞ?

「誰?知ってる?」
御意見を書いていた女にその人は話し掛けた。

女性は振り返って俺の顔を見て首を傾げたが・・・ジュンの顔を見てハッとした顔になった。

「やばっ!!」
御意見を隠そうとしたので
「失礼。」
サッと頭上から手を伸ばし取り上げた。

『SSSバーガー!クソ!店長辞めろ!』
ふーん?
「これ?何?」
問い詰める様に威圧感だして御意見を突き付けた。

「えっ・・あの。だっ誰ですか?」
誰ですか?ってこの御意見の店長だけど。俺を知らずに書いたのか?
俺の顔を見てチラリとジュンの顔を見た。
ジュンは知っているのか?
ジュンは険しい顔で彼女を睨む様に見ている。

「えーと?君って?・・確か?」
ジュンは悩む様に腕組みをして首を捻っている。

「ねえ!早く!!行こう!!」
御意見書いていた女が2人を急かす様に手を引く。

「いや。ちょっと待ってくれるかな?この御意見について教えて欲しいんだけれど。」
今、逃げられる訳には行かない。

逃げられない様に前に立ち塞がった。

「ちょっと!どいてよ!」
焦る様に俺を避けようとした。

「あっ!ガールズバー!クリスタルの!!」
とジュンが声を荒らげると女は目を見開いて益々焦った顔をした。

「逃げるよ!!」
「まじっすか!!!本人?」
「げっ!オーナーに怒られる!」
3人はワタワタして俺達を何とか避けて逃げるようとするのを手を広げて止めた。

「ふーん?ガールズバーねぇ。」
という事は?ヒロさんの店の子か。
察しが良いから俺は何となく解ったぞ。

俺とジュンが逃がさない様に威圧すると1人が声を上げた。
「ちょっと!ナンパとかやめて下さい!!」
はぁ?!
待て待て。

「やめて下さい!人を呼びますよ!」
ゲゲッ!

「ちょっと!ふざけるな!」
ジュンも慌てた様に声を荒らげた。

「君らガールズバーの店長に言われて態々、九州まで来たのかい?」

目的はジュンだろう。
おい!ヒロさんはジュンが好きなのか?

何かまじでムカついてきた。

「何?意味解んない!ちょっとこの人ナンパしつこいんですけど!!」
「警備員さーん!!」

「ちょっと!止めろ!」
すっかり注目の的になってしまって俺達は焦った。
ヤバい。モールの店長にバレたら不味すぎる。

「はーい。どうしました?」
背後から聞きなれた声が聞こえた。

「あっ。この人達のナンパがしつこくて!」
御意見書いてた女が訴えた人は勿論・・・旭さんだ。
ちゃっかり防犯の腕章何か付けて来てるし。
だから時間かかったの?もう・・。

「あら。そうですか。じゃあ此方で話聞きますね。」
旭さんはニッコリと微笑んで女の腕を掴んだ。

「え!いや!ちょっと!!」
離せと振り切ろうとするけど全然無理っぽい。

「さあさあ。此方へ。」
グイッと引っ張られ女は渋々と言った表情。
他の2人は逃げたそうだが置いて行けないのだろう。仕方なく付いて来た。

「お兄さん方もね。」
旭さんは俺達にも微笑んだ。うん。取り敢えずは他人のフリだよね。

連れて行かれた所は従業員通路内にある一室だった。入った事は無い。

あー。万引きした人とお話する部屋か。
ガランとした机と椅子だけの部屋は取り調べ室って雰囲気。

「はい。座って。話をしよう。」
「あの!困ります!もうナンパももう良いんで!」

焦る女を力技で旭さんは椅子に座らせた。
「ナンパ?貴女は御意見書いてましたよね?しかも毎日毎日。」

女の肩に両手を乗せて旭さんは立ち上がれない様にして彼女の耳元で囁いた。

「う・・ごめん。私!先に帰ろうかなぁー。」
他の2人が逃げようとしたので俺達はドアの前に立ち塞ぐ。

「訳を話して貰えるかな?ごめん。名前忘れちゃったけど。須佐さんのお店の子達だよね?」
ジュンが3人にそう言った。

「お店の子?そうなの?何処の店?」
旭さんが聞いたのでジュンは東京で営業をしていた頃の取引先の店だったと話した。

「ふんふん。なるほど。東京から態々ようこそ。そこまでするには事情があるんでしょ?」
旭さんが更に問い詰める。

「別に・・・。」
そう言ってそっぽを向く女。

全く往生際が悪い。

ダン!!!!!

旭さんが机を勢い良く叩くと女達はビクッとなった。

「吐けよ。何しにこんな田舎まで来たんだ?」
もう完全に取り調べだ。

「ヒロさん・・・いや、その須佐さんって人の命令かな?大濠君に嫌がらせしろとか?そういう事だろ?」
絶対そう!確信を持って俺は女に聞いた。

暫く沈黙が流れた。

「あー!もー!お願い!オーナーにバレた事は内緒にして!失敗したら旅行代請求されちゃう。」

彼女達は懇願する様にそう言った。

「はい。自白と見るよ。どうしようか?」
旭さんが嬉しそうに俺達を見てニヤっと微笑んだ。
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