レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第2話  地獄と言われる裏ダンジョンに捨てられる

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「お父様……僕をどうされるおつもりですか?」

 馬車に乗せられたソルは隣にいる父――カイに聞く。ソルの状態は両手を手錠で拘束されたものであった。

 まるで囚人に対する処遇である。ソルはカイの実の息子であり、その上に外れスキル『レベル0』の所有者として選ばれた事にソルの落ち度はないはずだ。不本意な結果として選ばれたに過ぎない。

 そうであるにも関わらずこの扱いはいかがなものかと客観的に見れば思うのではあるが。

 当の本人――カイ自身は決して自分の判断が誤ったものだとは毛ほども思っていなかったのである。

「もっと馬車を早く走らせよ」

 息子の問いに答える事すらなく、カイは使用人に命ずる。

「……お父様」

「貴様は捨てられるのだ」

 面倒そうにカイは答える。

「ど、どうしてなのですか! 僕が何をしたっていうんですか! 何も悪い事をしたわけでもない! それなのにあんまりではないですか!」

「黙れ! 恥さらしめ! 我がユグドラシル家はそんじょそこらの家系とは違うのだ! 人類を魔より、滅びの危機より救うという崇高な使命がある! それなのに貴様はなんだ! 何の役にも立たない外れスキルを神より授かりよって!」

「そ、そんな……」

「貴様はいらないのだ。この失敗作が。つくづくあの時エドワードを養子に取っといてよかった。あの判断は英断であったぞ。クックック」

 これから息子を捨てるという残忍な行いをするにも関わらず、カイは笑みを浮かべていた。自分の過去の判断を誇っていたようだ。
 
 もしかしたら何か不吉な予感を感じ、カイはエドを養子として取る決断をしたのかもしれない。

 ともかくとして。

「僕を捨てるって……どこに捨てるつもりなのですか?」

「それはこれからわかる……間違えても生きて還ってくる事はなかろうて」

「生きて還ってくる事はない?」

 父であるカイの言葉にソルは恐ろしさのあまり体を震わせる。

「馬車を止めよ。やっと目的地に着いたわい。降りろ、この役立たずが」

「くっ」

 ソルは馬車を降ろされる。

 ◇

 風が吹いていた。ソルは山のように高い場所に連れてこられたのである。

 目の前には地獄の釜のような、天然のダンジョンが存在していた。

「な、なんなんですか? お父様、ここは」

 この後に及んでもお父様と呼ぶソルは律儀であった。もっと酷い言い回しをしてもバチが当たらないくらいに相手からは酷い扱いを受けているというのに。

「説明をする必要などない。貴様はこれからここで死ぬのだからな。生きて還られるわけもない。クックック」

 先ほども聞いた言葉だ。もはや何か言葉を交わす必要性すらカイは感じていなかったのだろう。

「それではさようならだ。愚息ソルよ。貴様が『レベル0』なんていう外れスキルを授からなければどれほど良かった事か。だが仕方がない。貴様は選ばれてしまった。いや、選ばれなかったのだ。己の運命を呪うがいい」

「お父様!」

「さらばだ。ソルよ。その顔、二度と見る事はないだろう」

 ソルは地獄の釜に蹴落とされる。

「う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 ソルの絶叫が響いた。地獄の釜へと落ちていく。

 その地下迷宮(ダンジョン)は『ゲヘナ』と呼ばれるダンジョンであった。

 生存確率0%。あまりに危険と言われている為、表には存在していない裏のダンジョンだ。

 その極悪難易度故に、この世の地獄(ゲヘナ)と呼ばれる、表向きは存在していないダンジョンであった。

 身動きの出来ないソルはその裏ダンジョン『ゲヘナ』に飲み込まれていく。

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