レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第3話 裏ダンジョン第一階層

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 裏ダンジョン≪ゲヘナ≫。ゲヘナとはすなわち地獄の事である。

 なぜこのダンジョンが地獄の名を授けられたのか。その理由の一つとして出口がない事にある。足を踏み入れた者は決して出る事が出来ないのだ。

 だが、誰も知る者がいないが厳密に言えばひとつだけこのダンジョンから出られる方法があった。

 その唯一の方法とは何階層まであるかもわからない裏ダンジョン≪ゲヘナ≫の完全攻略であった。
 しかしこの極悪難易度の裏ダンジョンを制覇した者は未だかつていない。

 だから脱出する方法は存在していないといっても過言ではなかった。

「はぁ……はぁ……はぁ」

 ソルは肩で息をする。死ぬかと思った。だけど状況は全く改善してはいない。死んでこそいないが、無事は全く保障されていないのである。

 ソルの現在のステータスを確認する。
★ステータス

 【名 前】 ソル・ユグドラシル

 【年 齢】 15歳

 【固有スキル】 レベル0

 ※レベル0で固定される。経験値取得が意味をなさない。

 【レベル】 0

 【HP】    10

 【MP】     5

 【攻撃力】    1

 【防御力】    1

 【俊敏性】    1

 【魔力】     1

 【魔力防御力】  1

 【運気】     1

 【スキル】 ※現在のところはなし

 ソルのレベルは固有(ユニーク)スキル【レベル0】の効果により、最低レベルの0から一切の上昇を見せない。仮にモンスターを倒したとしても経験値取得による上昇をする事はないのである。

≪ゲヘナ≫とすら言われる地獄の裏ダンジョンに捨てられたソルは絶望的な状況にあった。

 だが、本人は捨てられたのが裏ダンジョンである事を知らず、完全制覇をしなければ外には出られないという事を理解していなかった。

 レベル0で人類でも最低のステータスであるソルが生還するのは困難を超えて不可能だとすら思われた。

「な、なんでこんな事に……」

 ソルは頭を抱えた。なんなんだよ。固有スキル【レベル0】って。経験値取得の一切が意味をなさない外れスキル。

 どうして自分がこんな外れスキルに選ばれたのか。神が定めた運命を呪いたい気分にすらなっていた。

 どうして自分が……。苦悩しても何も変わらなかった。状況は何一つ変わらない。

 放っておいても人間腹が減る。何か食べなければならない。

 その時であった。

 一匹の兎が姿を現す。

「兎だ……」

 こいつくらいだったら何とかなるんじゃないか? ソルはそう考えた。

 兎程度であったのならばレベル0の自分でも倒せるんじゃないか。

 倒せば経験値は入らないが、それでも食糧として食べる事はできるだろう。

 ぐう~。

 腹が鳴ってきた。あのスキル継承の儀からソルは一切の飲み食いを許されていなかったのだ。だから腹が減るのも当然だった。

 兎を目にして涎すら出てくる。

「倒せる……のか?」

 やってみなければわからない。倒して食わなければどのみち自分は餓死するより他にない。

 ソルの両手は手錠で拘束されている。

 ――だが、両足は自由だ。蹴りで倒すくらいの事はできるかもしれない。

 やってみるか。

 ソルは覚悟を決めた。

 兎が赤い眼光で睨んでくる。

 キシャアアアアアアアアアアア!

「うわっ!」

 そして兎が襲い掛かってきた。鋭い牙が襲い掛かる。ソルは何とか避けた。

 手錠の鎖が噛み千切られた。まるで草木を食らうみたいに兎は食いちぎったのである。

 もしこれが体に当たっていたらと思うと、ソルは血の気が引いた。

 ソルは知らなかった。その兎はただの兎ではないのだ。

『イルミラージュ』という兎の形をした凶悪なモンスターなのである。

 それほど強いモンスターではないが、数が揃ったら厄介なモンスターでもあった。

固有スキル【レベル0】を持ち、レベルが0で固定されているソルからすれば単体でも十分な脅威となるモンスターであった。

 しかも最悪な事に、暗闇から無数の赤い眼光が光始めた。他にも仲間がいたのだ。

 無数の『イルミラージュ』が暗闇から姿を現す。

 間違いなかった。ソルは捕食する側ではなく、される側だったのだ。

「じょ、冗談じゃない!」

 死ぬ。間違いなく殺される。

 ソルは必死に『イルミラージュ』の群れから逃げ出した。

 手錠を食いちぎってくれたのは不幸中の幸いだった。おかげで両手は自由になった。

 だが、今後の事を考えると先行きの見えない真っ暗闇でソルの心は覆いつくされていたのである。

 


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