レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第5話 光明が差す

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 イルミラージュの肉を食べた事でソルの空腹は満ちた。塩も何もない上に加熱すらしていない為味気ない事この上なかった。正直に言えば不味かった。

 適切な調理さえすればもしかしたら多少は食えた食材だったのかもしれない。

 だが、空腹からくる餓死という問題をクリアしたところで絶体絶命の状況は変わっていない。

 ソルには【レベル0】という固有(ユニーク)スキルがあった。その為本来であるならば経験値(EXP)を取得し、レベルアップするにも関わらず、レベルは固定で0のままだ。

(どうすればいいんだ……こんな状況で)

 空腹は凌げたが、この狩りだっていつまで成功するかわからない。たまたまイルミラージュの不意を突けただけだ。もしミスして気づかれていたら狩られていたのはこっちだったかもしれない。

 極めて危険な状態である事には何の変わりもなかった。それにこのダンジョンは普通ではないように感じた。

 ソルは何となく直観としてこのダンジョンを別の世界のように感じていたが、全く持ってその通りである。その直観は正しかった。

 このダンジョンは地下の迷宮というよりは異界迷宮と言った方がいい。普通のダンジョンであれば引き返せるが、ソルには引き返すという手段が取れない。

 故に一時的に空腹を解消できたとしても絶体絶命の状況は変わってはいないのであった。

――だが。ここでソルに光明が差すのである。まさしくソルにとっては一筋の光であった。

 ソルは何気なく自身のステータスを再度確認する。他にできる事などなかったのだ。

 イルミラージュの群れを恐れ、身を潜めているソルには。

 ここでソルはある事に気づく。

 レベルは相変わらず0だった。ステータスも相変わらず無残なものだった。この地上で最も弱い存在ではないか、そうとすら思える程であった。

★ステータス

 【名 前】 ソル・ユグドラシル

 【年 齢】 15歳

 【固有スキル】 レベル0

 ※レベル0で固定される。経験値取得が意味をなさない。

 【レベル】 0

 【HP】    10

 【MP】     5

 【攻撃力】    1

 【防御力】    1

 【俊敏性】    1

 【魔力】     1

 【魔力防御力】  1

 【運気】     1

 【スキル】 ※現在のところはなし

 だが、その時、ソルは気づいた事がひとつあった。

 経験値(EXP)の存在だ。

【EXP】0

 当然のようにEXPの取得は0である。これは当然、固有スキル【レベル0】の効果だ。ソルのレベルは神から与えられたスキルによって0で固定化されている。

 このスキルさえなければ……きっと今頃は。ソルは自身の運命を呪った。もっと恵まれた人生もあっただろう。あの父親に無能だのなんだの言われ、養子の義弟に家督を奪われる事もなかった。もっとマシなスキルを授かっていれば。

あのスキル継承の儀の日。自身の運命が確定した日からどれほどその事で思い煩ってきたか。ソルは数えきれない程の苦悩を経験してきた。

 ――しかしその下の欄に目を移した時、ソルの心に一筋の光が差し込んでくるのである。

「……んっ!?」

【EXP】の下には別の項目があった。

【SP】の項目である。SPとはスキルポイントの略称だ。モンスターを倒した場合に手に入るスキル習得の為のポイント。それがSPだ。SPを溜める事で様々なスキルを習得する事ができる。

 SPの値が増えていたのである。0ではなかった。30だ。

 通常イルミラージュを倒した場合手に入るSPは10といったところだ。もしかしたら経験値を入手できない分がSPとして換算されているのかもしれない。

 この現象に気づいた時、ソルは微笑を浮かべた。スキル継承の日、あの日から一度たりとも浮かべてこなかった笑顔である。

【レベル0】とんでもない外れスキルだと思っていたかもしれない。だが、ソルはそではない可能性に気づき始めたのだ。

 だからソルはこの【レベル0】という外れスキルをあながち外れスキルだとは思えなくなってきた。

 もしかしたらとんでもない裏技を見つけてしまったのかもしれない。

 未だ絶望的な状況であるはずにも関わらず、ソルの胸は躍っていた。

 ソルの心に一筋の光明が差したのである。





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