6 / 90
第6話 初めてのスキル習得
しおりを挟む
ソルは身を潜めつつ、今後の戦略を考えていた。
特に今目の前にある資産だ。有限にして明確な資産。それが【SP】である。
ソルは【SP】の使用を試みる。
『SPを使用しますか?』『YES/NO』
SP項目をタッチすると目の前に画面が現れる。
ソルは『YES』を選択する。
すると目の前にはスキル一覧が表示された。スキル一覧には魔法や技、特性や耐性などの様々なスキルが存在しており、その習得にはそれぞれに応じた『SP』を必要とした。
神から授けられる固有(ユニーク)スキルの他にも、『SP』を稼ぎ、支払う事で手に入れられる通常のスキルというものが存在していた。
基本的に使用SPが多い程、強力、あるいは珍しく重宝するものだと考えていい。
ソルは色々と考えつつその一覧を見た。ソルのSPは今30だ。故にそれ以上のSPを必要とするスキルは最初から選択肢には入っていない。
この初手となる行動は今後の運命を占う程ソルにとっては重要なものであった。選択を間違えれば死んでしまいかねない。それほどまでに今のソルは脆弱なのだ。あの兎一匹を侮れない程に脆弱。
群れに挑む事が自殺行為な程に今の自分は弱い。それをまず認めなければならない。
その現実を見据えた上でソルは習得するスキルを選択する。
考える時間はあるが、それでも無限というわけにはいかない。放っておけば腹も減る。また狩りをしなければならない。
あまりに空腹になりヘロヘロになってからでは今度こそイルミラージュの餌食になりかねない。
考えた末のソルの選択は『強化』というスキルだった。
このスキルは生産職である鍛冶師なんかが習得するスキルだ。通常スキルの習得は自分の専門職に近しいスキルを主として選択する。
ソルは剣士である。だから普通は剣士系のスキルを習得するものではあるが。例えば物理攻撃力が上がるような。
しかし、ソルの選択したスキルは『強化』であった。この『強化』というスキルは手に持った物質を強化できる。
通常は鍛冶師が剣をより頑丈にしたり、切れ味や破壊力を増させるために使用するスキルだ。
だが、今のソルには武器らしい武器がない。それも当然だった。ソルはこの裏ダンジョン『ゲヘナ』に廃棄されたのだ。父であるカイは既にソルが死んでいると思っている事であろう。裸同然の状態で捨てられたのだから武器などあるはずもない。
だからまずは武器が必要だった。この『強化』のスキルでソルは武器を作り出そうとしたのである。『強化』のスキルに必要なSPは30pだった。手の届く範囲ではこのスキルを習得するのが現実的な戦略だったのである。
ソルはイルミラージュがいない事を確認し、身を乗り出した。目の前には一本の木の棒が落ちていた。
それなりにしっかりとした木の棒だった。木剣の代わり程度にはなりそうだった。
ソルは『強化』のスキルを発動する。
「強化」
ソルは念じる。スキルで木の棒を強化する。目に見えて木の棒が硬くなったように感じた。木刀よりも硬いくらい。その硬質さはまるで金属のようだ。
試しにソルは目の前にある大岩を叩いてみた。イルミラージュに気づかれるのを恐れ、わざわざ叫び声など出さないが。
ガン! ……良い音がした。斬れこそ当然しない。手がジリジリと痺れた。
だが、強化した木剣は本来なら折れるであろうところ、ビクともしていなかった。無事強化は成功しているようである。
いける……はずだ、多分。
ソルは確信こそ持てないが、最初の時よりは自信を持つ事ができた。
こうして木剣(強化済み)という武器を手に入れたソルは二度目の狩りへ出る事となる。
特に今目の前にある資産だ。有限にして明確な資産。それが【SP】である。
ソルは【SP】の使用を試みる。
『SPを使用しますか?』『YES/NO』
SP項目をタッチすると目の前に画面が現れる。
ソルは『YES』を選択する。
すると目の前にはスキル一覧が表示された。スキル一覧には魔法や技、特性や耐性などの様々なスキルが存在しており、その習得にはそれぞれに応じた『SP』を必要とした。
神から授けられる固有(ユニーク)スキルの他にも、『SP』を稼ぎ、支払う事で手に入れられる通常のスキルというものが存在していた。
基本的に使用SPが多い程、強力、あるいは珍しく重宝するものだと考えていい。
ソルは色々と考えつつその一覧を見た。ソルのSPは今30だ。故にそれ以上のSPを必要とするスキルは最初から選択肢には入っていない。
この初手となる行動は今後の運命を占う程ソルにとっては重要なものであった。選択を間違えれば死んでしまいかねない。それほどまでに今のソルは脆弱なのだ。あの兎一匹を侮れない程に脆弱。
群れに挑む事が自殺行為な程に今の自分は弱い。それをまず認めなければならない。
その現実を見据えた上でソルは習得するスキルを選択する。
考える時間はあるが、それでも無限というわけにはいかない。放っておけば腹も減る。また狩りをしなければならない。
あまりに空腹になりヘロヘロになってからでは今度こそイルミラージュの餌食になりかねない。
考えた末のソルの選択は『強化』というスキルだった。
このスキルは生産職である鍛冶師なんかが習得するスキルだ。通常スキルの習得は自分の専門職に近しいスキルを主として選択する。
ソルは剣士である。だから普通は剣士系のスキルを習得するものではあるが。例えば物理攻撃力が上がるような。
しかし、ソルの選択したスキルは『強化』であった。この『強化』というスキルは手に持った物質を強化できる。
通常は鍛冶師が剣をより頑丈にしたり、切れ味や破壊力を増させるために使用するスキルだ。
だが、今のソルには武器らしい武器がない。それも当然だった。ソルはこの裏ダンジョン『ゲヘナ』に廃棄されたのだ。父であるカイは既にソルが死んでいると思っている事であろう。裸同然の状態で捨てられたのだから武器などあるはずもない。
だからまずは武器が必要だった。この『強化』のスキルでソルは武器を作り出そうとしたのである。『強化』のスキルに必要なSPは30pだった。手の届く範囲ではこのスキルを習得するのが現実的な戦略だったのである。
ソルはイルミラージュがいない事を確認し、身を乗り出した。目の前には一本の木の棒が落ちていた。
それなりにしっかりとした木の棒だった。木剣の代わり程度にはなりそうだった。
ソルは『強化』のスキルを発動する。
「強化」
ソルは念じる。スキルで木の棒を強化する。目に見えて木の棒が硬くなったように感じた。木刀よりも硬いくらい。その硬質さはまるで金属のようだ。
試しにソルは目の前にある大岩を叩いてみた。イルミラージュに気づかれるのを恐れ、わざわざ叫び声など出さないが。
ガン! ……良い音がした。斬れこそ当然しない。手がジリジリと痺れた。
だが、強化した木剣は本来なら折れるであろうところ、ビクともしていなかった。無事強化は成功しているようである。
いける……はずだ、多分。
ソルは確信こそ持てないが、最初の時よりは自信を持つ事ができた。
こうして木剣(強化済み)という武器を手に入れたソルは二度目の狩りへ出る事となる。
3
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
スキル【土いじり】でパーティを追放された俺、開墾した畑からダンジョンが生えてきた。
夏見ナイ
ファンタジー
「役立たず」の烙印を押され、パーティを追放されたアルフォンス。彼のスキルは戦闘に不向きな【土いじり】。失意の彼は都会を離れ、辺境の地で静かに農業を営むことを決意する。
しかし、彼が畑を耕すと、そこから不思議なダンジョンが生えてきた!
ダンジョン内では、高級ポーションになる薬草や伝説の金属『オリハルコン』が野菜のように収穫できる。地味だと思われた【土いじり】は、実はこの『農園ダンジョン』を育てる唯一無二のチートスキルだったのだ。
噂を聞きつけ集まる仲間たち。エルフの美少女、ドワーフの天才鍛冶師……。気づけば彼の農園は豊かな村へ、そして難攻不落の要塞国家へと発展していく。
一方、彼を追放したパーティは没落の一途を辿り……。
これは、追放された男が最強の生産職として仲間と共に理想郷を築き上げる、農業スローライフ&建国ファンタジー!
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる