レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第42話 王城へと向かう

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「どうして……ソルが。あなたはスキル継承の儀の後、行方不明になったんじゃ」

 クレアはソルとの再会を驚いていた。その目を疑っていたようだ。

「久しぶりだな……クレア」

 まさか、スキル継承の儀の後、用無しの無能として裏ダンジョンに実父自らに捨てられたとは言えるはずもない。表向きにはソル自ら、自分の無能さを恥じ、実家に居づらくなって逃げ出していった事になっているはずだ。

「何をやっているの? ……その娘(こ)は?」
 
 当然のように隣にいるバハムートにも注目がいく。

「細かい事は後で話す……とりあえずクレア。悪いんだが、金を貸してくれないか?」

 久しぶりに会った幼馴染に最初に言う事がそれか――とソルは自分で自分が情けなくなった。だが、この場を切り抜けるにはこうするしかない。果物屋の店主も金さえ払えば大人しくなるのだ。最悪は警備兵でも呼ばれかねない。

 バハムートには理解できない事であろうが、人間の社会にはそういう治安維持組織が大抵の場合存在しているのである。

「え? お金ないの?」

「あ、ああ……色々あって持ち合わせてないんだ」

「そ、そう。いくら欲しいの?」

「適当でいい。リンゴ一個分でいいんだ」

「銅(ブロンズ)紙幣、1枚、貸してあげなさい。というか、あげていいわ」

 かつてこの国では金貨、銀貨、銅貨による商取引が行われていた。しかし、今のところ実物による取引では利便性が低下する為、実際のところは国が発行する紙幣で商取引が行われるようになった。

 金紙幣、銀紙幣、銅紙幣。それぞれに実物として交換できるチケットであった。

 過去形である。実際のところは紙幣を擦りすぎて、国の方で交換できるだけの金貨類は枯渇している。その為、政府の信用でその価値が担保されている部分が殆どだ。

 価値に関しては、金(ゴールド)を100とすると銀(シルバー)が10そして銅(ブロンズ)が1、程度に認識しておけばいい。
 
 大体、金紙幣一枚で一般家庭が数か月生活できる程度の経済的価値がある。

「わかりました。ほら」

 クレアに命じられた衛兵は銅紙幣を手渡してくる。

「ありがとうございます。すみません、店主さん」

「ったく……迷惑かけるなよ。次からは金払ってから食べてくれよな」

  銅紙幣を受け取った店主は律儀に小銭を渡そうとする。銅紙幣の下にはさらに価値の低い、亜鉛性の貨幣が存在していた。

「い、いえ、いいです。お釣りは。迷惑をおかけしたんで」

「そうか……悪いな」

「ふう……」

 ソルはため息を吐く。後でバハムートによく言って聞かさなければならない。人の社会に身を置く以上は、社会のルールというものを知らなければならない。そうでないと彼女の事だ。冗談抜きで逆上して店主を腹に納めなかねなかった。

「ありがとう……クレア」

「どういましたして……それより、場所を変えましょうか。あなたの話をもっと聞きたいの。その娘(こ)の事も」

「ん? ……我がどうかしたか?」

 バハムートは素知らぬ顔で言ってきた。先ほどやった事に対する罪悪感などない。悪い事をしたという認識自体を彼女は持ち合わせていなかった。ソルからすれば社会常識を教えなければならないのに辟易してしまうが。

「どこに行くつもりだ?」

「城まで案内するわ。そこで話しましょう。ここでは人が多すぎるもの」

 こうしてクレアに案内されて、二人は王城まで案内される事になる。
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