レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

文字の大きさ
52 / 90

第52話 ロドリゲスとの闘い

しおりを挟む
「食らいやがれっ! どんなものをも両断するこの俺様の一撃をっ!」

 ソルが習得した『解析』スキルは基本的にはモンスター相手にしか使えない。モンスターのような見た目ではあるが、一応は人間相手のロドリゲスには使用できなかった。

 故にソルは相手の実力を洞察し、把握する以外になかった。要するに普通に闘わなければならないという事であった。

『おおっと! これは物凄い一撃だ! レベル0のソル選手では防ぐのは厳しいか! 早くも決まってしまったーーーーーーーーーーー!」

 実況席からアナウンサー(実況者)の声が響く。

 キィン!

「な、なに!?」

 ソルはロドリゲスの攻撃を容易く受け止めた。ソルの剣と斬馬刀がぶつかり合い、甲高い音を会場内に響かせる。

「ぐっふっふ! 思ったよりもやるようだなっ! だが、今の攻撃はせいぜい20%くらいの力だ! まだ俺は固有スキル『マスターマッスル』を使用してないからな」

 受け止められた事に驚いていたロドリゲスではあったがまだ本気を出していないという事を理由に冷静さを取り戻す。

「次は半分くらいの力で行くぜ! 俺様の固有スキル『マスターマッスル』発動!」

 ロドリゲスの筋肉が膨張し、さらに巨大になる。その体の巨大さは人間の範疇を超えていた。大男というよりも完全に化け物のようになった。

「食らいやがれっ!」

 次の攻撃は先ほどの攻撃と比較すれば、凄まじい一撃であった。

 キィン!

 しかし、その攻撃もまた同じようにソルに防がれてしまう。

「なっ!?」

 ロドリゲスは驚愕した。そして、次第に観客(ギャラリー)達も騒めき始めていた。あの『レベル0』という外れスキルを授かったソルが二度も攻撃を防いだのである。

一度目ならまだまぐれだとも思える。だが、二度も続くとなると段々まぐれだとも思えなくなってくる。それなりに本気を出した一撃であったのならば尚更だ。

「な、なんだ! あの『レベル0』のソルがロドリゲスの攻撃を防いでいるぞ! そんな事あり得るのか?」

「どういうわけか知らねーが。ソルの奴、思っていたより結構やるんじゃ?」

「へっ……まさか。相手は『レベル0』のソルだぞ? 大方、あのロドリゲスの野郎が張りぼてで出来た、ハッタリ野郎ってところさ」

 観客はまだソルの実力を信じる事ができていなかった。その結果、『案外ロドリゲスが弱い』という認識に落ち着く。詰まるところ、ロドリゲスが観客から馬鹿にされるようになったのだ。

 ロドリゲスは観客に馬鹿にされた事で激しい憤りを覚え始めた。観客に自分が弱いと思われ、舐められるのは我慢ならなかったのだ。

「くそっ! ふざけるなっ! この俺様が弱いわけないだろっ!」

 ロドリゲスの頭には完全に血が回っていた。もはや手加減をするだけの余裕などない。

「もはや手加減などせんっ! 食らうがいい! 俺の『マスターマッスル』を!」

 ロドリゲスの筋肉がさらに膨張する。その様子はもはや人間の形を留めてはいなかった。筋肉で出来た、化け物になっていたのである。

「『マスターマッスル』100%! これが俺様の本気だ!」

 ロドリゲスは斬馬刀を振り下ろす。その一撃は重く、そして鋭かった。闘技場ステージに大穴が空く程の一撃。

 しかし、その一撃にソルを斬った感覚はなかった。空振りしたのだ。

「なっ、なに!?」

 ソルが消えた。いや、天高く舞っていたのである。そして攻撃の体勢に入っていた。

 技スキル『一刀両断』 ソルはロドリゲスを一刀両断するべく、斬りかかる。

 ――だが、それでも尚、ロドリゲスは絶望していなかった。大技の硬直により身動きひとつ取れないにも関わらず。

「言ったはずだぞ! 俺様の『マスターマッスル』はただ攻撃力を上げるだけではない。その強力な筋肉から、異常なまでの耐久性を得る事ができるんだ! 『レベル0』の貴様程度の攻撃など効くわけ――」

「はああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 ソルは剣を斬り下ろす。集中していたソルにロドリゲスの言葉など聞こえなかったのだ。

「な、なに!? ば、馬鹿な! ぐわああああああああああああ! こ、この俺様が一撃だと!」

 ロドリゲスは果てた。異常なまで膨張した筋肉がしぼんでいく。パタリ、と倒れ、それ以降ピクりとも動かなくなる。

 あまりに予想外の出来事に、会場は静まり返っていた。

『な、なんという事でしょうか! 『レベル0』と言われ、蔑まれていたソル選手がロドリゲス選手を倒しました! それになんと一撃でです! 驚くべき事が起きました!』

「マ、マジかよ……」

「本当にあれが『レベル0』のソルなのか……」

 驚きのあまり、皆が言葉を失う。

『『Dブロック第一試合』の勝者はソル選手です! おめでとうございます! 引き続き第二試合を行います。ヒーラー班、ロドリゲス選手の治療を行ってください。回復魔法(ヒーリング)で治らなかったら蘇生魔法(リザレクション)を行ってください。それでもダメなら大会規定に乗っ取り、炎魔法(フレイム)で火葬にした末に葬儀を行います」

「「「は、はい!」」」

 剣神武闘会には医療班がいた。回復魔法(ヒーリング)と蘇生魔法(リザレクション)の魔法スキルを習得した者達である。彼らが治療をする為、多少は何かがあっても対処できるのだ。その為、命をかけた闘いもできる。

 それでも限度はあるが……。

 ともかく、こうしてソルとロドリゲスの闘いは終わった。だが、所詮は一回戦が終わっただけだ。剣神武闘会の熱戦は引き続き続ていく。



 
しおりを挟む
感想 57

あなたにおすすめの小説

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

スキル【土いじり】でパーティを追放された俺、開墾した畑からダンジョンが生えてきた。

夏見ナイ
ファンタジー
「役立たず」の烙印を押され、パーティを追放されたアルフォンス。彼のスキルは戦闘に不向きな【土いじり】。失意の彼は都会を離れ、辺境の地で静かに農業を営むことを決意する。 しかし、彼が畑を耕すと、そこから不思議なダンジョンが生えてきた! ダンジョン内では、高級ポーションになる薬草や伝説の金属『オリハルコン』が野菜のように収穫できる。地味だと思われた【土いじり】は、実はこの『農園ダンジョン』を育てる唯一無二のチートスキルだったのだ。 噂を聞きつけ集まる仲間たち。エルフの美少女、ドワーフの天才鍛冶師……。気づけば彼の農園は豊かな村へ、そして難攻不落の要塞国家へと発展していく。 一方、彼を追放したパーティは没落の一途を辿り……。 これは、追放された男が最強の生産職として仲間と共に理想郷を築き上げる、農業スローライフ&建国ファンタジー!

気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした

高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!? これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。 日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。

処理中です...