レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第54話 エドの試合を観戦

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「おおっ! 戻ってきたかっ! 我が主人(マスター)よ!」

 バハムートは観客席に戻ってきたソルを労った。

「見事な闘いぶりであったぞっ! 我が主人(マスター)よ! 流石だ!」

「はぁ……運よく勝てた良かったよ」

「そう謙遜するな。運などではない。完全に実力の勝利というものよ……それより、終わった話は良いのだ」

 ソルとバハムートの注意はすぐに今後の試合の方で移っていく。そう、重要なのは過去の事ではない、未来の事なのである。終わった事はどうあがいても変わらないのだ。変えられるのは常に未来だけである。

「我の言った通り、今後の試合で重要なのは義弟と、それから赤い仮面剣士。さらには銀髪の剣士よ。その三名に注目して試合を見ていこうか」

「うん……そうしようか」

 第一回戦を終えたソルは第二回戦まで闘う機会はなかった。故に観戦して対戦相手の事を知るべきだと考えていたのである。

『それではEブロック第二試合を始めます!』

 実況席から実況者(アナウンサー)の快活な声が響いてくる。

「エドの番だ……」

「ふむ……あの態度のでかい義弟かの。ここで敗北したら面白いのだがの。クックック」

「残念ながらそうはならないと思うよ。エドはそうまで弱いわけじゃない。性格は良いとは言えないが。『久遠の剣聖』は剣技を驚異的な速度で向上させる固有スキルだ。あれから半年鍛えたエドの剣は常人の域ではないはずだよ」

「ふむ……そうだな。やはり何事も舐めてかかるわけにはいかぬよな。油断や慢心は常に足元を掬われるからの」

 バハムートはその油断や慢心に足元を掬われてきた。やはり経験者が語ると説得力が違うものだった。

『それでは選手の入場です! まず一人目はこの方! 東の辺境国から来ました、曲芸刀使いのサットル選手』

 サットルは刀を持っていた。そしてそれを固有スキルの影響だろうか。自在に操っていた。滑らかな刀裁きから、刀を宙に投げると、それがまるでブーメランのように自身に戻ってきたのである。

「「「おおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」

 観衆がどよめいた。曲芸刀は何本もあった。サットルはその刀を何本も同時に使う事が出来たのである。まるで刀が自分の意思を持って、自在に動いているかのようだ。

「へっ。大道芸なんて見せやがってよ。ここはサーカスじゃないんだぜ」

「ふっ! 俺の刀がただの曲芸ではないという事を思い知るがいい!」

 サットルは婉曲な刀を投げた。何本も。そしてその刀はブーメランのように物凄い速さと勢いでエドに襲い掛かっていった。

『おおっと! これはサットル選手の凄まじい攻撃だっ!』

 実況席で実況者(アナウンサー)の声が響き、観客がどよめく。

「はっ! 遅えんだよ!」

「なっ!?」

 キィン! キィン! キィン!

 エドは巧みな剣術と超人的な反応速度で曲芸刀を打ち落としていった。

「だから言っただろ。曲芸ならならサーカスででもしていろよ」

「ちっ!」

 攻撃手段を失ったサットルは慌てて懐から予備の刀を取り出そうとする。

「だから、遅えんだよ!」

 だが、エドはサットルが刀を取り出すよりも先に斬り伏せた。

「なっ、なに!? ぐわああああああああああああああああああああああああ!」

 サットルは断末魔を上げて果てる。

『この試合、決まりました。エドワード選手の勝利です!』

「す、すげぇ……流石はユグドラシル家次期当主のエドワード」

「でも、あの『レベル0』って言われてたソルも凄かったよな。一試合しかしてないからよくわかんねーけどよ」

「これはもしかしたユグドラシル家の兄弟対決もありうるよな」

 観客が騒めく。

 ソルとバハムートはその様子を見ていた。

「ふむ……思っていたよりもやるの。主人(マスター)の義弟は」

『久遠の剣聖』の固有スキルの影響及び今までの鍛錬でエドは類まれな剣技を身に着けていた。その剣は達人の領域にまで達している。間違いなくエドはソルとぶつかる準決勝まで上がってくる事であろう。

 引き続き、試合が行われていく。次の注目試合は仮面剣士スカーレットの試合だ。

 ソルとバハムートは引き続き試合を注視していく。
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