レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第75話 情報を得る為、デオールの街を訪れる

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 フレースヴェルグを旅立った三人は魔族に関する情報を集める事にした。

 『デーオル』という名の街まで来ていた。様々な人々が行きかう、交易の拠点となっている街である。
 
 浜辺近くにある街の為、様々な海産物が市場には並んでいた。中にはその場で燻している出店もある為、塩の良い匂いが鼻孔を刺激する。

「おおっ! なんと良い匂いであるかっ! これはたまらないっ! 主人(マスター)よ! 早く食べようではないかっ!」

 じゅるり。バハムートは駄々漏れの涎を手の甲で拭う。

「バハムート、俺達はこの街まで何を目的に来たんだ?」

「目的など決まっているであろう! それは勿論、特産品の海産物を腹いっぱいになるまで堪能するためであるっ!」

 バハムートは胸を張って答える。

「違うだろっ! 俺達は魔族に関する情報を手に入れる為に来たんだろ!」

 ソルは珍しく怒鳴る。

「う、うむ……わかっておるわ……冗談だ。そう怒るでない」

「本当か?」

 ソルは呆れたように溜息を吐く。

「本当である……さて、それでは情報収集するより前に腹ごしらえといこうかの」

 バハムートにとってはやはり責務より食い気であった。

「やっぱり食い気の方が重要じゃないか……」

「だがの。食わねば動く時に動けぬ。違うか? 主人(マスター)よ」

「それは確かに。そうだが」

「それではおいしい食べ物を食べに行こうではないか。ここに来るまでに美味そうなレストランの目星をつけておいたのだ!」

「ははは……食べ物の事となると随分とマメなのね」

 クレアは苦笑していた。三人は食事をしつつ、今後の話をする事にした。

 バハムートに連れられて、三人はレストランへと向かう。

 ◇

「お待たせしました! シーフードドリアになります! 大海老の塩焼き! それから刺身の盛り合わせ! ……」

 ウエイトレスの読み上げが延々と続く。テーブルにはドンドンと食事が並んでいった。主にはここら辺で捕れる海産物の料理である。

「以上になります」

「はははっ……相変わらず食べるわね」

 以前、王城でバハムートの食べっぷりを見ていたクレアは最初の時より驚いてはいなかった。だが、それでも若干引いているようではあった。

 当然のように大体はバハムートが食べるのである。

「……というか、そろそろ教えてくれない? ソル。あなたの事……そして彼女の事。彼女、普通の人間じゃないんでしょう?」

 クレアは聞いてくる。クレアはやはり感じていたのだ。ソルとバハムートに対する違和感を。

「私はもうあなた達と一緒に旅をする仲間なの。言えないんだったら無理に言わなくていいけど、出来れば本当の事を知りたいの」

「そうだな……そうだよな。俺だってクレアに隠し事をしたくない。バハムート、話していいか? 今まで何があったのかを」

「うむ。主人(マスター)が良いというのならば、我にそれを止める理由などない。むしゃむしゃ! ガツガツ!」

「そんな話よりもとにかく食べていたいって感じだな。まあいい、じゃあ、クレア。話そう。今まで俺に何があって、どうしてバハムートと一緒に行動を共にするようになったのか」

 ソルはクレアに説明する。今まであった事を。

 事の始まりは半年前のスキル継承の儀である。ソルは『レベル0』という外れスキルを授かった。そのくらいの事はクレアは知っているとは思う。

 その次にソルは実父であるカイに裏ダンジョンと呼ばれる『ゲヘナ』に捨てられた。そしてそこからソルは幸運も多いにあったとは思うが、その『ゲヘナ』を攻略するに至った。
 
 そして隣にいるバハムートの正体は竜王『バハムート』と呼ばれる強力なモンスターであり、彼女がクリア報酬として仲間になった……というわけだった。

「そ、そう……そんな事があったの。あなたのお父さんを悪く言うのもあれだけど、酷い事をするものね」

 クレアは絶句した。とはいえ、苛立ちをぶつける相手である実父はもういない。悪魔に取りつかれたエドの凶行により、既にこの世を去っているのだ。

「それでソルはそのダンジョンで強くなって、そこにいるバハムートさんが仲間になったっていうわけね」

 言葉にするとえらく簡単ではあるが、ここまで来た道のりは決して平坦ではなかった。酷く厳しいものではあった。

「ああ……その通りだ。それでその後に俺はクレアと再会したんだ」

 それから先はクレアも知っている通りだ。ソルは剣神武闘会に出場する事になり、そこで色々な事があった。そして今に至る、というわけだ。

「ふーん……じゃあ、バハムートさんはただの大飯ぐらいってわけじゃないんだ。良かった」

 クレアは胸を撫で下ろす。

「なんだ! 今の言い方は! まるで我がただの大飯ぐらいで、食費だけ無駄に金がかかるお荷物だとでも思っていたのか!」

「ううん……そうじゃないけど。そうだったら嫌だな、と思っただけで」

 クレアは苦笑する。

「全く……我は役に立つのだぞ。食った飯代以上の働きはするつもりだ」

「クレア、それで話を元に戻すんだけど……この街に来た目的に」
 
 ソル達はこの街デーオルに来たのは魔族に関する情報を集める為だ。この街には様々な情報が集まる。そしてその情報を売り買いしている『情報屋』と呼ばれる人物がいるのだ。

 三人はその『情報屋』を訪ねにこのデオールまで来たのだ。決して海産物を堪能する為に来たのではない。

「あーん……んーっ! うまいっ!」

 誰とは言わないが、堪能している人物が一人いるが。ともかく。

 食事を終わらせた三人はこの街にいる『情報屋』たる人物の所へ向かうのであった。

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