レベル0の最強剣士~レベルが上がらないスキルを持つ俺、裏ダンジョンに捨てられたが、裏技を発見し気が付いたら世界最強になっていた。

つくも/九十九弐式

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第82話 エルフの国に攻め入る魔族

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 ソルはその夜、不安で眠れなかった。ベッドで眠れずに悶えていた。胸騒ぎがするのだ。

 何かが起こる予感がしていた。

 ガチャリ。

 部屋のドアが開かれる。

 誰だ? ノックもないじゃないか。ソルは警戒した。暗殺者か、何かではないか。ありうる事だ。魔族の刺客が忍び込んで来た、という可能性もありうる。

 ソルは手元にあった魔剣に手をかける。

 だが、そこに現れた人物は想定もしていなかった人物であった。

「バハムートか……って、お前、なんて恰好をしているんだっ!」

「ふふっ!」

 バハムートは黒い生地の薄手のランジェリーを身に着けていた。言葉を選ばずに言えばまるで売春婦のような恰好である。

「バハムート! ……ど、どうしてそんな恰好をしているんだっ!」

 性的な物事に対して、えらく耐性のないソルは顔を真っ赤にする。

「我は気の利く使い魔であるが故に、主人(マスター)が思春期故の鬱積を募らせていると察して馳せ参じてきたのだ」

 バハムートは胸を張る。

「……鬱積って、な、なんだよそれは」

「皆まで言わずともわかるであろう」

 バハムートはベッドの上に乗ってきた。そして、ソルの上に跨る。月夜の光に照らされ、バハムートの体が魅惑的に映った。

「雄である以上は、雄としての鬱積を抱えるのは仕方ない事であろうて……クックック」

 バハムートは愉しそうに笑う。

「……鬱積だなんて、俺はそんな事……」

「知っているぞ。主人(マスター)よ。そなたは童貞なのであろう?」

「ど、童貞って……だったらなんだって言うんだよ。お、お前は経験があるのか?」

「いや、特にないが」

「ないのかよ……」

 ソルは呆れて溜息を吐く。

「よくわからんが! 生物には本能というものがあるっ! 猫は習わないでも鼠を取る習慣を本能的に身に着けているであろう! それと同じだ! 本能に身を任せていれば何とかなるのだ!」

 ガバッ! とバハムートはソルに襲い掛かってくる。

「よ、よせっ! バハムート! お、俺はお前をそんなつもりで仲間にしたんじゃ!」

「……我に全てを任せておくがよい……何、ただ気持ち良くなるだけだ。天井の染みを数えているうちに終わるであろうぞ」

「て、天井に染みなんて……」

 バハムートの艶のある唇がゆっくりと近づいてくる。こういった物事に関して異様な程鈍感なソルでもドキドキと心臓の鼓動が高鳴っているのを感じた。


 ――と、その時であった。ガチャッ! 再びドアの開く音がする。

「ソルっ!」

 クレアが飛び込んできたのだ。

「な、何をやっているのよ! あなた達っ!」

 クレアは顔を真っ赤にした。

「なんだ!? 見ればわからないのか。秘め事であるぞっ!」

「ひ、秘め事って、何をするつもりなのよ!」

「交尾に決まっているであろうっ! 主人(マスター)の劣情を解消するのも使い魔である我の役割なのだっ!」

「具体的に言わないでいいわよ! ……そ、それより大変なのよっ! そんな事している場合じゃないのっ!」

「んっ!? 何かあったのか!」

「大変なのっ! 緊急事態なのっ!」

 クレアは慌てていた。何かあったようだ。

「だから落ち着いて話すが良い。何があったのだ? 慌てていないでちゃんと説明するがよい」

「そうね……。すぅー……はぁー」

 クレアは深呼吸をして落ち着きを取り戻した。

「落ち着いたか? 小娘よ。落ち着いたらちゃんと話をするが良い」

「う、うん。エルフの森を魔族が火を放ったみたいなの」

「ふむ。そうか……魔族の連中め、早速攻め入ってきたようだの」

「それで、火に乗じて攻め込んできたみたいで、今エルフ達はその対応に追われているみたい。私達も助けにいかないと……」

「仕方ないの……主人(マスター)の鬱積の晴らすのは次回といこうではないか。今はエルフ達を助けるとしよう。その為に我等はこの国に来たのだからな」

「だから、鬱積なんて溜まってないって!」

 ソルは顔を真っ赤にして否定した。

 こうしてソル達は寝る暇もなく、エルフ達の救援へと向かうのであった。


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