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本編
姉の正義②
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「お姉様、ここまでやってようやく『誰かを救った』ということになるんです。賽を投げるだけ投げて、その先にある苦労や責任は一切負わないようじゃ『誰かの救いになった』とは言えません」
非情なまでに厳しい現実を突きつけ、私は自身の胸元に手を添える。
「もちろん、人を助けたいという気持ちは素晴らしいものだと思います。けれど、それだけじゃダメなんです」
『助けたい一心で突っ走って、どうにかなるのは物語の中だけ』ということを実感しているため、自然と言葉に力が入った。
ギュッと胸元を握り締める私の前で、姉は今にも泣きそうな表情を浮かべる。
『さすがにちょっと言い過ぎたかもしれない』と焦る私を他所に、彼女は膝をついた。
「分かっ、た……認める……私が間違っていたわ……」
これまで、決して自分の考えを……正義を曲げなかった姉が、折れた。
思わず瞠目する私を前に、彼女は目頭を押さえる。
「ごめんなさい、レイチェル……たくさん、迷惑を掛けて。これからは改めるわ。でも────」
そこで一度言葉を切り、姉は私の手を掴んだ。
かと思えば、
「────この結婚だけは別」
と、宣言する。
緑の瞳に確かな意志と覚悟を宿す姉は、握った手に力を込めた。
「レイチェルは知らないかもしれないけど、あの男は本当に危険なの。だって、幼い頃に家族を……」
「「────クラリス!」」
大声で姉の名前を呼び、応接室に駆け込んできたのは他の誰でもない両親だった。
息を切らしている様子の二人は、姉の姿を見るなり泣き崩れる。
どうやら、かなり心配していたらしい。
「もう!貴方って子は……!」
「どれだけ、周りを振り回せば気が済むんだ!」
ホッとしたら今度は怒りが湧いてきたのか、二人とも声を荒らげた。
いつになく厳しい顔つきの両親に対し、姉は何も言えなくなる。
恐らく、先程の話を思い出して頭が上がらなくなってしまったのだろう。
「とにかく、帰るわよ!これ以上、お邪魔すると迷惑になるから!」
「説教はそのあとだ!」
一直線にこちらまでやってくると、両親は姉の腕を掴む。
と同時に、無理やり立たせた。
『ほら、歩きなさい!』と叱咤する二人は、そのまま廊下へ向かっていく。
非情なまでに厳しい現実を突きつけ、私は自身の胸元に手を添える。
「もちろん、人を助けたいという気持ちは素晴らしいものだと思います。けれど、それだけじゃダメなんです」
『助けたい一心で突っ走って、どうにかなるのは物語の中だけ』ということを実感しているため、自然と言葉に力が入った。
ギュッと胸元を握り締める私の前で、姉は今にも泣きそうな表情を浮かべる。
『さすがにちょっと言い過ぎたかもしれない』と焦る私を他所に、彼女は膝をついた。
「分かっ、た……認める……私が間違っていたわ……」
これまで、決して自分の考えを……正義を曲げなかった姉が、折れた。
思わず瞠目する私を前に、彼女は目頭を押さえる。
「ごめんなさい、レイチェル……たくさん、迷惑を掛けて。これからは改めるわ。でも────」
そこで一度言葉を切り、姉は私の手を掴んだ。
かと思えば、
「────この結婚だけは別」
と、宣言する。
緑の瞳に確かな意志と覚悟を宿す姉は、握った手に力を込めた。
「レイチェルは知らないかもしれないけど、あの男は本当に危険なの。だって、幼い頃に家族を……」
「「────クラリス!」」
大声で姉の名前を呼び、応接室に駆け込んできたのは他の誰でもない両親だった。
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どうやら、かなり心配していたらしい。
「もう!貴方って子は……!」
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ホッとしたら今度は怒りが湧いてきたのか、二人とも声を荒らげた。
いつになく厳しい顔つきの両親に対し、姉は何も言えなくなる。
恐らく、先程の話を思い出して頭が上がらなくなってしまったのだろう。
「とにかく、帰るわよ!これ以上、お邪魔すると迷惑になるから!」
「説教はそのあとだ!」
一直線にこちらまでやってくると、両親は姉の腕を掴む。
と同時に、無理やり立たせた。
『ほら、歩きなさい!』と叱咤する二人は、そのまま廊下へ向かっていく。
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