駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜

あーもんど

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本編

義弟との再会①

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◇◆◇◆

 ────姉の突撃訪問から、約半月後。
一難去ってまた一難とでも言うべきか、私は義弟のフェリクス・イミタシオン・ラニットと顔を合わせていた。

 何となく庭を散策していたら、バッタリ出会したのよね。
通常であれば、こんなこと有り得ないのに。
だって、フェリクス様は普段分家のところに居るから。
本家ここには、余程のことがない限り来れないと聞いているわ。

 ロルフに受けた説明を思い返し、私はどうしようか悩む。
『こんなことなら、ベロニカも連れてくれば良かった』と後悔する中、義弟は嬉しそうに笑った。

「やあ、義姉さん。会いたかったよ」

 ややピンク寄りの赤い瞳をうんと細め、義弟はこちらへ近づいてくる。
相変わらず人の良さそうな雰囲気を放つ彼の前で、私は内心溜め息を零した。
やっぱり見逃してはくれないか、と思って。

「ご無沙汰しております」

 一先ず挨拶を返すと、義弟はコクリと相槌を打った。
かと思えば、私の目の前で足を止める。

「元気にしてた?」

「はい、それなりに」

「なら、良かったよ。社交界に全く姿を現さないから、ちょっと心配していたんだ」

 ホッとしたような素振りを見せる義弟は、僅かに表情を和らげる。
と同時に、自身の首裏へ手を回した。

「一応何度か会いに来ようともしたんだけど、兄さんに妨害されてね。今日だって、デニス皇子殿下の付き添い役じゃなきゃ追い返されていたよ」

 『殿下に協力をお願いして、正解だった』と語る義弟に、私はスッと目を細める。
ラニット公爵家の本邸へ来れたのはそういうことか、と納得して。
『そういえば、今日は厄介なお客様が来ると仰っていたわね』と思い返し、私は顎に手を当てた。

 一応、旦那様の許可を得てここに居る以上、フェリクス様をぞんざいに扱う訳にはいかないわね。
皇族の付き添い役ともなれば、尚更。

 『ますます、逃げ出せなくなった』と考えていると、義弟が庭のガゼボを指さす。

「ねぇ、良かったらあそこで腰を落ち着けて話さない?義姉さんには、まだまだ話したいことがあるし」
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