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番外編
過去と戒め《クラリス side》
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────これはフィオーレ伯爵家の次期当主を志してから、十年ほど経った頃の出来事。
私は両親に頼まれて、過去の書類の整理を行っていた。
あら、やけに量が多いわね。ここ数年の資料はここまでないのに。
『何故かしら?』と疑問に思い、私はふと資料へ目を通す。
すると────そこには、過去の自分の行い……いや、迷惑行為について書かれていた。
「〇月〇日、子供の作った雪だるまを壊す大人に注意するも、私有地のため問題なし。むしろ、雪だるまを作る方がアウト……」
資料に記載された過去のやらかしを前に、私は血の気が引く。
『今思えば、本当にとんでもないことをしていたな』と感じて。
よくよく考えてみると、その大人はかなり良心的だったしね。
だって、子供達を叱らずに撤去だけで済ませたのだから。
『そんな方を注意していたなんて……』と項垂れつつ、私は次の文章に目を向けた。
「また、△月△日。嫌がる少女を無理やり連れていく貴族の男性を発見。誘拐かと思い、急いで止めに入るが、その男女は親子でただ喧嘩していただけだった」
これはよく覚えている……確か、騎士団まで動く騒動になって貴族の男性から訴えられそうになったのよね。
でも、少女の母親が『貴方の老け顔じゃ、勘違いされてもしょうがないわ』と取り成してくれて、何とか事なきを得たの。
『もちろん、慰謝料は多く支払ったらしいけど』と振り返り、私は大きく息を吐く。
過去の自分があまりにも、愚かすぎて。
『この時の家族の苦労を思うと、もう……』と頭を抱え、私は辟易した。
と同時に、ページを捲る。
一応最後まで見よう、と思って。
ここでやめるのは、なんだか過去から逃げているようで嫌だった。
「それから、□月□日は────」
大小様々なトラブルが記された資料……その一冊を読み終え、私はテーブルに突っ伏す。
思ったより、精神的にダメージを負ってしまったため。
嗚呼、顔から火が出るほど恥ずかしい……でも、それ以上に家族への感謝と謝罪でいっぱいだわ。
よくこんな問題児を見捨てずに、育ててくれたわね。
『普通なら、勘当されてもおかしくないのに』と思い、私はふと顔を上げた。
今こうして暮らしていられるのは間違いなく両親や妹のおかげなんだな、と実感しながら。
「いつか、ちゃんと恩返ししないといけないわね」
改めて親孝行と妹孝行を誓い、私は手元に視線を戻す。
過去の書類は本当に重要なもの以外、処分していいと言われているけど……これらは自分の戒めのために取っておこうかしら。
『定期的に読み返せば、暴走の抑止力になるでしょうし』と考え、私は保管を決めた。
────過去の罪を忘れないためにも。
『これらを処分するのは、きっと私が亡くなった時ね』と思いつつ、スッと目を細めた。
私は両親に頼まれて、過去の書類の整理を行っていた。
あら、やけに量が多いわね。ここ数年の資料はここまでないのに。
『何故かしら?』と疑問に思い、私はふと資料へ目を通す。
すると────そこには、過去の自分の行い……いや、迷惑行為について書かれていた。
「〇月〇日、子供の作った雪だるまを壊す大人に注意するも、私有地のため問題なし。むしろ、雪だるまを作る方がアウト……」
資料に記載された過去のやらかしを前に、私は血の気が引く。
『今思えば、本当にとんでもないことをしていたな』と感じて。
よくよく考えてみると、その大人はかなり良心的だったしね。
だって、子供達を叱らずに撤去だけで済ませたのだから。
『そんな方を注意していたなんて……』と項垂れつつ、私は次の文章に目を向けた。
「また、△月△日。嫌がる少女を無理やり連れていく貴族の男性を発見。誘拐かと思い、急いで止めに入るが、その男女は親子でただ喧嘩していただけだった」
これはよく覚えている……確か、騎士団まで動く騒動になって貴族の男性から訴えられそうになったのよね。
でも、少女の母親が『貴方の老け顔じゃ、勘違いされてもしょうがないわ』と取り成してくれて、何とか事なきを得たの。
『もちろん、慰謝料は多く支払ったらしいけど』と振り返り、私は大きく息を吐く。
過去の自分があまりにも、愚かすぎて。
『この時の家族の苦労を思うと、もう……』と頭を抱え、私は辟易した。
と同時に、ページを捲る。
一応最後まで見よう、と思って。
ここでやめるのは、なんだか過去から逃げているようで嫌だった。
「それから、□月□日は────」
大小様々なトラブルが記された資料……その一冊を読み終え、私はテーブルに突っ伏す。
思ったより、精神的にダメージを負ってしまったため。
嗚呼、顔から火が出るほど恥ずかしい……でも、それ以上に家族への感謝と謝罪でいっぱいだわ。
よくこんな問題児を見捨てずに、育ててくれたわね。
『普通なら、勘当されてもおかしくないのに』と思い、私はふと顔を上げた。
今こうして暮らしていられるのは間違いなく両親や妹のおかげなんだな、と実感しながら。
「いつか、ちゃんと恩返ししないといけないわね」
改めて親孝行と妹孝行を誓い、私は手元に視線を戻す。
過去の書類は本当に重要なもの以外、処分していいと言われているけど……これらは自分の戒めのために取っておこうかしら。
『定期的に読み返せば、暴走の抑止力になるでしょうし』と考え、私は保管を決めた。
────過去の罪を忘れないためにも。
『これらを処分するのは、きっと私が亡くなった時ね』と思いつつ、スッと目を細めた。
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