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番外編
花の展覧会②
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「それにしても────ロルフったら、よくこんな場所を用意出来ましたね。展覧会の開催場所を急遽、公爵領に変更しただけでも驚きなのに」
ここ一週間で展覧会の運営に掛け合い、会場の確保から設営までこなしたロルフを思い浮かべ、私は素直に感心する。
だって、普通は間に合わないだろうから。
それに、付け焼き刃とは思えないクオリティだ。
『参加者の移動にも色々配慮したのか、例年と変わらない集客だし』と考えつつ、肩を竦める。
「遠出や外泊を避けるためにここまでやるとは、思いませんでした」
「あいつは変なところで、全力を出すからな」
『普通に一週間分の仕事をこなした方が、幾分か楽だろうに』と零し、夫はふと顔を上げる。
「ところで、このネームプレートに付いているマークはなんだ?」
リボンと袋の絵が描かれたソレを前に、夫は頭を捻った。
『何かの隠語か?』と述べる彼の前で、私は口を開く。
「あぁ、それは買取可能な作品という意味ですよ。金額は要相談ですが、他に買取希望者でも居ない限り大体相場の二倍くらいで購入出来ます」
「そうか」
例のマークを一瞥し、夫はおもむろに周囲を見回した。
かと思えば、スッと目を細める。
「買取可能な作品はおおよそ、二十点か。なら、部屋に収まるな」
『少々匂いはキツそうだが』と述べつつ、夫は真っ直ぐ前を見据えた。
「全て買い取ろう」
────と、宣言した夫は本当に全部購入して寝室に並べる。
おかげで、いつでも花を鑑賞出来る環境になった。
花に囲まれて、過ごせるなんて幸せね。
実家に居た時はこんな贅沢出来なかったから、余計に。
『起きて、直ぐに花を堪能出来るのが特にいい』と思いつつ、私はベッドの上で寝返りを打つ。
すると、隣で本を読んでいる夫が目に入った。
「旦那様。展覧会の付き添いや花のご購入、本当にありがとうございました」
『凄く嬉しかったです』と礼を言い、私は頬を緩める。
────と、ここで夫は本を閉じた。
「レイチェルが喜んでいるなら、それでいい」
手に持った本をタンスの上に置き、夫はこちらへ向き直る。
その横で、私は笑みを零した。
相変わらず無愛想だけど、愛を感じるわね。
話し掛けたら、こうやって直ぐに応えてくれるところはもちろん、今日の外出そのものにも。
だって、旦那様は本来花になんて興味ないだろうから。
それなのに、付き合ってくれて……花だって、購入して飾ってくれた。
夫の気持ちが伝わってくる行動の数々に、私は喜びを感じる。
と同時に、今ある幸福を噛み締めた。
✄-------------------‐-------------------‐------✄
これにて、番外編も終了となります。
本当に最後の最後までお付き合いいただき、ありがとうございました┏○ペコッ
ここ一週間で展覧会の運営に掛け合い、会場の確保から設営までこなしたロルフを思い浮かべ、私は素直に感心する。
だって、普通は間に合わないだろうから。
それに、付け焼き刃とは思えないクオリティだ。
『参加者の移動にも色々配慮したのか、例年と変わらない集客だし』と考えつつ、肩を竦める。
「遠出や外泊を避けるためにここまでやるとは、思いませんでした」
「あいつは変なところで、全力を出すからな」
『普通に一週間分の仕事をこなした方が、幾分か楽だろうに』と零し、夫はふと顔を上げる。
「ところで、このネームプレートに付いているマークはなんだ?」
リボンと袋の絵が描かれたソレを前に、夫は頭を捻った。
『何かの隠語か?』と述べる彼の前で、私は口を開く。
「あぁ、それは買取可能な作品という意味ですよ。金額は要相談ですが、他に買取希望者でも居ない限り大体相場の二倍くらいで購入出来ます」
「そうか」
例のマークを一瞥し、夫はおもむろに周囲を見回した。
かと思えば、スッと目を細める。
「買取可能な作品はおおよそ、二十点か。なら、部屋に収まるな」
『少々匂いはキツそうだが』と述べつつ、夫は真っ直ぐ前を見据えた。
「全て買い取ろう」
────と、宣言した夫は本当に全部購入して寝室に並べる。
おかげで、いつでも花を鑑賞出来る環境になった。
花に囲まれて、過ごせるなんて幸せね。
実家に居た時はこんな贅沢出来なかったから、余計に。
『起きて、直ぐに花を堪能出来るのが特にいい』と思いつつ、私はベッドの上で寝返りを打つ。
すると、隣で本を読んでいる夫が目に入った。
「旦那様。展覧会の付き添いや花のご購入、本当にありがとうございました」
『凄く嬉しかったです』と礼を言い、私は頬を緩める。
────と、ここで夫は本を閉じた。
「レイチェルが喜んでいるなら、それでいい」
手に持った本をタンスの上に置き、夫はこちらへ向き直る。
その横で、私は笑みを零した。
相変わらず無愛想だけど、愛を感じるわね。
話し掛けたら、こうやって直ぐに応えてくれるところはもちろん、今日の外出そのものにも。
だって、旦那様は本来花になんて興味ないだろうから。
それなのに、付き合ってくれて……花だって、購入して飾ってくれた。
夫の気持ちが伝わってくる行動の数々に、私は喜びを感じる。
と同時に、今ある幸福を噛み締めた。
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これにて、番外編も終了となります。
本当に最後の最後までお付き合いいただき、ありがとうございました┏○ペコッ
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