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第一章
終わりと始まり
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「悪役令嬢リディア・ルース・グレンジャー!貴方────転生者でしょう!?」
十六歳の春、アントス学園の校舎裏にて────クルンとカールの掛かった茶髪をポニーテールにしている少女が、そう叫んだ。
桜を連想させる淡いピンクの瞳に不満を滲ませ、キッとこちらを睨んでくる彼女はまるで子猫のよう。
華奢で小柄な外見に似合わず、強気なところなんて特に。
『怒っているのに可愛いなんて、不思議ね』と思いつつ、私は小さく首を横に振る。
「いいえ、私は転生者じゃありませんわ」
「嘘よ!だって────ゲームのリディア・ルース・グレンジャーは、こんなに優しくないもの!表情も暗いし!」
ビシッとこちらを指さし、彼女は『本物とかけ離れ過ぎている!』と主張した。
『私は騙されないんだから!』と言わんばかりに目を吊り上げる彼女の前で、私はパッと表情を明るくする。
「まあ!ルーシーさんも、あの乙女ゲームをご存知で?」
「もちろんよ!あれは歴史に残る名作だもの……じゃなくて!やっぱり、貴方転生者じゃない!なんで乙女ゲームという単語を知っているのよ!?」
ハッとしたように目を見開く彼女は一歩前へ踏み出し、私の胸元に人差し指を突き刺す。
その際、茶髪と一緒に髪飾り代わりの赤いリボンが揺れた。
挙動も気性も激しい彼女を前に、私はニッコリと微笑む。
「いえいえ、本当に転生者ではありませんよ。私はどちらかと言うと────憑依者ですわ」
そう、私は生まれながらに人生二周目を悟った訳でも、頭を打った拍子に前世の記憶を取り戻した訳でもない。
いつの間にか、他人の身体に入り込んでいたのだ。
────事の発端は十年前に遡る。
私は元々山下朱理という名前で、暮らしていた。
でも、生まれつき病弱で心臓に重い疾患を持っており……ずっと病院生活。
外に出て、遊んだことなんて数えるほどしかなかった。
そんな時、大きな手術を行うことになったのだが……麻酔で眠って以降の記憶がない。
多分────手術に失敗して、亡くなったのだと思う。
気がついた時には、『貴方と運命の恋を』の悪役令嬢リディア・ルース・グレンジャーに憑依していたから。
ドレッサーの鏡で姿を確認した私は、暫し呆然とした。
憑依や転生なんて、本当にあるのか?と。
でも、この外見────腰まである紫髪にタンザナイトの瞳は、間違いなく山下朱理のものじゃなくて……現実を受け入れざるを得なかった。
ゲームをプレイする前に死んでしまったから、パッケージのイラストしか見たことないけど、悪役令嬢リディアの面影はあるわね。
どこか大人びた印象を受ける顔を見つめ、私はそっと頬に触れる。
子供特有のもっちりとした肌の感触に目を細めつつ、改めて夢じゃないのだと実感した。
「パパとママは今頃、悲しんでいるでしょうね……早く立ち直ってくれるといいけど」
一人娘である朱理を溺愛し、高額な治療にも入院生活の手間にも一切文句を言わなかった二人……。
『いつか、三人で海に行こうね』という約束を胸に、これまで頑張ってきたからショックを受けているに違いない。
『結局、親孝行出来なかったな……』と眉尻を下げ、私はそっと手を下ろした。
その拍子にドレッサーのデスク部分と衝突してしまい、何かが床へ落ちる。
『まあ、大変!』と慌てて腰を折り、落ちたものを拾い上げる私は一瞬固まった。
「────私の体に憑依してしまった方へ……?」
見たことない筈の文字を読み上げ、私は手の内にある手紙をまじまじと見つめる。
『言語などの知識は体が覚えているのか?』と推察しながら、パチパチと瞬きを繰り返した。
予想だにしなかった展開を前に、私は困惑を隠し切れない。
でも、このまま放置する訳にもいかないので一先ず手紙の封を切った。
『私の体』と表記していることから、差出人は本物のリディアみたいだけど……一体、どんなことが書かれているのかしら?
などと思いつつ、私は封筒の中から便箋を取り出す。
そして、一思いに内容を確認すると────そこには、
『私の体に憑依してしまった方へ
突然このような事態に巻き込んでしまい、ごめんなさい
でも、もう限界なの……全部疲れた
だから、貴方に私の体をあげる
好きに使ってくれて、構わないわ
ただ、一つだけ……可能であれば、色んな人に愛される人へなってほしい
私はどう頑張っても、そういう人になれなかったから……
貴方の第二の人生が、幸福で溢れていることを願うわ
リディア・ルース・グレンジャーより』
と、とても丁寧な筆跡で綴られていた。
その一文一文、一文字一文字が切なくて……強く胸を締め付けられる。
私はじわりと目に涙を滲ませながら、手紙を抱き締めた。
一体、どんな気持ちでこの手紙を書いたのかしら?
少なくとも、愉快な気分ではなかったわよね。
きっと、何度も何度も迷って……躊躇って……書き直した筈よ。
リディアの苦しみを思うと、やるせない気持ちでいっぱいになるわ。
まだ幼く小さな体を見下ろし、私は『何でこんなことに……』と嘆く。
悩んだ末に出した結論だと理解していても、やはりとても悲しかった。
十歳にも満たないであろう子供が、自らの人生を諦めるだなんて……。
もし、私が傍に居たら……絶対、一人にさせないのに。
『貴方は尊重されるべき存在で、不幸に耐え凌ぐ必要はない』って……『私と一緒に幸せな日々を送ろう』って、言ったのに。
世界が違うのだからしょうがないんだろうけど、でも……憑依する前に出会いたかった
こんな手紙越しじゃなくて……きちんとお互いの顔を見て。
胸に抱いた手紙をそっと持ち上げ、私は改めて文面に目を通した。
瞼の裏に焼きつけるように、何度も何度も……。
ポロポロと大粒の涙を流しながら。
後悔や虚しさが胸中に渦巻く中、私はおもむろに前を向く。
すると、鏡越しに紫髪の美少女と目が合った。
言いたいことも、やってあげたいことも沢山あるけど────それは後に取っておく。
せっかく貰った第二の人生、無駄には出来ないから。
『本当は天国に居る貴方の元まで飛んでいきたいのだけどね』と肩を竦め、私は鏡越しにあの子へ触れた。
タンザナイトの瞳を真っ直ぐ見つめ返し、微かに笑う。
「リディア・ルース・グレンジャーの体と命、確かに頂戴しました。貴方の願いを叶えて必ず幸せになるから、どうか見ていて。後悔はさせないから」
確かな意志と覚悟を持って宣言し、私は止めどなく溢れる涙を手で拭った。
『いつか、私に人生を預けて正解だったと思って貰えるよう頑張ろう』と、意気込みながら。
────こうして、私は山下朱理としての人生を終え、新たにリディア・ルース・グレンジャーの人生を送ることになった……のだが、問題は山積みだった。
どういう訳か、皆よそよそしいのよね。
私の扱いに困っているというか……。
家族に関しては、一切接点なしだし。
執事曰く、父の公爵は仕事で外出中。兄の小公爵は、その付き添い。母の公爵夫人は体調不良により、寝込んでいるらしい。
『公爵夫人も前世の私と同様に病弱なのかな?』と思いつつ、私は身を起こす。
少し乱れた髪を手櫛で整え、ピョンッとベッドから飛び降りた。
「このままじゃ、ダメよね。部屋に閉じ籠っていても、何も始まらない。行動あるのみよ」
現状打破を決意し、私はキュッと小さく手を握る。
と同時に、顔を上げた。
「まずは、手始めに────公爵夫人ルーナ・ヴァイス・グレンジャーのお見舞いに行きましょう」
十六歳の春、アントス学園の校舎裏にて────クルンとカールの掛かった茶髪をポニーテールにしている少女が、そう叫んだ。
桜を連想させる淡いピンクの瞳に不満を滲ませ、キッとこちらを睨んでくる彼女はまるで子猫のよう。
華奢で小柄な外見に似合わず、強気なところなんて特に。
『怒っているのに可愛いなんて、不思議ね』と思いつつ、私は小さく首を横に振る。
「いいえ、私は転生者じゃありませんわ」
「嘘よ!だって────ゲームのリディア・ルース・グレンジャーは、こんなに優しくないもの!表情も暗いし!」
ビシッとこちらを指さし、彼女は『本物とかけ離れ過ぎている!』と主張した。
『私は騙されないんだから!』と言わんばかりに目を吊り上げる彼女の前で、私はパッと表情を明るくする。
「まあ!ルーシーさんも、あの乙女ゲームをご存知で?」
「もちろんよ!あれは歴史に残る名作だもの……じゃなくて!やっぱり、貴方転生者じゃない!なんで乙女ゲームという単語を知っているのよ!?」
ハッとしたように目を見開く彼女は一歩前へ踏み出し、私の胸元に人差し指を突き刺す。
その際、茶髪と一緒に髪飾り代わりの赤いリボンが揺れた。
挙動も気性も激しい彼女を前に、私はニッコリと微笑む。
「いえいえ、本当に転生者ではありませんよ。私はどちらかと言うと────憑依者ですわ」
そう、私は生まれながらに人生二周目を悟った訳でも、頭を打った拍子に前世の記憶を取り戻した訳でもない。
いつの間にか、他人の身体に入り込んでいたのだ。
────事の発端は十年前に遡る。
私は元々山下朱理という名前で、暮らしていた。
でも、生まれつき病弱で心臓に重い疾患を持っており……ずっと病院生活。
外に出て、遊んだことなんて数えるほどしかなかった。
そんな時、大きな手術を行うことになったのだが……麻酔で眠って以降の記憶がない。
多分────手術に失敗して、亡くなったのだと思う。
気がついた時には、『貴方と運命の恋を』の悪役令嬢リディア・ルース・グレンジャーに憑依していたから。
ドレッサーの鏡で姿を確認した私は、暫し呆然とした。
憑依や転生なんて、本当にあるのか?と。
でも、この外見────腰まである紫髪にタンザナイトの瞳は、間違いなく山下朱理のものじゃなくて……現実を受け入れざるを得なかった。
ゲームをプレイする前に死んでしまったから、パッケージのイラストしか見たことないけど、悪役令嬢リディアの面影はあるわね。
どこか大人びた印象を受ける顔を見つめ、私はそっと頬に触れる。
子供特有のもっちりとした肌の感触に目を細めつつ、改めて夢じゃないのだと実感した。
「パパとママは今頃、悲しんでいるでしょうね……早く立ち直ってくれるといいけど」
一人娘である朱理を溺愛し、高額な治療にも入院生活の手間にも一切文句を言わなかった二人……。
『いつか、三人で海に行こうね』という約束を胸に、これまで頑張ってきたからショックを受けているに違いない。
『結局、親孝行出来なかったな……』と眉尻を下げ、私はそっと手を下ろした。
その拍子にドレッサーのデスク部分と衝突してしまい、何かが床へ落ちる。
『まあ、大変!』と慌てて腰を折り、落ちたものを拾い上げる私は一瞬固まった。
「────私の体に憑依してしまった方へ……?」
見たことない筈の文字を読み上げ、私は手の内にある手紙をまじまじと見つめる。
『言語などの知識は体が覚えているのか?』と推察しながら、パチパチと瞬きを繰り返した。
予想だにしなかった展開を前に、私は困惑を隠し切れない。
でも、このまま放置する訳にもいかないので一先ず手紙の封を切った。
『私の体』と表記していることから、差出人は本物のリディアみたいだけど……一体、どんなことが書かれているのかしら?
などと思いつつ、私は封筒の中から便箋を取り出す。
そして、一思いに内容を確認すると────そこには、
『私の体に憑依してしまった方へ
突然このような事態に巻き込んでしまい、ごめんなさい
でも、もう限界なの……全部疲れた
だから、貴方に私の体をあげる
好きに使ってくれて、構わないわ
ただ、一つだけ……可能であれば、色んな人に愛される人へなってほしい
私はどう頑張っても、そういう人になれなかったから……
貴方の第二の人生が、幸福で溢れていることを願うわ
リディア・ルース・グレンジャーより』
と、とても丁寧な筆跡で綴られていた。
その一文一文、一文字一文字が切なくて……強く胸を締め付けられる。
私はじわりと目に涙を滲ませながら、手紙を抱き締めた。
一体、どんな気持ちでこの手紙を書いたのかしら?
少なくとも、愉快な気分ではなかったわよね。
きっと、何度も何度も迷って……躊躇って……書き直した筈よ。
リディアの苦しみを思うと、やるせない気持ちでいっぱいになるわ。
まだ幼く小さな体を見下ろし、私は『何でこんなことに……』と嘆く。
悩んだ末に出した結論だと理解していても、やはりとても悲しかった。
十歳にも満たないであろう子供が、自らの人生を諦めるだなんて……。
もし、私が傍に居たら……絶対、一人にさせないのに。
『貴方は尊重されるべき存在で、不幸に耐え凌ぐ必要はない』って……『私と一緒に幸せな日々を送ろう』って、言ったのに。
世界が違うのだからしょうがないんだろうけど、でも……憑依する前に出会いたかった
こんな手紙越しじゃなくて……きちんとお互いの顔を見て。
胸に抱いた手紙をそっと持ち上げ、私は改めて文面に目を通した。
瞼の裏に焼きつけるように、何度も何度も……。
ポロポロと大粒の涙を流しながら。
後悔や虚しさが胸中に渦巻く中、私はおもむろに前を向く。
すると、鏡越しに紫髪の美少女と目が合った。
言いたいことも、やってあげたいことも沢山あるけど────それは後に取っておく。
せっかく貰った第二の人生、無駄には出来ないから。
『本当は天国に居る貴方の元まで飛んでいきたいのだけどね』と肩を竦め、私は鏡越しにあの子へ触れた。
タンザナイトの瞳を真っ直ぐ見つめ返し、微かに笑う。
「リディア・ルース・グレンジャーの体と命、確かに頂戴しました。貴方の願いを叶えて必ず幸せになるから、どうか見ていて。後悔はさせないから」
確かな意志と覚悟を持って宣言し、私は止めどなく溢れる涙を手で拭った。
『いつか、私に人生を預けて正解だったと思って貰えるよう頑張ろう』と、意気込みながら。
────こうして、私は山下朱理としての人生を終え、新たにリディア・ルース・グレンジャーの人生を送ることになった……のだが、問題は山積みだった。
どういう訳か、皆よそよそしいのよね。
私の扱いに困っているというか……。
家族に関しては、一切接点なしだし。
執事曰く、父の公爵は仕事で外出中。兄の小公爵は、その付き添い。母の公爵夫人は体調不良により、寝込んでいるらしい。
『公爵夫人も前世の私と同様に病弱なのかな?』と思いつつ、私は身を起こす。
少し乱れた髪を手櫛で整え、ピョンッとベッドから飛び降りた。
「このままじゃ、ダメよね。部屋に閉じ籠っていても、何も始まらない。行動あるのみよ」
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