2 / 98
第一章
お見舞い
しおりを挟む
「まずは、手始めに────公爵夫人ルーナ・ヴァイス・グレンジャーのお見舞いに行きましょう」
一番近い場所に居る上、同性なので『直ぐに仲良くなれるだろう』と判断する。
安直かもしれないが、今考えられる最善策はこれだった。
『お見舞いに手ぶらはダメよね』と思案しながらベルを鳴らし、侍女達に来てもらう。
そして、素早く身支度を済ませると、庭師に頼んでピンクのカーネーションを一輪見繕ってもらった。
綺麗なお花を見て、少しでも元気になってくれるといいな。
などと思いつつ、私は公爵夫人の居る部屋まで足を運ぶ。
逸る気持ちを押さえて一度深呼吸する私は、意を決して扉を叩いた。
「リディアです。体調を崩していると聞き、お見舞いに来ました。中に入っても、よろしいでしょうか?」
出来るだけ落ち着いた声色でお伺いを立て、私は相手の返答を待つ。
────が、一分経ってもリアクションなし。
一瞬、『寝ているのか?』とも思ったが……耳を澄ませば、人の話し声や物音が聞こえる。
着替え中……?なら、出直した方が……。
女性の準備は時間が掛かるため、急かすような真似をしたくなかった。
なので、私は扉越しに『日を改めます』と告げようとする。
その瞬間────
「入って」
────という硬い声と共に、扉が開いた。
部屋の中には、明らかに不機嫌そうな侍女と困ったような表情を浮かべる美女の姿が……。
残念ながら、歓迎はされてないみたいね。
『突撃訪問はやはり失礼だったかしら?』と思案しつつ、一先ず部屋の中へ足を踏み入れる。
すると、侍女が勢いよく扉を閉めた。
ガチャン!と大きな音が鳴り響く中、彼女は銀色の刺繍が施された侍女服を揺らしてベッドに駆け寄る。
まるで、私から公爵夫人を守るかのように。
ベッドに眠る金髪の美女へ寄り添い、キッとこちらを睨みつけた。
明らかな敵意を孕んだ海色の瞳を前に、私は戸惑う。
あら……なんだか、凄く嫌われているようね。
憎悪や嫌悪を剥き出しにする侍女に、私はどう反応すればいいのか分からなかった。
山下朱理だった頃も含めて、他人にここまで嫌われた経験はないから。
『まず、人と関わる機会自体少なかったしね……』と思い返す中、ベッドで横たわる公爵夫人が身を起こす。
「こちらへ、いらっしゃい。そこでは、冷えるでしょう?」
侍女の威嚇により出口付近で固まる私を見兼ねてか、公爵夫人は助け船を出してくれた。
『おいで』と手招きする彼女に一つ頷き、私はベッドに近づく。
距離が縮まっていくのに比例して、侍女の視線はどんどん鋭くなるが……気づかないフリをした。
どうして、こんなに警戒されているのかしら?
娘が母の見舞いに来るのは、別におかしいことじゃないと思うけど。
どうにも噛み合わない……というか、理解出来ない反応に私は内心首を傾げる。
出来れば、その態度の真意を問いたいところだが……嫌われた人にどう接すればいいのか分からないため、断念した。
『後で嫌われた時の対処方法を学んでおこう』と心に決め、ベッドの前で足を止める。
「こちらささやかですが、お見舞いの品です」
そう言って、私は持ってきたピンクのカーネーションを差し出した。
「庭師に一番綺麗なものを選んでもらったんです。良ければ、お部屋に飾っ……」
「貴方からの贈り物なんて、受け取る訳ないでしょう!どんな細工をされているか、分かったものじゃない!」
『飾ってください』と続ける筈だった言葉を遮り、侍女は噛み付いてくる。
今にも殴り掛かってきそうな勢いでこちらに詰め寄り、目を吊り上げた。
後ろでお団子にした黒髪を振り乱す彼女の前で、私はただただ呆然とする。
何故、ここまで過剰反応されるのか分からなかったから。
「そんなものさっさと持ち帰ってください!貴方の手に触れたものなんて、触りたくもない!」
細い目をカッと見開き、こちらを凝視する侍女は『穢らわしい!』と吐き捨てた。
とてもじゃないが、公爵令嬢に対する態度とは思えない……。
貴族社会なんてよく分からないけど、でも……酷い対応を取っていい相手じゃないのは、分かる。
もしかして、リディアはこういう対応に嫌気が差して憑依を実行したのかしら?
だとしたら……あまりにも可哀想だわ。
幼子に向けるには重すぎる悪意に、胸を痛める。
一体、リディアはどんな気持ちで過ごしてきたのだろう?と考えながら。
手紙に書かれていた『もう全部疲れた』の文字が、脳裏に思い浮かぶ中────
「おやめなさい、アイリス」
────と、公爵夫人は侍女を諌めた。
ムーンストーンを連想させる透き通った瞳に強い意志を宿し、彼女は厳しい顔つきに変わる。
先程まであった儚げな雰囲気は、どこかへ消え去り……公爵夫人としての威厳を放っていた。
『人って、こんなに印象が変わるものなのか』と驚いていると、侍女────改めアイリスが顔を歪める。
「ですが、奥様……!」
「この子に罪はないわ。貴方だって、分かっているでしょう?」
「っ……!」
「大人の事情に子供を巻き込む訳には、いかないわ」
優しく諭すような口調でありながらどこか迫力のある公爵夫人の説得に、アイリスは口を噤む。
返す言葉が見つからないのか、悔しげに歯を食いしばると……渋々後ろへ下がった。
「私を想っての行動なのは、重々承知しているわ。ありがとう。でも、この子に優しくしてあげて」
「……善処します」
言外に『難しい』と言ってのけたアイリスに、公爵夫人は困ったような表情を浮かべる。
でも、それ以上言及することはなかった。
この場に何とも言えない空気が流れる中、公爵夫人はこちらに向き直る。
「騒がしくしてしまって、ごめんなさいね。あと、お花ありがとう。とっても、嬉しいわ」
緩やかなカールが掛かった金髪を耳に掛け、身を乗り出す彼女は私の手から花を受け取った。
ソレをそっと顔に近づけ、『いい香りね』と笑う彼女に、私はホッと胸を撫で下ろす。
侍女のアイリスが過剰反応していたものだから、公爵夫人とリディアの仲は険悪なのかと思っていたけど、意外と大丈夫そうね。
やっぱり、家族のお見舞いは嬉しいものなのだろう。
私も両親がお見舞いに来てくれた時は、いつもはしゃいでいたからよく分かるわ。
前世の記憶を引っ張り出し、『家族の顔を見るだけで嬉しくなるのよね』と頬を緩める。
出来ることなら、雑談の一つでもして行きたいところだが……体調不良の人に負担を掛ける訳にもいかないので、諦めた。
『アイリスに睨まれながら話すのも、落ち着かないし』と思い、私は早々に退散を決断する。
「喜んで頂けて、何よりです。長居するのはご迷惑かと思いますので、私はこれで……お母様の体調が快方に向かわれることを、心よりお祈りしていますわ」
当たり障りのない挨拶を口にした私は、ニッコリ笑って頭を下げた。
その瞬間────場の空気が凍る。
ビックリして顔を上げると、顔面蒼白の公爵夫人が目に入った。
えっ?もしかして、失言でもした?
もしくは、大事なことを言い忘れたとか?
『ごきげんようって、言った方が良かったかな?』と真剣に思い悩む中────アイリスが、こちらを凝視する。
まるで、信じられないものを見るような目つきで……。
「お、お……お母様ですって?貴方、ふざけているの……?」
「えっ?」
娘なら当然の発言だと思っていた単語を指摘され、私は困惑する。
何がいけなかったのか、皆目見当もつかず……ひたすら視線をさまよわせた。
『ママの方が良かったのか?』と変な方向へ思考を動かしていると、公爵夫人が声を荒らげる。
「アイリス、待って……!それは……!」
慌てた様子でベッドから降り、彼女はアイリスの口を塞ごうと手を伸ばした。
────が、間一髪のタイミングで間に合わず……
「貴方は────奥様の子じゃないのよ……!」
アイリスに発言を許してしまう。
その瞬間、公爵夫人は『嗚呼……』と声を漏らし、床に崩れ落ちた。
一番近い場所に居る上、同性なので『直ぐに仲良くなれるだろう』と判断する。
安直かもしれないが、今考えられる最善策はこれだった。
『お見舞いに手ぶらはダメよね』と思案しながらベルを鳴らし、侍女達に来てもらう。
そして、素早く身支度を済ませると、庭師に頼んでピンクのカーネーションを一輪見繕ってもらった。
綺麗なお花を見て、少しでも元気になってくれるといいな。
などと思いつつ、私は公爵夫人の居る部屋まで足を運ぶ。
逸る気持ちを押さえて一度深呼吸する私は、意を決して扉を叩いた。
「リディアです。体調を崩していると聞き、お見舞いに来ました。中に入っても、よろしいでしょうか?」
出来るだけ落ち着いた声色でお伺いを立て、私は相手の返答を待つ。
────が、一分経ってもリアクションなし。
一瞬、『寝ているのか?』とも思ったが……耳を澄ませば、人の話し声や物音が聞こえる。
着替え中……?なら、出直した方が……。
女性の準備は時間が掛かるため、急かすような真似をしたくなかった。
なので、私は扉越しに『日を改めます』と告げようとする。
その瞬間────
「入って」
────という硬い声と共に、扉が開いた。
部屋の中には、明らかに不機嫌そうな侍女と困ったような表情を浮かべる美女の姿が……。
残念ながら、歓迎はされてないみたいね。
『突撃訪問はやはり失礼だったかしら?』と思案しつつ、一先ず部屋の中へ足を踏み入れる。
すると、侍女が勢いよく扉を閉めた。
ガチャン!と大きな音が鳴り響く中、彼女は銀色の刺繍が施された侍女服を揺らしてベッドに駆け寄る。
まるで、私から公爵夫人を守るかのように。
ベッドに眠る金髪の美女へ寄り添い、キッとこちらを睨みつけた。
明らかな敵意を孕んだ海色の瞳を前に、私は戸惑う。
あら……なんだか、凄く嫌われているようね。
憎悪や嫌悪を剥き出しにする侍女に、私はどう反応すればいいのか分からなかった。
山下朱理だった頃も含めて、他人にここまで嫌われた経験はないから。
『まず、人と関わる機会自体少なかったしね……』と思い返す中、ベッドで横たわる公爵夫人が身を起こす。
「こちらへ、いらっしゃい。そこでは、冷えるでしょう?」
侍女の威嚇により出口付近で固まる私を見兼ねてか、公爵夫人は助け船を出してくれた。
『おいで』と手招きする彼女に一つ頷き、私はベッドに近づく。
距離が縮まっていくのに比例して、侍女の視線はどんどん鋭くなるが……気づかないフリをした。
どうして、こんなに警戒されているのかしら?
娘が母の見舞いに来るのは、別におかしいことじゃないと思うけど。
どうにも噛み合わない……というか、理解出来ない反応に私は内心首を傾げる。
出来れば、その態度の真意を問いたいところだが……嫌われた人にどう接すればいいのか分からないため、断念した。
『後で嫌われた時の対処方法を学んでおこう』と心に決め、ベッドの前で足を止める。
「こちらささやかですが、お見舞いの品です」
そう言って、私は持ってきたピンクのカーネーションを差し出した。
「庭師に一番綺麗なものを選んでもらったんです。良ければ、お部屋に飾っ……」
「貴方からの贈り物なんて、受け取る訳ないでしょう!どんな細工をされているか、分かったものじゃない!」
『飾ってください』と続ける筈だった言葉を遮り、侍女は噛み付いてくる。
今にも殴り掛かってきそうな勢いでこちらに詰め寄り、目を吊り上げた。
後ろでお団子にした黒髪を振り乱す彼女の前で、私はただただ呆然とする。
何故、ここまで過剰反応されるのか分からなかったから。
「そんなものさっさと持ち帰ってください!貴方の手に触れたものなんて、触りたくもない!」
細い目をカッと見開き、こちらを凝視する侍女は『穢らわしい!』と吐き捨てた。
とてもじゃないが、公爵令嬢に対する態度とは思えない……。
貴族社会なんてよく分からないけど、でも……酷い対応を取っていい相手じゃないのは、分かる。
もしかして、リディアはこういう対応に嫌気が差して憑依を実行したのかしら?
だとしたら……あまりにも可哀想だわ。
幼子に向けるには重すぎる悪意に、胸を痛める。
一体、リディアはどんな気持ちで過ごしてきたのだろう?と考えながら。
手紙に書かれていた『もう全部疲れた』の文字が、脳裏に思い浮かぶ中────
「おやめなさい、アイリス」
────と、公爵夫人は侍女を諌めた。
ムーンストーンを連想させる透き通った瞳に強い意志を宿し、彼女は厳しい顔つきに変わる。
先程まであった儚げな雰囲気は、どこかへ消え去り……公爵夫人としての威厳を放っていた。
『人って、こんなに印象が変わるものなのか』と驚いていると、侍女────改めアイリスが顔を歪める。
「ですが、奥様……!」
「この子に罪はないわ。貴方だって、分かっているでしょう?」
「っ……!」
「大人の事情に子供を巻き込む訳には、いかないわ」
優しく諭すような口調でありながらどこか迫力のある公爵夫人の説得に、アイリスは口を噤む。
返す言葉が見つからないのか、悔しげに歯を食いしばると……渋々後ろへ下がった。
「私を想っての行動なのは、重々承知しているわ。ありがとう。でも、この子に優しくしてあげて」
「……善処します」
言外に『難しい』と言ってのけたアイリスに、公爵夫人は困ったような表情を浮かべる。
でも、それ以上言及することはなかった。
この場に何とも言えない空気が流れる中、公爵夫人はこちらに向き直る。
「騒がしくしてしまって、ごめんなさいね。あと、お花ありがとう。とっても、嬉しいわ」
緩やかなカールが掛かった金髪を耳に掛け、身を乗り出す彼女は私の手から花を受け取った。
ソレをそっと顔に近づけ、『いい香りね』と笑う彼女に、私はホッと胸を撫で下ろす。
侍女のアイリスが過剰反応していたものだから、公爵夫人とリディアの仲は険悪なのかと思っていたけど、意外と大丈夫そうね。
やっぱり、家族のお見舞いは嬉しいものなのだろう。
私も両親がお見舞いに来てくれた時は、いつもはしゃいでいたからよく分かるわ。
前世の記憶を引っ張り出し、『家族の顔を見るだけで嬉しくなるのよね』と頬を緩める。
出来ることなら、雑談の一つでもして行きたいところだが……体調不良の人に負担を掛ける訳にもいかないので、諦めた。
『アイリスに睨まれながら話すのも、落ち着かないし』と思い、私は早々に退散を決断する。
「喜んで頂けて、何よりです。長居するのはご迷惑かと思いますので、私はこれで……お母様の体調が快方に向かわれることを、心よりお祈りしていますわ」
当たり障りのない挨拶を口にした私は、ニッコリ笑って頭を下げた。
その瞬間────場の空気が凍る。
ビックリして顔を上げると、顔面蒼白の公爵夫人が目に入った。
えっ?もしかして、失言でもした?
もしくは、大事なことを言い忘れたとか?
『ごきげんようって、言った方が良かったかな?』と真剣に思い悩む中────アイリスが、こちらを凝視する。
まるで、信じられないものを見るような目つきで……。
「お、お……お母様ですって?貴方、ふざけているの……?」
「えっ?」
娘なら当然の発言だと思っていた単語を指摘され、私は困惑する。
何がいけなかったのか、皆目見当もつかず……ひたすら視線をさまよわせた。
『ママの方が良かったのか?』と変な方向へ思考を動かしていると、公爵夫人が声を荒らげる。
「アイリス、待って……!それは……!」
慌てた様子でベッドから降り、彼女はアイリスの口を塞ごうと手を伸ばした。
────が、間一髪のタイミングで間に合わず……
「貴方は────奥様の子じゃないのよ……!」
アイリスに発言を許してしまう。
その瞬間、公爵夫人は『嗚呼……』と声を漏らし、床に崩れ落ちた。
96
あなたにおすすめの小説
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい
鍋
恋愛
王太子の婚約者として、常に控えめに振る舞ってきたロッテルマリア。
尽くしていたにも関わらず、悪役令嬢として婚約者破棄、国外追放の憂き目に合う。
でも、実は転生者であるロッテルマリアはチートな魔法を武器に、ギルドに登録して旅に出掛けた。
新米冒険者として日々奮闘中。
のんびり冒険をしていたいのに、ヒロインは私を逃がしてくれない。
自身の目的のためにロッテルマリアを狙ってくる。
王太子はあげるから、私をほっといて~
(旧)悪役令嬢は年下Sランク冒険者の弟子になるを手直ししました。
26話で完結
後日談も書いてます。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
【完結】溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子から逃げ出したい~絶世の美女の悪役令嬢はオカメを被るが、独占しやすくて皇太子にとって好都合な模様~
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
平安のお姫様が悪役令嬢イザベルへと転生した。平安の記憶を思い出したとき、彼女は絶望することになる。
絶世の美女と言われた切れ長の細い目、ふっくらとした頬、豊かな黒髪……いわゆるオカメ顔ではなくなり、目鼻立ちがハッキリとし、ふくよかな頬はなくなり、金の髪がうねるというオニのような見た目(西洋美女)になっていたからだ。
今世での絶世の美女でも、美意識は平安。どうにか、この顔を見られない方法をイザベルは考え……、それは『オカメ』を装備することだった。
オカメ狂の悪役令嬢イザベルと、
婚約解消をしたくない溺愛・執着・イザベル至上主義の皇太子ルイスのオカメラブコメディー。
※執着溺愛皇太子と平安乙女のオカメな悪役令嬢とのラブコメです。
※主人公のイザベルの思考と話す言葉の口調が違います。分かりにくかったら、すみません。
※途中からダブルヒロインになります。
イラストはMasquer様に描いて頂きました。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる