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第二章
オークション《ルーシー side》
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どことなくこの状況を楽しんでいるフィリアに、私は一つ息を吐いた。
『こっちは真剣なのに……』と嘆きつつ、理由や目的を話す。
さすがに前世のことまでは言えなかったが、魔王を倒すためというのはきちんと説明した。
「なるほどね。つまり────私達の作る妖精結晶が必要で接触を図ってきた、と?」
「はい。それがあれば、ギフトの効果を高められて有利になりますから」
『まさにチートアイテム』と語り、私はじっとフィリアを見つめる。
そして────
「妖精結晶狙いで、接触したことは謝ります。ごめんなさい。でも、どうしても必要なんです。だから、どうか妖精結晶を恵んでください」
────と、ダメ元で頼んでみた。
深々と頭を下げ、懇願する私は『やっぱりダメかな……』と思案する。
悪意や敵意がなかったにしろ、相手を利用しようとした事実は変わらないから。
『普通は不快に思うよね……』と落胆していると、不意に頭を撫でられた。
「────いいわよ、あげても」
「えっ……!?」
半分諦めていたところにまさかのOKを貰い、私は反射的に顔を上げた。
すると、穏やかに微笑むフィリアの姿が目に入る。
「ただし────今日一日、私と学園祭を回ること。それが妖精結晶を渡す条件」
『正門までの案内じゃ、割に合わないわ』と言い、フィリアは要求を変えてきた。
まあ、そんなの誤差でしかないが。
だって、こっちは今日のためにありとあらゆる人の誘いを断ってきたのだから。
四日間全部を捧げるくらいの気概だったため、一日くらい屁でもない。
むしろ、お釣りが来るくらいだ。
「あ、ありがとうございます!喜んでご案内致します!」
「ふふふっ。よろしくね」
口元に手を当て上品に笑うフィリアは、そっと私の手を取った。
「じゃあ、まずはどこから案内してもらおうかしら?」
「この時間帯だと、どこも混んでいると思いますが……個人発表の方なら、まだマシかな?」
一年生から順番に発表していくシステムのため、初日は注目度が低い。
何故なら、期待の新人を探そうと躍起になる人が少ないから。
私が言うのもなんだけど、一年生の作品は全体的にクオリティ低いからね。
まだ学園に入ったばかり、というのもあって。
そのため、オークションや論文発表に参席するのは保護者くらい。
「そう。なら、そこへ行きましょう」
「分かりました。では、ここからだとオークション会場の方が近いので、論文発表は後回しにしますね」
「ええ」
『細かいところは任せる』とでも言うように、フィリアは首を縦に振る。
はぐれないようギュッと手を握ってくる彼女に、私はニッコリと微笑んだ。
『こっちです』と言いながら校舎裏を抜け出し、オークション会場である別館へ向かう。
「あっ、着きましたよ」
サーカスっぽく飾り立てられた建物を指さし、私はチラリと後ろを振り返った。
すると、怪訝そうな表情のフィリアが目に入る。
「確かに人はまばらだけど……なんか凄い盛り上がっているわね」
「目玉商品でも出たのかもしれませんね」
ゲームでもこういった描写があったため、私は大して気にせず中へ足を踏み入れた。
と同時に、頬を引き攣らせる。
だって、騒がしい理由が分かってしまったから。
「またリディア関係か……」
『はぁ……』と深い溜め息を零し、呆れ返る私は一先ず観客席へ向かった。
「あら、前の方じゃなくていいの?」
「あっちはオークション参加者の席です。ほら、全員番号札を持っているでしょう?」
『ただ観戦するだけならこっち』ということを説明し、私は後方の立見席へ誘導した。
案外素直に従うフィリアは壁を背に、ステージの方をじっと見つめる。
「ねぇ、あれってただのブレスレット……よね?」
「……そうですね」
「どうして、あんなに競売が長引いているの?」
通常競売は余程の人気商品でもなければ、一分と経たずに終わる。
なので、不思議がっているのだろう。
『あのブレスレットにそれほどの価値があるのか?』と。
「アレを作ったのが、人気のある生徒だからですよ」
「えっ?たったそれだけで、あんな金額に?」
『人間の文化に疎い私でも大金って、分かるわよ?』と言い、フィリアは困惑を露わにした。
その間にも競売は進んでいき、やがて一人……また一人と落札を諦めていく。
でも、ある二組だけは絶対に番号札を下ろそうとしなかった。
「二億金貨」
「二億一千万金貨」
「二億二千万金貨だ」
到底ブレスレットにつくことはないだろう金額に、さすがの私も驚く。
いくらリディアの手作りとはいえ、そこまでして手に入れたいか?と。
いや、ちょっと待って!?ニクス、貴方はもう貰っているでしょ!
両親に分けても、余る程度には!
だから、さっさと諦めなさいよ!?
二組のうちの一つであるグレンジャー公爵家を見つめ、私は『何やってんの!?』と頭を抱えた。
『リディアラブにも程がある』と呆れる中、ニクス達は勝負へ出る。
「五億金貨」
二億の倍はある金額を提示し、彼らはゴクリと喉を鳴らした。
恐らく、それが今動かせる最大金額なのだろう。
対するお相手はと言うと、
「────じゃあ、十億金貨で」
涼しい顔で、更にその倍の金額を口にした。
まだまだ余裕のありそうな彼を前に、ニクス達はガクリと項垂れる。
すっかり意気消沈しながら番号札を下ろし、素直に敗北を認めた。
────と、ここで司会者が声を上げる。
「えー……これ以上の金額はもう出なさそうなので、リディア・ルース・グレンジャーの作品は十億金貨で落札となります。番号札二番の方、おめでとうございます」
困惑しながらも何とか仕事をこなし、司会者は────レーヴェンに向かって、拍手した。
それを合図に、会場内は祝福の声で溢れる。
ようやく幕を閉じた、札束の……いや、金貨の殴り合いに感動を覚えているのかもしれない。
私達が来る前から、殴り合っていたもんね。
思わず大袈裟な反応をしちゃうのも、分かる気がする。
「それにしても、十億か……下世話な話だけど、それだけあれば一生遊んで暮らせるよ、孫の孫の代まで」
「あら、それは凄いわね」
「いや、あくまで人間基準ですからね?」
素直に感心するフィリアへ、私は慌てて訂正を入れる。
妖精基準で考えられたら、困ると思って。
「それより、これからどうします?論文発表の方へ行きましょうか?」
金銭感覚も価値観も違うフィリアにオークションは退屈かと思い、移動を提案した。
が、何故か首を横に振られる。
「いいえ、もうちょっとここに残るわ」
「えっ?いや、別にいいですけど……楽しいですか?」
「ええ、とても興味深いわ。物の性能より、作り手に価値を見出すところとか。やっぱり、人間って可愛らしい種族よね」
知的好奇心を擽られたのか、フィリアはオークションに釘付けである。
恐らく心躍るような楽しさはないものの、新たな学びや気づきを得る面白さはあるのだろう。
『こっちは真剣なのに……』と嘆きつつ、理由や目的を話す。
さすがに前世のことまでは言えなかったが、魔王を倒すためというのはきちんと説明した。
「なるほどね。つまり────私達の作る妖精結晶が必要で接触を図ってきた、と?」
「はい。それがあれば、ギフトの効果を高められて有利になりますから」
『まさにチートアイテム』と語り、私はじっとフィリアを見つめる。
そして────
「妖精結晶狙いで、接触したことは謝ります。ごめんなさい。でも、どうしても必要なんです。だから、どうか妖精結晶を恵んでください」
────と、ダメ元で頼んでみた。
深々と頭を下げ、懇願する私は『やっぱりダメかな……』と思案する。
悪意や敵意がなかったにしろ、相手を利用しようとした事実は変わらないから。
『普通は不快に思うよね……』と落胆していると、不意に頭を撫でられた。
「────いいわよ、あげても」
「えっ……!?」
半分諦めていたところにまさかのOKを貰い、私は反射的に顔を上げた。
すると、穏やかに微笑むフィリアの姿が目に入る。
「ただし────今日一日、私と学園祭を回ること。それが妖精結晶を渡す条件」
『正門までの案内じゃ、割に合わないわ』と言い、フィリアは要求を変えてきた。
まあ、そんなの誤差でしかないが。
だって、こっちは今日のためにありとあらゆる人の誘いを断ってきたのだから。
四日間全部を捧げるくらいの気概だったため、一日くらい屁でもない。
むしろ、お釣りが来るくらいだ。
「あ、ありがとうございます!喜んでご案内致します!」
「ふふふっ。よろしくね」
口元に手を当て上品に笑うフィリアは、そっと私の手を取った。
「じゃあ、まずはどこから案内してもらおうかしら?」
「この時間帯だと、どこも混んでいると思いますが……個人発表の方なら、まだマシかな?」
一年生から順番に発表していくシステムのため、初日は注目度が低い。
何故なら、期待の新人を探そうと躍起になる人が少ないから。
私が言うのもなんだけど、一年生の作品は全体的にクオリティ低いからね。
まだ学園に入ったばかり、というのもあって。
そのため、オークションや論文発表に参席するのは保護者くらい。
「そう。なら、そこへ行きましょう」
「分かりました。では、ここからだとオークション会場の方が近いので、論文発表は後回しにしますね」
「ええ」
『細かいところは任せる』とでも言うように、フィリアは首を縦に振る。
はぐれないようギュッと手を握ってくる彼女に、私はニッコリと微笑んだ。
『こっちです』と言いながら校舎裏を抜け出し、オークション会場である別館へ向かう。
「あっ、着きましたよ」
サーカスっぽく飾り立てられた建物を指さし、私はチラリと後ろを振り返った。
すると、怪訝そうな表情のフィリアが目に入る。
「確かに人はまばらだけど……なんか凄い盛り上がっているわね」
「目玉商品でも出たのかもしれませんね」
ゲームでもこういった描写があったため、私は大して気にせず中へ足を踏み入れた。
と同時に、頬を引き攣らせる。
だって、騒がしい理由が分かってしまったから。
「またリディア関係か……」
『はぁ……』と深い溜め息を零し、呆れ返る私は一先ず観客席へ向かった。
「あら、前の方じゃなくていいの?」
「あっちはオークション参加者の席です。ほら、全員番号札を持っているでしょう?」
『ただ観戦するだけならこっち』ということを説明し、私は後方の立見席へ誘導した。
案外素直に従うフィリアは壁を背に、ステージの方をじっと見つめる。
「ねぇ、あれってただのブレスレット……よね?」
「……そうですね」
「どうして、あんなに競売が長引いているの?」
通常競売は余程の人気商品でもなければ、一分と経たずに終わる。
なので、不思議がっているのだろう。
『あのブレスレットにそれほどの価値があるのか?』と。
「アレを作ったのが、人気のある生徒だからですよ」
「えっ?たったそれだけで、あんな金額に?」
『人間の文化に疎い私でも大金って、分かるわよ?』と言い、フィリアは困惑を露わにした。
その間にも競売は進んでいき、やがて一人……また一人と落札を諦めていく。
でも、ある二組だけは絶対に番号札を下ろそうとしなかった。
「二億金貨」
「二億一千万金貨」
「二億二千万金貨だ」
到底ブレスレットにつくことはないだろう金額に、さすがの私も驚く。
いくらリディアの手作りとはいえ、そこまでして手に入れたいか?と。
いや、ちょっと待って!?ニクス、貴方はもう貰っているでしょ!
両親に分けても、余る程度には!
だから、さっさと諦めなさいよ!?
二組のうちの一つであるグレンジャー公爵家を見つめ、私は『何やってんの!?』と頭を抱えた。
『リディアラブにも程がある』と呆れる中、ニクス達は勝負へ出る。
「五億金貨」
二億の倍はある金額を提示し、彼らはゴクリと喉を鳴らした。
恐らく、それが今動かせる最大金額なのだろう。
対するお相手はと言うと、
「────じゃあ、十億金貨で」
涼しい顔で、更にその倍の金額を口にした。
まだまだ余裕のありそうな彼を前に、ニクス達はガクリと項垂れる。
すっかり意気消沈しながら番号札を下ろし、素直に敗北を認めた。
────と、ここで司会者が声を上げる。
「えー……これ以上の金額はもう出なさそうなので、リディア・ルース・グレンジャーの作品は十億金貨で落札となります。番号札二番の方、おめでとうございます」
困惑しながらも何とか仕事をこなし、司会者は────レーヴェンに向かって、拍手した。
それを合図に、会場内は祝福の声で溢れる。
ようやく幕を閉じた、札束の……いや、金貨の殴り合いに感動を覚えているのかもしれない。
私達が来る前から、殴り合っていたもんね。
思わず大袈裟な反応をしちゃうのも、分かる気がする。
「それにしても、十億か……下世話な話だけど、それだけあれば一生遊んで暮らせるよ、孫の孫の代まで」
「あら、それは凄いわね」
「いや、あくまで人間基準ですからね?」
素直に感心するフィリアへ、私は慌てて訂正を入れる。
妖精基準で考えられたら、困ると思って。
「それより、これからどうします?論文発表の方へ行きましょうか?」
金銭感覚も価値観も違うフィリアにオークションは退屈かと思い、移動を提案した。
が、何故か首を横に振られる。
「いいえ、もうちょっとここに残るわ」
「えっ?いや、別にいいですけど……楽しいですか?」
「ええ、とても興味深いわ。物の性能より、作り手に価値を見出すところとか。やっぱり、人間って可愛らしい種族よね」
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