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第三章
憑依の謎
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「ふ~ん?ちなみに二人は誰に恋をしていたんだい?」
疑似恋愛のゲームということで、レーヴェン殿下は『誰が好きなの?』と質問を投げ掛けてきた。
その途端、兄とリエート卿が顔を上げる。
興味津々といった様子の彼らを前に、私とルーシーさんは顔を見合わせた。
「えっと、私は箱推し……じゃなくて全員のファンだったから、一人には絞れないかも」
「私はプレイする前に亡くなってしまったので、何とも……あっ、でもお三方とも格好いいなとは思っていました」
『パッケージイラストが本当に素敵で』と語ると、三人は少しばかり表情を緩めた。
外見を褒められるのは、悪い気がしないらしい。
『見る目がある』と満足そうな彼らを他所に、ノクターン皇帝陛下はチラリとこちらを見つめる。
「ところで、本物のリディア嬢は悪役令嬢という配役だったらしいが、何故ルーシー嬢を……ヒロインを虐げるようになったんだ?」
『そんな必要はないと思うが……』と頭を捻り、ノクターン皇帝陛下は不思議そうな表情を浮かべた。
身分も外見も能力も優れているリディアが、何故そうまでしてヒロインを排除しようとしたのか分からないのだろう。
『危害を加えられた訳じゃ、あるまいし……』と戸惑う彼に対し、ルーシーさんは曖昧に微笑んだ。
「実を言うと、詳しいことは私にも分かりません。ただ、ゲームの行動や公式ファンブック……えっと、ゲームの設定資料に載っていた情報を見るに、リディアの根本にあるのは────『愛されたい』という渇望だと思います」
『その手紙にも愛されたい願望が滲み出ていましたし』と付け加えつつ、ルーシーさんはそっと目を伏せた。
そして少し考え込むような動作を見せ、躊躇いがちに顔を上げる。
「私の推測も入っているので、確かではありませんが……」
「それでも構わない」
「分かりました。では、ルート別にご説明します」
ノクターン皇帝陛下の言葉で踏ん切りがついたのか、ルーシーさんは表情から迷いを消した。
と同時に、背筋を伸ばす。
「まずニクスルートの場合ですが、こちらは単純に────自分の家族を取られたくなかったからだと思います。あと、少し嫉妬も入っているかと。何故、家族じゃないあの女が愛され、求められているのか?という……」
少し暗い声色で言葉を紡ぎ、ルーシーさんはそっと眉尻を下げた。
きっと、本物のリディアの気持ちに共感しているのだろう。
「また、リエートルートの場合は────初恋の人を取られたくなかったから……ですかね?」
「は、初恋の人……!?」
反射的に聞き返すリエート卿は、僅かに身を乗り出した。
ほんのり頬を赤く染める彼の前で、ルーシーさんはコクリと頷く。
「はい。これは公式ファンブックに載っていた情報なんですが、本物のリディアの初恋は七歳の頃……自分の誕生日パーティーで、唯一親切にしてくれたリエートを好きになったらしいです。なので、恋敵とも言えるヒロインに意地悪したんじゃないでしょうか?」
思ったより普通の……実に女の子らしい動機に、私は少し驚く。
だって、私の中のリディアは理知的で……大人っぽい印象だったから。
『ちゃんと女の子なんだな』と実感し、私は頬を緩めた。
ヒロインへの意地悪はいただけないけど、その感情自体はとても素敵に思える。
『いつか、リディアと恋バナしたいな』なんて考えていると、ルーシーさんが腰に手を当てる。
「それで、レーヴェンルートの場合は────皇太子妃になり、家に貢献したかったからだと思います。その上で、ヒロインという存在は凄く邪魔だったのかと」
「私だけ、随分と淡白な理由だね」
『ちょっと残念』とでも言うように、レーヴェン殿下は肩を竦める。
────と、ここでノクターン皇帝陛下が顔を上げた。
「説明感謝する」
「いえ、こちらこそご清聴ありがとうございました」
胸元に手を添えてお辞儀するルーシーさんは、ゆっくりとソファに腰を下ろす。
『話は以上だ』とでも言うように。
再び静かになった室内を前に、ノクターン皇帝陛下は顎に手を当てた。
「とりあえずルーシー嬢の虚言についてだが、こちらも不問とする。多少問題はあるが、実際未来を知っている訳だからな。もしかしたら、前世を覚えていること自体が『光の乙女』の能力によるものかもしれん。罰するには、いささか無理がある」
無罪放免を言い渡すノクターン皇帝陛下に、私はパッと表情を明るくした。
『良かった!』と自分のことのように喜びながら、安堵の息を吐く。
もし、重い罰を与えられていたら罪悪感で胸が押し潰されそうになっていただろうから。
「まあ、それはそれとして……」
カチャリと眼鏡を押し上げ、僅かに身を乗り出す兄はルーシーさんへ視線を向けた。
何か聞きたいことでもあるのか、気難しい表情を浮かべている。
「特待生の話を聞く限り、リディアの憑依はゲームにもなかった展開なんだよな?何故、いきなり魔王はそんなことを?」
『明らかにおかしいだろ』と指摘する兄に、ルーシーさんは困ったような顔でこう答えた。
「それは私にも分かりません。ただ────魔王は毎回違う行動を取っていたから、ゲームのシナリオにこそ憑依展開はなかったものの、設定上は有り得る……かも?」
「どういうことだ?」
『もっと詳しく話してみろ』と促す兄に対し、ルーシーさんは躊躇いがちに頷く。
「えっと、シュミレーションゲームは基本プレイヤーの選択によって、変化していくものなんだけど、魔王ハデスはそんなのお構いなしというか……リセットする度、全く違う行動を取るんです。ゲームだからある程度パターン化されているとはいえ、こんなに自由奔放なキャラはなかなか居ない」
『この手のゲームでは、特に』と述べつつ、ルーシーさんは腕を組んだ。
かと思えば、ちょっと険しい顔つきになる。
「そのせいか、ファンの間では神出鬼没の仮面野郎ってあだ名が付いているんですよね。シナリオの大筋はほぼ同じなんだけど、魔王のせいで結構予定を狂わされることがあるから。私も欲しかったアイテムを取り損ねたり、攻略対象者の好感度が下がったりしましたもん」
『一体、どれだけ苦労したと思って……』と零し、ルーシーさんはギリギリと奥歯を噛み締めた。
どうやら、魔王には前世から因縁……というか、恨みがあるらしい。
『許しマジあの野郎……』と吐き捨てながら、ルーシーさんは一つ息を吐く。
と同時に、気持ちを切り替えた。
「まあ、とにかくそういうキャラだから幼いリディアに接触して、憑依を教えてもおかしくないってこと。そう考えれば、納得いく部分もあるし……」
「納得いく部分って?」
何の気なしに聞き返すリエート卿に、ルーシーさんは少しばかり言い淀む。
どこか思い詰めたような表情を浮かべ、両手を強く握り締めた。
「実はゲームのリディアと違って、今のリディアは一つギフトが足りないんです」
「「「!!」」」
雷にでも打たれたかのような衝撃を受け、兄達は一様に固まった。
ゆらゆらと瞳を揺らす彼らの前で、ルーシーさんは顎に手を当てて考え込む。
「それを知った時はバグか何かかと思ったけど、学園長のギフトの件を聞いて……もしかしたら、リディアは────自分のギフトを一つあげる代わりに、憑依のことについて教えてもらったのかもって考えていて……」
「そんなこと可能なのか……?」
「分かりません。ただ────魔王の持つギフトに、それらしいものが……」
呆然とする兄を見据え、ルーシーさんはグッとスカートを握り締めた。
かと思えば、こう言葉を続ける。
「会議でも何度か話しましたけど、魔王の持つギフトは全部で三つ────『超進化』『不老不死』『等価交換』。で、個人的にはこの『等価交換』が怪しいんじゃないかな~?と踏んでいます」
軽快な口調とは裏腹に緊張感を漂わせ、僅かに表情を強ばらせる。
いつになく口元に力を入れ、ルーシーさんは桜色の瞳に憂いを滲ませた。
「公式ファンブックでは、『両者が同じ価値だと定めたものを、何でも提供し合うことが出来るギフト。ただし、自分の所有物に限る』って書かれていました。つまり、自分の所有物であるギフトも効果対象に含まれるかも?ってことで……」
「「「!!?」」」
これでもかというほど大きく目を見開き、兄達は唖然とした。
しばらく何もない沈黙が続き、各々肩から力を抜いていく。
到底信じられない話のため、上手く呑み込めないようだ。
『ギフトを提供し合うなんて、普通は有り得ないものね』と思案する中、兄はそろそろと視線を上げた。
「いや、仮にそうだとして……当時のリディアは六歳だろう?まだ洗礼式を受ける前じゃないか」
疑似恋愛のゲームということで、レーヴェン殿下は『誰が好きなの?』と質問を投げ掛けてきた。
その途端、兄とリエート卿が顔を上げる。
興味津々といった様子の彼らを前に、私とルーシーさんは顔を見合わせた。
「えっと、私は箱推し……じゃなくて全員のファンだったから、一人には絞れないかも」
「私はプレイする前に亡くなってしまったので、何とも……あっ、でもお三方とも格好いいなとは思っていました」
『パッケージイラストが本当に素敵で』と語ると、三人は少しばかり表情を緩めた。
外見を褒められるのは、悪い気がしないらしい。
『見る目がある』と満足そうな彼らを他所に、ノクターン皇帝陛下はチラリとこちらを見つめる。
「ところで、本物のリディア嬢は悪役令嬢という配役だったらしいが、何故ルーシー嬢を……ヒロインを虐げるようになったんだ?」
『そんな必要はないと思うが……』と頭を捻り、ノクターン皇帝陛下は不思議そうな表情を浮かべた。
身分も外見も能力も優れているリディアが、何故そうまでしてヒロインを排除しようとしたのか分からないのだろう。
『危害を加えられた訳じゃ、あるまいし……』と戸惑う彼に対し、ルーシーさんは曖昧に微笑んだ。
「実を言うと、詳しいことは私にも分かりません。ただ、ゲームの行動や公式ファンブック……えっと、ゲームの設定資料に載っていた情報を見るに、リディアの根本にあるのは────『愛されたい』という渇望だと思います」
『その手紙にも愛されたい願望が滲み出ていましたし』と付け加えつつ、ルーシーさんはそっと目を伏せた。
そして少し考え込むような動作を見せ、躊躇いがちに顔を上げる。
「私の推測も入っているので、確かではありませんが……」
「それでも構わない」
「分かりました。では、ルート別にご説明します」
ノクターン皇帝陛下の言葉で踏ん切りがついたのか、ルーシーさんは表情から迷いを消した。
と同時に、背筋を伸ばす。
「まずニクスルートの場合ですが、こちらは単純に────自分の家族を取られたくなかったからだと思います。あと、少し嫉妬も入っているかと。何故、家族じゃないあの女が愛され、求められているのか?という……」
少し暗い声色で言葉を紡ぎ、ルーシーさんはそっと眉尻を下げた。
きっと、本物のリディアの気持ちに共感しているのだろう。
「また、リエートルートの場合は────初恋の人を取られたくなかったから……ですかね?」
「は、初恋の人……!?」
反射的に聞き返すリエート卿は、僅かに身を乗り出した。
ほんのり頬を赤く染める彼の前で、ルーシーさんはコクリと頷く。
「はい。これは公式ファンブックに載っていた情報なんですが、本物のリディアの初恋は七歳の頃……自分の誕生日パーティーで、唯一親切にしてくれたリエートを好きになったらしいです。なので、恋敵とも言えるヒロインに意地悪したんじゃないでしょうか?」
思ったより普通の……実に女の子らしい動機に、私は少し驚く。
だって、私の中のリディアは理知的で……大人っぽい印象だったから。
『ちゃんと女の子なんだな』と実感し、私は頬を緩めた。
ヒロインへの意地悪はいただけないけど、その感情自体はとても素敵に思える。
『いつか、リディアと恋バナしたいな』なんて考えていると、ルーシーさんが腰に手を当てる。
「それで、レーヴェンルートの場合は────皇太子妃になり、家に貢献したかったからだと思います。その上で、ヒロインという存在は凄く邪魔だったのかと」
「私だけ、随分と淡白な理由だね」
『ちょっと残念』とでも言うように、レーヴェン殿下は肩を竦める。
────と、ここでノクターン皇帝陛下が顔を上げた。
「説明感謝する」
「いえ、こちらこそご清聴ありがとうございました」
胸元に手を添えてお辞儀するルーシーさんは、ゆっくりとソファに腰を下ろす。
『話は以上だ』とでも言うように。
再び静かになった室内を前に、ノクターン皇帝陛下は顎に手を当てた。
「とりあえずルーシー嬢の虚言についてだが、こちらも不問とする。多少問題はあるが、実際未来を知っている訳だからな。もしかしたら、前世を覚えていること自体が『光の乙女』の能力によるものかもしれん。罰するには、いささか無理がある」
無罪放免を言い渡すノクターン皇帝陛下に、私はパッと表情を明るくした。
『良かった!』と自分のことのように喜びながら、安堵の息を吐く。
もし、重い罰を与えられていたら罪悪感で胸が押し潰されそうになっていただろうから。
「まあ、それはそれとして……」
カチャリと眼鏡を押し上げ、僅かに身を乗り出す兄はルーシーさんへ視線を向けた。
何か聞きたいことでもあるのか、気難しい表情を浮かべている。
「特待生の話を聞く限り、リディアの憑依はゲームにもなかった展開なんだよな?何故、いきなり魔王はそんなことを?」
『明らかにおかしいだろ』と指摘する兄に、ルーシーさんは困ったような顔でこう答えた。
「それは私にも分かりません。ただ────魔王は毎回違う行動を取っていたから、ゲームのシナリオにこそ憑依展開はなかったものの、設定上は有り得る……かも?」
「どういうことだ?」
『もっと詳しく話してみろ』と促す兄に対し、ルーシーさんは躊躇いがちに頷く。
「えっと、シュミレーションゲームは基本プレイヤーの選択によって、変化していくものなんだけど、魔王ハデスはそんなのお構いなしというか……リセットする度、全く違う行動を取るんです。ゲームだからある程度パターン化されているとはいえ、こんなに自由奔放なキャラはなかなか居ない」
『この手のゲームでは、特に』と述べつつ、ルーシーさんは腕を組んだ。
かと思えば、ちょっと険しい顔つきになる。
「そのせいか、ファンの間では神出鬼没の仮面野郎ってあだ名が付いているんですよね。シナリオの大筋はほぼ同じなんだけど、魔王のせいで結構予定を狂わされることがあるから。私も欲しかったアイテムを取り損ねたり、攻略対象者の好感度が下がったりしましたもん」
『一体、どれだけ苦労したと思って……』と零し、ルーシーさんはギリギリと奥歯を噛み締めた。
どうやら、魔王には前世から因縁……というか、恨みがあるらしい。
『許しマジあの野郎……』と吐き捨てながら、ルーシーさんは一つ息を吐く。
と同時に、気持ちを切り替えた。
「まあ、とにかくそういうキャラだから幼いリディアに接触して、憑依を教えてもおかしくないってこと。そう考えれば、納得いく部分もあるし……」
「納得いく部分って?」
何の気なしに聞き返すリエート卿に、ルーシーさんは少しばかり言い淀む。
どこか思い詰めたような表情を浮かべ、両手を強く握り締めた。
「実はゲームのリディアと違って、今のリディアは一つギフトが足りないんです」
「「「!!」」」
雷にでも打たれたかのような衝撃を受け、兄達は一様に固まった。
ゆらゆらと瞳を揺らす彼らの前で、ルーシーさんは顎に手を当てて考え込む。
「それを知った時はバグか何かかと思ったけど、学園長のギフトの件を聞いて……もしかしたら、リディアは────自分のギフトを一つあげる代わりに、憑依のことについて教えてもらったのかもって考えていて……」
「そんなこと可能なのか……?」
「分かりません。ただ────魔王の持つギフトに、それらしいものが……」
呆然とする兄を見据え、ルーシーさんはグッとスカートを握り締めた。
かと思えば、こう言葉を続ける。
「会議でも何度か話しましたけど、魔王の持つギフトは全部で三つ────『超進化』『不老不死』『等価交換』。で、個人的にはこの『等価交換』が怪しいんじゃないかな~?と踏んでいます」
軽快な口調とは裏腹に緊張感を漂わせ、僅かに表情を強ばらせる。
いつになく口元に力を入れ、ルーシーさんは桜色の瞳に憂いを滲ませた。
「公式ファンブックでは、『両者が同じ価値だと定めたものを、何でも提供し合うことが出来るギフト。ただし、自分の所有物に限る』って書かれていました。つまり、自分の所有物であるギフトも効果対象に含まれるかも?ってことで……」
「「「!!?」」」
これでもかというほど大きく目を見開き、兄達は唖然とした。
しばらく何もない沈黙が続き、各々肩から力を抜いていく。
到底信じられない話のため、上手く呑み込めないようだ。
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