10 / 17
009 暴露
しおりを挟む
「リズレット嬢、話がある。」
真剣な顔でレオナードはリズレットに向き合った。その顔には覚悟のようなものが見てとれる。
「…お話とはどのようなものでしょうか?」
「君の提案だが、私と君が友人というだけでは今回の件、無理があると思う。」
「……それ、今ここで言いますか。」
リズレットは小さく溜息をついた。
レオナードの言葉にランドリックはどういう事なのかと視線で訴えて来る。
「それで、殿下はどのようにしたいと考えておいでなのですか?そもそも、ランドリック様は殿下のお気持ちをご存じなので?」
「いや、それは言ってなかった。」
言葉の語尾が小さくなりレオナードはランドリックに向き直る。
「ランドリック、私は父上や兄上の力になりたくてここまで来た。」
「存じておりますとも殿下。」
ランドリックは立ち上がって臣下の礼を取る。
「私は、王となる兄を支えたい。その為に力を貸してくれないか。」
「…殿下、確かに順当にいけば兄君が王となるのは当然の事。しかし、兄君を支持する者は少ないという事もご理解されていますか。」
「分かっている。だけど、私は兄を廃そうという気持ちなど全く持っていないのだ。」
「では、ここに来たのは間違いでしたな。貴方が国の未来の為にとはいえ、動くべきではなかった。まず国王である陛下、そして次期国王となる兄君に相談なさるべき内容でした。ですがすでに動いてしまった以上…まさか。」
カシウスはここまで言ってリズレットを驚いたように見る。
リズレットの初めのころの態度と先ほど品物の説明をしていた態度では聞いていた噂と齟齬を感じたからだ。
「リズレット嬢、君に汚名を着せて全て無かった事にするなど私には出来ない。」
「では、どのように為さりたいとおっしゃるのですか?」
「私の婚約者になって欲しい。」
「………は?」
突然の婚約者宣言にリズレットは固まった。
「婚約者であれば屋敷を訪ねることに不都合はない。それに、私の事を案じてここまでしてくれる優しい君となら生涯を共に歩んでも良いと思う。」
権力目当てや物語の王子様を勝手に重ねて気持ちを押し付けてくる令嬢を数多く見て来たレオナードにとってリズレットは斬新な令嬢だった。
初めて出会った時には男であると信じて疑わない程に完ぺきに成りきっていた。
しかし、女性であると知った今ではあの生き生きと大人顔負けに指示を出し、今もこうして心配してくれているリズレットであれば生涯を共に生きるのも悪くないと考えたのだ。
元々兄の婚約が決まり王位に就くまでは婚約者を持たないつもりだったレオナードだ。
婚約者の席は問題なく空いている。
「何か、勘違いをなさっているのではありませんか?私が提案したのはあくまで、父が治めているこの領地で問題が起こるのは困るからです。私であればすでに悪評は広がっていますし、貴族で懇意にしている友人もおりませんので、これ以上私の評判は落ちようがないのですわ。」
「だけど、あの場所で震える私に温かいミルクを出してくれた。先程も私を押し倒して演技でごまかしながらも私の顔色を見てくれたのだろう?君はとても優しいよ。」
「…それと、これとは話が別で。」
「私も兄を王位につけたい。だから君が婚約者になることで私に悪評が立つというのなら構わない。リズレット嬢、どうせ堕ちるなら、私と共に堕ちてくれ。」
レオナードはリズレットの手を取ってそう告げた。
「それは随分と斬新なお誘いですわね。ですが、婚約は殿下の一存では決められないでしょう。それに…。」
「リズ、ここまで殿下がおっしゃっているのだ。条件などと言える立場ではないのだぞ。」
アルフォンスがリズレットの言葉を遮る。
「条件?条件とは何のことだ。」
レオナードが押し黙ったリズレットを見て首を傾げた。
「娘は常々婚約話が持ち上がる度にある条件を告げて相手の方を困らせて来たのです。」
「どんな条件なのだ?」
「なんでも物語のような英雄が好きで、グリフォンの祝福を受けて婚約したいと。それにリズレットが出すものは何でも口にすることだったか?」
「お父様!」
思わずといった風にリズレットが声を上げた。
若干顔が青ざめているのはそういう理由かとレオナードは合点がいった。
「なるほど、そうやってリズレット嬢を軽んじている者たちを退けていたのだな。」
「殿下?」
「カシウス、我が王家の象徴として掲げている物は何だ?」
「グリフォンでございますね……なるほどグリフォンの祝福とは、そういう事でしたか。婚約を結ぶ際に貴族であれば国王の裁可を仰ぐのは当然の事。確かにあの様子のリズレット嬢を見れば誤解しても無理はありませんな。」
「本当の条件は最後の方なのだろう?それも問題なく達成しているな。」
レオナードはリズレットの差し出した物を毒見もなく口にした。
それはわざわざ助けに来てくれたリズレットが自分を害する理由がないからだ。
「ですが、婚約は…。」
「両親には私から伝えるさ。それに父の方針で兄も私も婚約者は自分で選んでよいと言われているのだ。問題はないだろう。」
がっくりと項垂れたリズレットはハタと思い出したように顔を上げた。
「そうだ、伝令が…。」
「ん?伝令とは何のことだ?」
「ランドリック様、伝令はすでに出してしまわれたのですよね。」
「あぁ、殿下が見つかってからすぐに見つかった事を伝えるように別の者を遣わせたが…。」
「殿下、ご両親を心配させてはいけませんわ。お手紙を書いて無事を知らせねば。」
「あぁ、勿論後で書こうと思っているが、なぜだ?」
「やはり、緊急であっても伝令以外の伝達方法は無いのですね。」
リズレットは面倒なことになったと頭を抱えた。
王族が行方不明になったのを知って第二王子派の貴族やレスター辺境伯爵領の急激な発展を妬んでいる貴族が動くと面倒だと感じたからだ。
領民にこれまで以上迫られても困るし、無理やり聞き出そうと動かれては困る。
本当は出したくないのだが、そうも言っていられない状況らしい。
すでに初めに向かった伝令が手紙をいくつか出していたという連絡がここに来る前に輝く星から報告として入ってきている。
「殿下、スクロールを書いたことは?」
「ある。だが、何でだ?」
「殿下が行方不明だと貴族が大勢押し寄せて来られても困るので先に手を打ちたいのです。」
「それは分かるがなぜスクロールなのだ?」
「…輝く星で使われている緊急の連絡手段の一つですわ。スクロールに書いた文字が光となって相手に情報を伝えますの。本当は出したくなかったのですが、そうも言っていられない状況ですので。」
「どういう事だ?」
「先の伝令が別の場所に手紙を送ったのです。きっと殿下が行方不明だと知らせる手紙でしょう。普通は任務中に私的な手紙など出さないはずですが。」
レオナードの周りについている護衛騎士は第二王子派に所属する者が当然多い。
だからこそ一大事だと手紙を送ったのだろうが、リズレットからすれば迷惑な話だ。
「分かった。手紙を書こう。」
レオナードが頷いたのでリズレットはポシェットから紙を取り出した。
その紙を見てまたランドリックが驚く。
「それはスクロールに使う羊皮紙ではないではないか。」
「えぇ、これは最近出回っている新しい紙と兄弟のようなもの。特殊な素材を使っているのと数があまりに少ないので外には出回らせていませんが。」
色々と聞きたげなランドリックに笑顔で何も答えるつもりはないと伝えて黙らせる。
「これに伝える相手の顔を思い浮かべながら魔力を込めて文字を書いてくださいませ。」
「だが、王都まではかなり離れているぞ?大丈夫なのか?」
「必要な魔力が溜まらないと発動しませんもの。問題はないでしょう。」
リズレットの言葉に首を傾げながらもレオナードはペンを走らせ始める。
魔力を回復させる物など存在しない。
傷を治すポーションが無いのと同じ理由だ。
時間経過で回復させるくらいしか魔力は回復手段がないのだ。
思った以上に魔力を持っていかれているのかレオナードは若干辛そうに見えた。
真剣な顔でレオナードはリズレットに向き合った。その顔には覚悟のようなものが見てとれる。
「…お話とはどのようなものでしょうか?」
「君の提案だが、私と君が友人というだけでは今回の件、無理があると思う。」
「……それ、今ここで言いますか。」
リズレットは小さく溜息をついた。
レオナードの言葉にランドリックはどういう事なのかと視線で訴えて来る。
「それで、殿下はどのようにしたいと考えておいでなのですか?そもそも、ランドリック様は殿下のお気持ちをご存じなので?」
「いや、それは言ってなかった。」
言葉の語尾が小さくなりレオナードはランドリックに向き直る。
「ランドリック、私は父上や兄上の力になりたくてここまで来た。」
「存じておりますとも殿下。」
ランドリックは立ち上がって臣下の礼を取る。
「私は、王となる兄を支えたい。その為に力を貸してくれないか。」
「…殿下、確かに順当にいけば兄君が王となるのは当然の事。しかし、兄君を支持する者は少ないという事もご理解されていますか。」
「分かっている。だけど、私は兄を廃そうという気持ちなど全く持っていないのだ。」
「では、ここに来たのは間違いでしたな。貴方が国の未来の為にとはいえ、動くべきではなかった。まず国王である陛下、そして次期国王となる兄君に相談なさるべき内容でした。ですがすでに動いてしまった以上…まさか。」
カシウスはここまで言ってリズレットを驚いたように見る。
リズレットの初めのころの態度と先ほど品物の説明をしていた態度では聞いていた噂と齟齬を感じたからだ。
「リズレット嬢、君に汚名を着せて全て無かった事にするなど私には出来ない。」
「では、どのように為さりたいとおっしゃるのですか?」
「私の婚約者になって欲しい。」
「………は?」
突然の婚約者宣言にリズレットは固まった。
「婚約者であれば屋敷を訪ねることに不都合はない。それに、私の事を案じてここまでしてくれる優しい君となら生涯を共に歩んでも良いと思う。」
権力目当てや物語の王子様を勝手に重ねて気持ちを押し付けてくる令嬢を数多く見て来たレオナードにとってリズレットは斬新な令嬢だった。
初めて出会った時には男であると信じて疑わない程に完ぺきに成りきっていた。
しかし、女性であると知った今ではあの生き生きと大人顔負けに指示を出し、今もこうして心配してくれているリズレットであれば生涯を共に生きるのも悪くないと考えたのだ。
元々兄の婚約が決まり王位に就くまでは婚約者を持たないつもりだったレオナードだ。
婚約者の席は問題なく空いている。
「何か、勘違いをなさっているのではありませんか?私が提案したのはあくまで、父が治めているこの領地で問題が起こるのは困るからです。私であればすでに悪評は広がっていますし、貴族で懇意にしている友人もおりませんので、これ以上私の評判は落ちようがないのですわ。」
「だけど、あの場所で震える私に温かいミルクを出してくれた。先程も私を押し倒して演技でごまかしながらも私の顔色を見てくれたのだろう?君はとても優しいよ。」
「…それと、これとは話が別で。」
「私も兄を王位につけたい。だから君が婚約者になることで私に悪評が立つというのなら構わない。リズレット嬢、どうせ堕ちるなら、私と共に堕ちてくれ。」
レオナードはリズレットの手を取ってそう告げた。
「それは随分と斬新なお誘いですわね。ですが、婚約は殿下の一存では決められないでしょう。それに…。」
「リズ、ここまで殿下がおっしゃっているのだ。条件などと言える立場ではないのだぞ。」
アルフォンスがリズレットの言葉を遮る。
「条件?条件とは何のことだ。」
レオナードが押し黙ったリズレットを見て首を傾げた。
「娘は常々婚約話が持ち上がる度にある条件を告げて相手の方を困らせて来たのです。」
「どんな条件なのだ?」
「なんでも物語のような英雄が好きで、グリフォンの祝福を受けて婚約したいと。それにリズレットが出すものは何でも口にすることだったか?」
「お父様!」
思わずといった風にリズレットが声を上げた。
若干顔が青ざめているのはそういう理由かとレオナードは合点がいった。
「なるほど、そうやってリズレット嬢を軽んじている者たちを退けていたのだな。」
「殿下?」
「カシウス、我が王家の象徴として掲げている物は何だ?」
「グリフォンでございますね……なるほどグリフォンの祝福とは、そういう事でしたか。婚約を結ぶ際に貴族であれば国王の裁可を仰ぐのは当然の事。確かにあの様子のリズレット嬢を見れば誤解しても無理はありませんな。」
「本当の条件は最後の方なのだろう?それも問題なく達成しているな。」
レオナードはリズレットの差し出した物を毒見もなく口にした。
それはわざわざ助けに来てくれたリズレットが自分を害する理由がないからだ。
「ですが、婚約は…。」
「両親には私から伝えるさ。それに父の方針で兄も私も婚約者は自分で選んでよいと言われているのだ。問題はないだろう。」
がっくりと項垂れたリズレットはハタと思い出したように顔を上げた。
「そうだ、伝令が…。」
「ん?伝令とは何のことだ?」
「ランドリック様、伝令はすでに出してしまわれたのですよね。」
「あぁ、殿下が見つかってからすぐに見つかった事を伝えるように別の者を遣わせたが…。」
「殿下、ご両親を心配させてはいけませんわ。お手紙を書いて無事を知らせねば。」
「あぁ、勿論後で書こうと思っているが、なぜだ?」
「やはり、緊急であっても伝令以外の伝達方法は無いのですね。」
リズレットは面倒なことになったと頭を抱えた。
王族が行方不明になったのを知って第二王子派の貴族やレスター辺境伯爵領の急激な発展を妬んでいる貴族が動くと面倒だと感じたからだ。
領民にこれまで以上迫られても困るし、無理やり聞き出そうと動かれては困る。
本当は出したくないのだが、そうも言っていられない状況らしい。
すでに初めに向かった伝令が手紙をいくつか出していたという連絡がここに来る前に輝く星から報告として入ってきている。
「殿下、スクロールを書いたことは?」
「ある。だが、何でだ?」
「殿下が行方不明だと貴族が大勢押し寄せて来られても困るので先に手を打ちたいのです。」
「それは分かるがなぜスクロールなのだ?」
「…輝く星で使われている緊急の連絡手段の一つですわ。スクロールに書いた文字が光となって相手に情報を伝えますの。本当は出したくなかったのですが、そうも言っていられない状況ですので。」
「どういう事だ?」
「先の伝令が別の場所に手紙を送ったのです。きっと殿下が行方不明だと知らせる手紙でしょう。普通は任務中に私的な手紙など出さないはずですが。」
レオナードの周りについている護衛騎士は第二王子派に所属する者が当然多い。
だからこそ一大事だと手紙を送ったのだろうが、リズレットからすれば迷惑な話だ。
「分かった。手紙を書こう。」
レオナードが頷いたのでリズレットはポシェットから紙を取り出した。
その紙を見てまたランドリックが驚く。
「それはスクロールに使う羊皮紙ではないではないか。」
「えぇ、これは最近出回っている新しい紙と兄弟のようなもの。特殊な素材を使っているのと数があまりに少ないので外には出回らせていませんが。」
色々と聞きたげなランドリックに笑顔で何も答えるつもりはないと伝えて黙らせる。
「これに伝える相手の顔を思い浮かべながら魔力を込めて文字を書いてくださいませ。」
「だが、王都まではかなり離れているぞ?大丈夫なのか?」
「必要な魔力が溜まらないと発動しませんもの。問題はないでしょう。」
リズレットの言葉に首を傾げながらもレオナードはペンを走らせ始める。
魔力を回復させる物など存在しない。
傷を治すポーションが無いのと同じ理由だ。
時間経過で回復させるくらいしか魔力は回復手段がないのだ。
思った以上に魔力を持っていかれているのかレオナードは若干辛そうに見えた。
5
あなたにおすすめの小説
この学園ではちょうどいいざまぁのやり方は教えてもらえませんか?
こうやさい
ファンタジー
あたしは学園入学時、昔やった乙女ゲームに転生した事に気付いた。
嫌がらせをされるはずだからはりきってざまぁをしよう……と思ったけれど、ちょうどいいざまぁってどれくらいだろう?
例のごとく婚約破棄なら恋愛カテゴリで……からやり始めたはずなのにそれて婚約破棄がなくなって恋愛カテゴリじゃなくなった代物。とりあえず異世界転生には違いないからファンタジーにしたけど……。
そしてタイトルが意味不明、深く考えないで下さい。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!
ユウ
ファンタジー
乙女ゲームの王子に転生してしまったが断罪イベント三秒前。
婚約者を蔑ろにして酷い仕打ちをした最低王子に転生したと気づいたのですべての罪を被る事を決意したフィルベルトは公の前で。
「本日を持って私は廃嫡する!王座は弟に譲り、婚約者のマリアンナとは婚約解消とする!」
「「「は?」」」
「これまでの不始末の全ては私にある。責任を取って罪を償う…全て悪いのはこの私だ」
前代未聞の出来事。
王太子殿下自ら廃嫡を宣言し婚約者への謝罪をした後にフィルベルトは廃嫡となった。
これでハッピーエンド。
一代限りの辺境伯爵の地位を許され、二人の幸福を願ったのだった。
その潔さにフィルベルトはたちまち平民の心を掴んでしまった。
対する悪役令嬢と第二王子には不測の事態が起きてしまい、外交問題を起こしてしまうのだったが…。
タイトル変更しました。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる