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014 視察
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言葉を切ったレオナードだったが、扉の外が何やら騒がしい事に気が付いた。
ナイアスが不味いという顔を一瞬浮かべて慌てて扉の方へと向かっていく。
それを見たレオナードは嫌な予感が拭えない。
「お願いです。王子様を自由にしてあげてください。」
レオナードの耳に飛び込んできたのはこの言葉だった。
ダークブラウンの髪を一つ括りにしてリボンで結んだポニーテールの少女が艶やかな赤いドレスを纏った少女に詰め寄っている。
清純な白を纏った少女は緑の瞳を潤ませてやっと言葉を口にしている風にも見え、まるでリスのように愛らしく庇護欲をそそられる。
対するのは、いきなり挨拶もせずにこのような事を言い出す少女を相手に道を塞がれただけでなく大切な時間を潰されて怒り心頭中の表情を隠しもせずに浮かべているリズレット。
「貴方のわがままで王子様を縛るのは間違っています。」
目の前の少女はつい先日ベイリー男爵家に引き取られたばかりで、学院に編入させられてからも問題行動ばかり起こしていた。
それこそリズレットの行動が霞んでしまう程に周囲を巻き込んでいるのだ。
貴族としての礼儀をまるで知らない彼女は、学院で序列を弁えずにかなり反感を買っているのだが、そんな彼女の平民らしい行動を好ましいと感じる者たちも中にはいる。
明るく素直で間違っていると思ったことをそのまま口にする。
それは格式に囚われない自由な姿だ。
それに惹かれてしまう者がいても仕方がない。
堅苦しい貴族社会に生きていれば時に息抜きをしたくもなるのだから。
しかしそんなものがリズレットに通じるわけがない。
ちらりと扉から出てきたレオナードとナイアスの姿を目の端に捉えたリズレットは扇子を取り出して口元を隠しやっと口を開いた。
「誰か、この口うるさい小鳥を外に摘まみ出してくれるかしら。」
リズレットの視線はナイアスに向いている。
殿下の部屋の傍にこのような者を通すような愚かな行動をするとしたら彼しかいないからだ。
リズレットの言葉に憤慨した少女はキッと目を吊り上げて怒る。
「酷いです!話をしているのに聞きもしないで追い出そうなんて。」
少女は話をしていると言っているがリズレットからすれば一方的に喚かれただけだ。
話にもなっていない。
リズレットが冷めた視線で見ればびくりと震えて少女はナイアスにしがみつくように逃げた。
そして潤んだ瞳をレオナードに向けて助けを求めているようだが相手にもされていなかった。
「それで、いつまで動かないつもりかしら。」
リズレットの視線は変わらずナイアスに向いている。ナイアスは拳を握り締めてリズレットを睨んだ。
「行きましょうカーラ。ここにいては何をされるか分かりません。」
やっとの事でナイアスが少女を連れ出す。
リズレットは今更ながら少女の名がカーラであると知ったが互いに挨拶も交わしていない身。
どうでもいいかとすぐに忘れ去った。
リズレットとレオナードが扉の向こうに消えて、少女を連れ出したナイアスは人目が付かない場所まで来るとしょんぼりと肩を落としたカーラに頭を下げていた。
「すまない。まさかあんな形になるとは。殿下に会わせて差し上げると約束したのに。」
「ううん。いいの。ナイアス君は頑張ってくれたもの。」
「だが……。」
「大丈夫!次があるもの。早く王子様を自由にしてあげないとね。」
先程見たレオナードの姿を脳裏に浮かべてカーラはにっこりと微笑んだ。
その笑顔にナイアスの頬にほんのり朱がさす。
「明後日、殿下は学院での授業を終えた後、町に視察に向かわれる予定だ。町で合流すれば殿下ともきっと話が出来ると思う。」
「本当?嬉しい。」
「あぁ、殿下もきっと君と話をすれば分かって下さると信じている。」
「そうね。はやくあの我儘で傲慢な人から解放してあげましょう。きっとすぐに王子様も目が覚めるわ。」
カーラの頭の中では物語のようなシーンが浮かんでいる。
悪い魔女から王子様を救うヒロインの図だ。
ナイアスがカーラと出会ったのは学院の中庭だった。
たまたまそこを通りがかったとき、土塗れの彼女の姿を見かけたのだ。
話を聞けば農家で育った為、学院で庭を見つけた時に懐かしくなって教師にお願いをして少しだけ管理を手伝わせてもらっているらしい。
庭の土に触れてかつての生活を思い出すように話すカーラの姿を見て、ナイアスは彼女のような者が殿下の傍に立っていたのならと考えた。
我儘で自分勝手なリズレット嬢よりもカーラ嬢のような心優しい方が殿下には似合っている。
噂を鵜呑みにしていたナイアスはカーラと殿下を会わせてみたいと考えて提案したのだ。
だが、出会わせようとしていたその日にまさかリズレット嬢と鉢合わせになるとはナイアスも考えていなかった。
ましてやカーラがリズレットに気丈にも立ち向かうなど予測できるはずがない。
だが、約束を果たせなかったナイアスにカーラは大丈夫だと言ってくれた。
二人の目的は同じだ。殿下とリズレット嬢を引き離すこと。
ナイアスはカーラを信じて視察の日を告げたのだ。
その日リズレットは普段とはまるで違い珍しくも淡い紫色のドレスに白のボレロを纏っていた。
いつもの毒々しいドレスを選ばなかったのは町を歩くからというのもあるが、レオナードと久しぶりに出かける視察と称したデートだったからだ。
普段のドレス選びはある意味煩わしい交流を避ける人避けだ。
今日はその必要がないのでリズレット本来の趣味に基づいた服装になっているのだ。
本当は男装の方がずっと気楽でいいのだが、流石にデートするというのにその選択肢はない。
町に出て角を曲がったその瞬間にレオナードに向かって飛び込んでくる影があった。
慌てて受け止めたレオナードだったが、それは大きな隙になった。
「レオ!」
リズレットの声に反応したレオナードだったが、見えたのは自分を庇うリズレットの姿だった。
突然の出来事に護衛として付いてきていたナイアスも動けなかった。
約束の場所でまさかカーラが殿下にぶつかってくるなど思いもよらない。
しかもそれが襲撃と重なるなんて。
リズレットの肩に深々と突き刺さった矢は白のボレロに小さくも真っ赤な染みを広げる。
その体はゆっくりと傾いで倒れる。
「リズ!」
自分に抱きついている少女を押し飛ばしてレオナードはリズレットの体を抱え込んだ。
リズレットの手がレオナードの頬に添えられて、レオナードはその手を上からそっと重ねた。
「レオ…無事で良かった。」
「リズ、何で庇った。君が怪我をするところなんて見たくなかった。」
「何でって、体が自然に動いたんだもの。でも、私なら…。」
リズレットは自分で矢を抜いて魔法で癒そうとしたのだが、上手く魔力を練ることが出来ない。
イメージをしようとするのに頭がぼんやりとして纏まらない。
「あれ?何だか……おかし…い。」
レオナードは抜かれた矢から血の匂い以外のものが混じっているの気が付く。
「まさか毒か!」
リズレットは体が次第に冷たくなってきているのに気が付いたが、それを言葉にしようとするも、力ない息が漏れただけだった。
通行人が足を止めてざわざわと騒がしくなる頃、一台の馬車がレオナードのすぐ傍で止まる。
馬車の扉が開き、男の視線がレオナードと重なった。
男は懐から小さな瓶をちらりと見せて中へと促す。
レオナードは悔しく歯噛みしながらも男の指示に従った。
ナイアスも馬車に乗り込むなり縄で縛られてしまう。
なぜかカーラも一緒に乗り込んで縛られていた。
ナイアスが不味いという顔を一瞬浮かべて慌てて扉の方へと向かっていく。
それを見たレオナードは嫌な予感が拭えない。
「お願いです。王子様を自由にしてあげてください。」
レオナードの耳に飛び込んできたのはこの言葉だった。
ダークブラウンの髪を一つ括りにしてリボンで結んだポニーテールの少女が艶やかな赤いドレスを纏った少女に詰め寄っている。
清純な白を纏った少女は緑の瞳を潤ませてやっと言葉を口にしている風にも見え、まるでリスのように愛らしく庇護欲をそそられる。
対するのは、いきなり挨拶もせずにこのような事を言い出す少女を相手に道を塞がれただけでなく大切な時間を潰されて怒り心頭中の表情を隠しもせずに浮かべているリズレット。
「貴方のわがままで王子様を縛るのは間違っています。」
目の前の少女はつい先日ベイリー男爵家に引き取られたばかりで、学院に編入させられてからも問題行動ばかり起こしていた。
それこそリズレットの行動が霞んでしまう程に周囲を巻き込んでいるのだ。
貴族としての礼儀をまるで知らない彼女は、学院で序列を弁えずにかなり反感を買っているのだが、そんな彼女の平民らしい行動を好ましいと感じる者たちも中にはいる。
明るく素直で間違っていると思ったことをそのまま口にする。
それは格式に囚われない自由な姿だ。
それに惹かれてしまう者がいても仕方がない。
堅苦しい貴族社会に生きていれば時に息抜きをしたくもなるのだから。
しかしそんなものがリズレットに通じるわけがない。
ちらりと扉から出てきたレオナードとナイアスの姿を目の端に捉えたリズレットは扇子を取り出して口元を隠しやっと口を開いた。
「誰か、この口うるさい小鳥を外に摘まみ出してくれるかしら。」
リズレットの視線はナイアスに向いている。
殿下の部屋の傍にこのような者を通すような愚かな行動をするとしたら彼しかいないからだ。
リズレットの言葉に憤慨した少女はキッと目を吊り上げて怒る。
「酷いです!話をしているのに聞きもしないで追い出そうなんて。」
少女は話をしていると言っているがリズレットからすれば一方的に喚かれただけだ。
話にもなっていない。
リズレットが冷めた視線で見ればびくりと震えて少女はナイアスにしがみつくように逃げた。
そして潤んだ瞳をレオナードに向けて助けを求めているようだが相手にもされていなかった。
「それで、いつまで動かないつもりかしら。」
リズレットの視線は変わらずナイアスに向いている。ナイアスは拳を握り締めてリズレットを睨んだ。
「行きましょうカーラ。ここにいては何をされるか分かりません。」
やっとの事でナイアスが少女を連れ出す。
リズレットは今更ながら少女の名がカーラであると知ったが互いに挨拶も交わしていない身。
どうでもいいかとすぐに忘れ去った。
リズレットとレオナードが扉の向こうに消えて、少女を連れ出したナイアスは人目が付かない場所まで来るとしょんぼりと肩を落としたカーラに頭を下げていた。
「すまない。まさかあんな形になるとは。殿下に会わせて差し上げると約束したのに。」
「ううん。いいの。ナイアス君は頑張ってくれたもの。」
「だが……。」
「大丈夫!次があるもの。早く王子様を自由にしてあげないとね。」
先程見たレオナードの姿を脳裏に浮かべてカーラはにっこりと微笑んだ。
その笑顔にナイアスの頬にほんのり朱がさす。
「明後日、殿下は学院での授業を終えた後、町に視察に向かわれる予定だ。町で合流すれば殿下ともきっと話が出来ると思う。」
「本当?嬉しい。」
「あぁ、殿下もきっと君と話をすれば分かって下さると信じている。」
「そうね。はやくあの我儘で傲慢な人から解放してあげましょう。きっとすぐに王子様も目が覚めるわ。」
カーラの頭の中では物語のようなシーンが浮かんでいる。
悪い魔女から王子様を救うヒロインの図だ。
ナイアスがカーラと出会ったのは学院の中庭だった。
たまたまそこを通りがかったとき、土塗れの彼女の姿を見かけたのだ。
話を聞けば農家で育った為、学院で庭を見つけた時に懐かしくなって教師にお願いをして少しだけ管理を手伝わせてもらっているらしい。
庭の土に触れてかつての生活を思い出すように話すカーラの姿を見て、ナイアスは彼女のような者が殿下の傍に立っていたのならと考えた。
我儘で自分勝手なリズレット嬢よりもカーラ嬢のような心優しい方が殿下には似合っている。
噂を鵜呑みにしていたナイアスはカーラと殿下を会わせてみたいと考えて提案したのだ。
だが、出会わせようとしていたその日にまさかリズレット嬢と鉢合わせになるとはナイアスも考えていなかった。
ましてやカーラがリズレットに気丈にも立ち向かうなど予測できるはずがない。
だが、約束を果たせなかったナイアスにカーラは大丈夫だと言ってくれた。
二人の目的は同じだ。殿下とリズレット嬢を引き離すこと。
ナイアスはカーラを信じて視察の日を告げたのだ。
その日リズレットは普段とはまるで違い珍しくも淡い紫色のドレスに白のボレロを纏っていた。
いつもの毒々しいドレスを選ばなかったのは町を歩くからというのもあるが、レオナードと久しぶりに出かける視察と称したデートだったからだ。
普段のドレス選びはある意味煩わしい交流を避ける人避けだ。
今日はその必要がないのでリズレット本来の趣味に基づいた服装になっているのだ。
本当は男装の方がずっと気楽でいいのだが、流石にデートするというのにその選択肢はない。
町に出て角を曲がったその瞬間にレオナードに向かって飛び込んでくる影があった。
慌てて受け止めたレオナードだったが、それは大きな隙になった。
「レオ!」
リズレットの声に反応したレオナードだったが、見えたのは自分を庇うリズレットの姿だった。
突然の出来事に護衛として付いてきていたナイアスも動けなかった。
約束の場所でまさかカーラが殿下にぶつかってくるなど思いもよらない。
しかもそれが襲撃と重なるなんて。
リズレットの肩に深々と突き刺さった矢は白のボレロに小さくも真っ赤な染みを広げる。
その体はゆっくりと傾いで倒れる。
「リズ!」
自分に抱きついている少女を押し飛ばしてレオナードはリズレットの体を抱え込んだ。
リズレットの手がレオナードの頬に添えられて、レオナードはその手を上からそっと重ねた。
「レオ…無事で良かった。」
「リズ、何で庇った。君が怪我をするところなんて見たくなかった。」
「何でって、体が自然に動いたんだもの。でも、私なら…。」
リズレットは自分で矢を抜いて魔法で癒そうとしたのだが、上手く魔力を練ることが出来ない。
イメージをしようとするのに頭がぼんやりとして纏まらない。
「あれ?何だか……おかし…い。」
レオナードは抜かれた矢から血の匂い以外のものが混じっているの気が付く。
「まさか毒か!」
リズレットは体が次第に冷たくなってきているのに気が付いたが、それを言葉にしようとするも、力ない息が漏れただけだった。
通行人が足を止めてざわざわと騒がしくなる頃、一台の馬車がレオナードのすぐ傍で止まる。
馬車の扉が開き、男の視線がレオナードと重なった。
男は懐から小さな瓶をちらりと見せて中へと促す。
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