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脱線 みそ汁の具選手権
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番外編 みそ汁の具選手権
それは、ある寒い日の夜だった。
「お味噌汁はやっぱりお豆腐よねぇ」
そんなクレスの一言から始まった。
「まぁ、豆腐も美味いけど、俺は肉が入ってる方が好きだな」
「これだからムッツリ筋肉馬鹿エルフは。この繊細さが分からないなんてねぇ」
まぁ、いつもの二人の他愛ない言い合いだったのだが、意外と白熱していった。
「どの具が一番みそ汁に会うか、決めるぞ!」
「いいわよ!」
突如、みそ汁の具選手権が開催されたのだった。
「私は、お豆腐とワカメ!プルプルの触感に、シャキシャキとしたワカメ。髪にも良いってヒナちゃんが言っていたわ」
「俺は肉!特に、ジャガイモ、玉ねぎ、肉が入ったのが好きだな」
「それ、カレーじゃないの」
「はぁ?全然違うだろうが!」
まぁ、カレーの具材ではあるな。
「はいは~い!私は、大根とお豆腐!」
手を上げたのは、キャロルだった。
「シャクッとした大根と、プルプルのお豆腐!」
「ほらみなさい。やっぱりお豆腐よね」
「おい、アヌリは!?」
「ヒナ様が手ずから作ってくださったものに、優劣など無い。全て、世界一だ」
アヌリはやっぱりアヌリだった。
「だが、あえて選ぶとしたら・・・ナスだろうか。油で揚げたナスのじゅわりと柔らかい触感が良い」
「確かに・・・」
ふむふむ、素揚げしたナスね。美味しいよねぇ。
「我は、白菜とキノコじゃな」
「あ、リシュナ」
食堂の扉が開いたと思ったら、リシュナが入ってきた。
「我等はキノコを食べる習慣があまりないが、食べてみると存外美味い」
リシュナは古龍だもんね。ドラゴンがキノコ狩り・・・全然イメージできない。
味噌樽プリンが普通サイズに見えるドラゴンからしたら、キノコなんて、きの〇の山?いや、ゴマか?いやいや、普段の生活は人間サイズだった。
「ちょっと待ったぁ!みそ汁と言えば、キャベツやダイコン、トマト等、畑の恵みをふんだんに使ったものが一番だと言える!」
「おいおい魔王さんよ。何でもかんでも入れれば良いってもんじゃないだろ」
「トマトかぁ・・・確かに美味しいけど、私はちょっと苦手。トマトはやっぱり、サラダが一番だよ!」
段々、混沌としてきたなぁ。
「「「「ふぉっふぉっふぉっ」」」」
「その笑い声は!」
「ノナと三婆!」
こうやって終結すると・・・この島、濃いぃなぁ・・・。
「儂らが押すのは、麩じゃ」
「ふ?」
「麩って、あのフワフワ浮いてる白いやつよね?」
「ああ、確かに美味しいよねぇ」
確か、丸麩を入れて出したなぁ。
「噛むと、ジュワっと汁が出てきて、フワフワしててぇ」
「まぁ、年寄りにギャッ!?」
「誰が年寄りじゃ!全部自前の歯じゃぞ!」
ノナさんの杖が、ジローの顔にクリーンヒット!
いや、杖いらんじゃろそれ。ってか、数百歳で全部自分の歯!?ポリ〇ントもびっくりだな!
「ふむ、麩か。確かに、あれも美味い」
「いやいや、でも」
「私は」
う~ん、これで全員?あ。
「エスト、エストは?」
「俺は、豆腐と揚げだな」
「揚げ!」
「お揚げは焼いても美味しいわよねぇ」
「酒の肴にも良い」
「いや、全部大豆じゃねぇか!」
豆腐+揚げ+味噌・・・原材料オール大豆。大豆スキーだな、うん。
「なん・・・だと!?」
「え?そうなの?」
「へぇ~」
「そう言えば、味噌も大豆だったわね」
お椀一杯の大豆。
「ジロー、お前だって肉が入っていれば良いんだろう!」
「煩い!お前は大豆でもポリポリしてろ!」
「ほぉ?どうやら決着をつける時が来たようだな」
「あぁ?望むところだ!外に」
「出なくてよろしい」
二人の頭を鷲掴みにした。もちろん、爪アウトで。
「ヒナ、爪!わかったから!爪を出すな!刺さる!」
「す、すまん」
まったく・・・。しょうがないので、放してあげた。
「ねぇ、ヒナちゃんは?」
「へ?」
突然矛先がこっちに向いた。
「う~ん・・・豚汁」
「「「「「「「「「「「あ~、豚汁!」」」」」」」」」」」
こうして、みそ汁選手権は幕を閉じた。
今日も島は、平和です。
因みに、豚汁がみそ汁に入るかどうかは・・・あなた次第。
それは、ある寒い日の夜だった。
「お味噌汁はやっぱりお豆腐よねぇ」
そんなクレスの一言から始まった。
「まぁ、豆腐も美味いけど、俺は肉が入ってる方が好きだな」
「これだからムッツリ筋肉馬鹿エルフは。この繊細さが分からないなんてねぇ」
まぁ、いつもの二人の他愛ない言い合いだったのだが、意外と白熱していった。
「どの具が一番みそ汁に会うか、決めるぞ!」
「いいわよ!」
突如、みそ汁の具選手権が開催されたのだった。
「私は、お豆腐とワカメ!プルプルの触感に、シャキシャキとしたワカメ。髪にも良いってヒナちゃんが言っていたわ」
「俺は肉!特に、ジャガイモ、玉ねぎ、肉が入ったのが好きだな」
「それ、カレーじゃないの」
「はぁ?全然違うだろうが!」
まぁ、カレーの具材ではあるな。
「はいは~い!私は、大根とお豆腐!」
手を上げたのは、キャロルだった。
「シャクッとした大根と、プルプルのお豆腐!」
「ほらみなさい。やっぱりお豆腐よね」
「おい、アヌリは!?」
「ヒナ様が手ずから作ってくださったものに、優劣など無い。全て、世界一だ」
アヌリはやっぱりアヌリだった。
「だが、あえて選ぶとしたら・・・ナスだろうか。油で揚げたナスのじゅわりと柔らかい触感が良い」
「確かに・・・」
ふむふむ、素揚げしたナスね。美味しいよねぇ。
「我は、白菜とキノコじゃな」
「あ、リシュナ」
食堂の扉が開いたと思ったら、リシュナが入ってきた。
「我等はキノコを食べる習慣があまりないが、食べてみると存外美味い」
リシュナは古龍だもんね。ドラゴンがキノコ狩り・・・全然イメージできない。
味噌樽プリンが普通サイズに見えるドラゴンからしたら、キノコなんて、きの〇の山?いや、ゴマか?いやいや、普段の生活は人間サイズだった。
「ちょっと待ったぁ!みそ汁と言えば、キャベツやダイコン、トマト等、畑の恵みをふんだんに使ったものが一番だと言える!」
「おいおい魔王さんよ。何でもかんでも入れれば良いってもんじゃないだろ」
「トマトかぁ・・・確かに美味しいけど、私はちょっと苦手。トマトはやっぱり、サラダが一番だよ!」
段々、混沌としてきたなぁ。
「「「「ふぉっふぉっふぉっ」」」」
「その笑い声は!」
「ノナと三婆!」
こうやって終結すると・・・この島、濃いぃなぁ・・・。
「儂らが押すのは、麩じゃ」
「ふ?」
「麩って、あのフワフワ浮いてる白いやつよね?」
「ああ、確かに美味しいよねぇ」
確か、丸麩を入れて出したなぁ。
「噛むと、ジュワっと汁が出てきて、フワフワしててぇ」
「まぁ、年寄りにギャッ!?」
「誰が年寄りじゃ!全部自前の歯じゃぞ!」
ノナさんの杖が、ジローの顔にクリーンヒット!
いや、杖いらんじゃろそれ。ってか、数百歳で全部自分の歯!?ポリ〇ントもびっくりだな!
「ふむ、麩か。確かに、あれも美味い」
「いやいや、でも」
「私は」
う~ん、これで全員?あ。
「エスト、エストは?」
「俺は、豆腐と揚げだな」
「揚げ!」
「お揚げは焼いても美味しいわよねぇ」
「酒の肴にも良い」
「いや、全部大豆じゃねぇか!」
豆腐+揚げ+味噌・・・原材料オール大豆。大豆スキーだな、うん。
「なん・・・だと!?」
「え?そうなの?」
「へぇ~」
「そう言えば、味噌も大豆だったわね」
お椀一杯の大豆。
「ジロー、お前だって肉が入っていれば良いんだろう!」
「煩い!お前は大豆でもポリポリしてろ!」
「ほぉ?どうやら決着をつける時が来たようだな」
「あぁ?望むところだ!外に」
「出なくてよろしい」
二人の頭を鷲掴みにした。もちろん、爪アウトで。
「ヒナ、爪!わかったから!爪を出すな!刺さる!」
「す、すまん」
まったく・・・。しょうがないので、放してあげた。
「ねぇ、ヒナちゃんは?」
「へ?」
突然矛先がこっちに向いた。
「う~ん・・・豚汁」
「「「「「「「「「「「あ~、豚汁!」」」」」」」」」」」
こうして、みそ汁選手権は幕を閉じた。
今日も島は、平和です。
因みに、豚汁がみそ汁に入るかどうかは・・・あなた次第。
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