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第百四十話 三人で
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第百四十話 三人で
『ほう、ケットシーの国とな』
再度聞こえて来た声に後ろを振り返ると、長毛の年老いた猫がちょこんと座っていた。
『ん? お前さん、儂の言っとる事がわかるんか』
「え、ええ」
『ほう、ほう、ほう』
猫の前にしゃがむと、図書館から出て来た人にチラリと見られた。
他の人には「ニャー、ニャー」と言っているだけに聞こえるらしいので、怪しく見えるのかもしれない。
それは猫も気付いた様で、「こっちじゃ」と言うと、歩き始めた。大人しくついて行くと、町を一望できる高台へとたどり着いた。
『ここなら良いじゃろて』
「綺麗な場所ですね」
茜色に街が染まり、夕方の匂いを含んだ風が吹いていた。
『ほう、ほう、ほう。ほいで、嬢ちゃんはケットシーの国に行きたいんか?』
「ああ、いえ、うちの子達が‥‥」
子猫達の事を説明すると、猫は目を細めて耳をピクピクとさせた。
声の感じからして、お爺さんだろうか。
『なんとも珍しいが、さほど驚く事もないの。なにせ、儂も猫からケットシーになった身だからの』
ふわりと風に揺れた猫の尻尾。ふさふさしたそれが、二本に分かれた。
「おぉぅ」
びっくりしたぁ。長毛だからか、全然分からなかった!
『魔力操作や、ケットシーとしてのスキルを覚えれば、これくらい目を瞑るのと同じだて』
「なるほど‥‥あの、お願いです! 私と一緒に来て、うちの子達に教えてもらえませんか⁉」
『ほう、ほう、ほう。そうさなぁ。儂も引退して、やる事と言えば散歩くらい。最後の一仕事、としても良いかものぉ』
「ありがとうございます!」
やった!
『それにしても、見たとこ嬢ちゃんはケットシーでもない。獣人、と言うのも少し違う気がするが』
今更そこを突っ込みますかい。
辺りを見渡し、周りに誰もいないのを確認。元の姿へと戻った。
『ほ!』
「一応、獣人です」
『ほう、ほう、ほう! なんとまぁ。随分と長く生きて、色々と見て来たが‥‥こんな別嬪さんに会えるとはなぁ』
「あははは」
そのままそっとお爺さんを抱き上げる。
「今更ですが、私の名前はヒナです」
『儂はペルと呼ばれとる』
「よろしくお願いします、ペルさん」
これで、子猫達も色々と勉強できる!
島へ戻り、皆にペルさんを紹介。子猫達は不思議そうにしながらも、人(猫?)見知りする事も無くて安心した。
ちゃんとした修行は子猫達がもう少し大きくなってからと言う事で、遊びながらの魔力操作から始めるようだ。
それにしても、ペルさんに島の説明をした時にあまり驚いていなかったなぁと思っていたのだが‥‥後で「ほう、ほう、ほう。驚き過ぎて、そのまま天に召されるかと思うたぞ」と言わた。
あ、危なかったぁ。
*
「そう言えば、もうそろそろ祭りの季節だな」
晩御飯を食べながら、ジローがそんな事をペロッとこぼした。
「お祭りって、ヒノモトで?」
「そうそう。毎年、先祖の魂がどうのって」
「マジか!」
「お、おう」
こっちの世界にも、お盆があるのか! 思わずジローに詰め寄ってしまった。と言うか、もっと早く言ってよ!
「チビだった頃に行ったきりだったからなぁ」
「そう言えば、そんなお祭りがあったわね」
ジローとクレスは、あまり小さい頃の話をしない。まぁ、根掘り葉掘り聞くような事でもないしね。知っているのは、同じ孤児院で育った、と言う事くらいだ。
「行きたい!」
お祭りは三日後。キャロルとアヌリは仕事があるらしく、エストは留守番に残ると言ってくれた。
そしてお祭り当日。
クレスが大急ぎで縫ってくれた浴衣を着て、久しぶりにジロー、クレス、私の三人で出かける事になった。
こっちの世界にも浴衣や草履、下駄まであるとはねぇ。
鍵を使ってヒノモトへと出ると、日が暮れ始めた町は既に賑わっていた。
「わぁ! 凄い!」
街路には屋台が並び、小さい頃に祖父母と行ったお祭りを思い出した。
「はしゃいで迷子になるなよ」
「大丈夫だよ!」
「ふふ、可愛い」
リンゴ飴に綿飴。あ、輪投げもある! 流石、日本から来た人が作った国! 遊郭や町並みからして、どの時代から来たのか気になるところではあるけど。
「ん?」
広場の方から歓声が聞こえて来た。
「やっぱり、綺麗ねぇ」
「祭りにはこれがないとな!」
人だかりで見えない。 元の姿なら、余裕なのに!
「わっ!」
「これで見えるだろ」
ジローに抱え上げられた!
「ちょ‥‥わぁ! 綺麗!」
文句を言おうと思ったけれど、目の前の光景にそれどころではなくなった。
遊郭大門の前の広場。お祭り用なのか、華やかな着物を着た女性達が舞っていた。そして、一際華やかに舞うのは、中央の白菊だ。
「綺麗」
「いやぁ、良いねぇ」
「ヒナちゃん、私の方にいらっしゃいな。筋肉エロエルフの傍にいたら、汚れるわよ」
「おぉう」
今度はクレスに抱きかかえられた。
「誰がエロエルフだ!」
「鼻の下がこぉんなに伸びてたくせに」
「男なら」
「はぁ~?」
また始まった。まったく、お祭りの時くらい仲良くすれば良いのに。
おっと、白菊と目が合った。一応、手を振っておく。相手は舞っている最中だしね。すると、白菊がまるで花が咲いた様にほほ笑んだ。
「「「おぉぉぉぉ!」」」
「お、俺に微笑んだんだ!」
「俺だ!」
周りにいた男性達が、一気に色めき立つ。あれ? 目が合ったのは勘違い? コンサートとかで経験する「私だけを見たのよ!」的な? 恥っ!
「あれ?」
良く見ると、白菊の頭の上に猫耳が‥‥んん? しかも、周りの女性達も猫耳着けてる。
「ねぇ、ちょっと」
ジローとクレスの頭をぺしぺしと叩く。飽きもせず、まだやいやい言い合ってたからね。
「何故に猫耳?」
「ん? ああ、あれか」
「ふふ、あれね」
「何?」
「ヤマタノオロチ」
「は?」
何故そこで、あれが出て来るのか。
「出て来たな」
ジローが指した方から、ヤマタノオロチに似せた人形が出て来た。すると、白菊がヤマタノオロチの前に躍り出る。あれよあれよと言う間に、白菊がヤマタノオロチを撃退。大きな歓声が沸き起こった。
「な‥‥」
まさか、私⁉
「元々この時期に祭りはあったんだが、あれ以来、恒例になったらしい」
「ほら、小さい子達も付けてるわよ」
周りを見てみると、ほとんどの小さい子が白い猫耳を付けて、嬉しそうにお祭りを楽しんでいた。お面を売っている露店には、白い猫のお面が‥‥何これ、羞恥プレイ⁉
「ヤマタノオロチを封印した祠の前には、白猫の石像が祀ってあるらしいぞ」
「マジデスカ」
なんてこったい。
「見に行く?」
「無理」
「「あはははは!」」
暫く露店を見て回っていると、ゴーンと鐘の音が聞こえてきた。
「そろそろだな」
ジローとクレスに連れられて、やって来た浜辺。既に大勢の人が集まっていた。
日が沈み、藍色に染まった空と波の音。
「ほい、貰って来たぞ」
ジローに手渡されたのは、紙で作られたドーム型のランタン。
「鐘が鳴ったら、中の芯に火を灯して飛ばすのよ」
そう言えば、こうして三人でいるのは久しぶりな気がする。
島に移り住んで、人も増えた。なんだかんだ、毎日騒がしくも楽しい。
「ヒナ?」
「どうしたの?」
ぼんやりとしていたのか、二人に顔を覗き込まれた。この、顔だけイケオジコンビめ!
「行き倒れのおじさんを見つけた時の事を思い出してた」
「おじ‥‥」
「そういえば、そうだったわね! この筋肉エルフは昔から」
「はぁ⁉ お前だって小さい頃に」
相変わらず、やれやれである。
また始まったかと思っていると、鐘の音が聞こえてきた。
「ほら、火つけるよ」
魔法で指先に火を灯し、ランタンの中の芯に火を移す。ふんわりとした灯りがあちこちで灯されると、一斉に夜空へと舞い上がって行く。私も手を離すと、ランタンがふわりと空へと昇って行った。
皆、私は異世界で元気に生きています。
「さぁて、何か食って帰るか」
「「‥‥‥」」
「何だよ?」
クレスと一緒にジローにジト目を送ったが、本人はさっぱり意味が分かっていないようだ。
「これだから、筋肉馬鹿は。情緒も何も無いわね。だから彼女が出来ないのねぇ」
「はぁ⁉ 出来ないんじゃないですぅ! 断ってるんですぅ! それに、お前だっていないだろうが!」
「はぁ⁉ 私だって、この前もご令嬢に」
「二人とも、モテるんだねぇ」
まぁ、ジローはこれでもSランクの冒険者だし。クレスはオネエサンだが、王族御用達の看板を持ってるデザイナーだ。二人とも整った顔してるからなぁ。
「「‥‥‥はぁ~‥‥‥」」
え、何故ため息?
「何? あ、もしかして、下宿の事⁉ 連れ込むのはちょっと勘弁してほしいけど、外でのお泊りとかは連絡くれれば良いし! 結婚するなら一軒家を島にゃふあふぇ」
左の頬はジローに。右の頬はクレスに。それぞれ摘まれた。
「お~、伸びるなぁ」
「柔らかいわねぇ」
「ふぁ?」
「「そんな予定はない」」
二人はそう言うと手を離してくれたが、離れる瞬間、それぞれに頬を撫でられた。
一瞬、心臓が跳ねた気がする。無駄にイケオジなんだから!
「ほら、露店が閉まっちゃうわよ」
「皆に土産、買って帰るんだろ?」
「う、うん!」
慌てて二人の後を追った。
『ほう、ケットシーの国とな』
再度聞こえて来た声に後ろを振り返ると、長毛の年老いた猫がちょこんと座っていた。
『ん? お前さん、儂の言っとる事がわかるんか』
「え、ええ」
『ほう、ほう、ほう』
猫の前にしゃがむと、図書館から出て来た人にチラリと見られた。
他の人には「ニャー、ニャー」と言っているだけに聞こえるらしいので、怪しく見えるのかもしれない。
それは猫も気付いた様で、「こっちじゃ」と言うと、歩き始めた。大人しくついて行くと、町を一望できる高台へとたどり着いた。
『ここなら良いじゃろて』
「綺麗な場所ですね」
茜色に街が染まり、夕方の匂いを含んだ風が吹いていた。
『ほう、ほう、ほう。ほいで、嬢ちゃんはケットシーの国に行きたいんか?』
「ああ、いえ、うちの子達が‥‥」
子猫達の事を説明すると、猫は目を細めて耳をピクピクとさせた。
声の感じからして、お爺さんだろうか。
『なんとも珍しいが、さほど驚く事もないの。なにせ、儂も猫からケットシーになった身だからの』
ふわりと風に揺れた猫の尻尾。ふさふさしたそれが、二本に分かれた。
「おぉぅ」
びっくりしたぁ。長毛だからか、全然分からなかった!
『魔力操作や、ケットシーとしてのスキルを覚えれば、これくらい目を瞑るのと同じだて』
「なるほど‥‥あの、お願いです! 私と一緒に来て、うちの子達に教えてもらえませんか⁉」
『ほう、ほう、ほう。そうさなぁ。儂も引退して、やる事と言えば散歩くらい。最後の一仕事、としても良いかものぉ』
「ありがとうございます!」
やった!
『それにしても、見たとこ嬢ちゃんはケットシーでもない。獣人、と言うのも少し違う気がするが』
今更そこを突っ込みますかい。
辺りを見渡し、周りに誰もいないのを確認。元の姿へと戻った。
『ほ!』
「一応、獣人です」
『ほう、ほう、ほう! なんとまぁ。随分と長く生きて、色々と見て来たが‥‥こんな別嬪さんに会えるとはなぁ』
「あははは」
そのままそっとお爺さんを抱き上げる。
「今更ですが、私の名前はヒナです」
『儂はペルと呼ばれとる』
「よろしくお願いします、ペルさん」
これで、子猫達も色々と勉強できる!
島へ戻り、皆にペルさんを紹介。子猫達は不思議そうにしながらも、人(猫?)見知りする事も無くて安心した。
ちゃんとした修行は子猫達がもう少し大きくなってからと言う事で、遊びながらの魔力操作から始めるようだ。
それにしても、ペルさんに島の説明をした時にあまり驚いていなかったなぁと思っていたのだが‥‥後で「ほう、ほう、ほう。驚き過ぎて、そのまま天に召されるかと思うたぞ」と言わた。
あ、危なかったぁ。
*
「そう言えば、もうそろそろ祭りの季節だな」
晩御飯を食べながら、ジローがそんな事をペロッとこぼした。
「お祭りって、ヒノモトで?」
「そうそう。毎年、先祖の魂がどうのって」
「マジか!」
「お、おう」
こっちの世界にも、お盆があるのか! 思わずジローに詰め寄ってしまった。と言うか、もっと早く言ってよ!
「チビだった頃に行ったきりだったからなぁ」
「そう言えば、そんなお祭りがあったわね」
ジローとクレスは、あまり小さい頃の話をしない。まぁ、根掘り葉掘り聞くような事でもないしね。知っているのは、同じ孤児院で育った、と言う事くらいだ。
「行きたい!」
お祭りは三日後。キャロルとアヌリは仕事があるらしく、エストは留守番に残ると言ってくれた。
そしてお祭り当日。
クレスが大急ぎで縫ってくれた浴衣を着て、久しぶりにジロー、クレス、私の三人で出かける事になった。
こっちの世界にも浴衣や草履、下駄まであるとはねぇ。
鍵を使ってヒノモトへと出ると、日が暮れ始めた町は既に賑わっていた。
「わぁ! 凄い!」
街路には屋台が並び、小さい頃に祖父母と行ったお祭りを思い出した。
「はしゃいで迷子になるなよ」
「大丈夫だよ!」
「ふふ、可愛い」
リンゴ飴に綿飴。あ、輪投げもある! 流石、日本から来た人が作った国! 遊郭や町並みからして、どの時代から来たのか気になるところではあるけど。
「ん?」
広場の方から歓声が聞こえて来た。
「やっぱり、綺麗ねぇ」
「祭りにはこれがないとな!」
人だかりで見えない。 元の姿なら、余裕なのに!
「わっ!」
「これで見えるだろ」
ジローに抱え上げられた!
「ちょ‥‥わぁ! 綺麗!」
文句を言おうと思ったけれど、目の前の光景にそれどころではなくなった。
遊郭大門の前の広場。お祭り用なのか、華やかな着物を着た女性達が舞っていた。そして、一際華やかに舞うのは、中央の白菊だ。
「綺麗」
「いやぁ、良いねぇ」
「ヒナちゃん、私の方にいらっしゃいな。筋肉エロエルフの傍にいたら、汚れるわよ」
「おぉう」
今度はクレスに抱きかかえられた。
「誰がエロエルフだ!」
「鼻の下がこぉんなに伸びてたくせに」
「男なら」
「はぁ~?」
また始まった。まったく、お祭りの時くらい仲良くすれば良いのに。
おっと、白菊と目が合った。一応、手を振っておく。相手は舞っている最中だしね。すると、白菊がまるで花が咲いた様にほほ笑んだ。
「「「おぉぉぉぉ!」」」
「お、俺に微笑んだんだ!」
「俺だ!」
周りにいた男性達が、一気に色めき立つ。あれ? 目が合ったのは勘違い? コンサートとかで経験する「私だけを見たのよ!」的な? 恥っ!
「あれ?」
良く見ると、白菊の頭の上に猫耳が‥‥んん? しかも、周りの女性達も猫耳着けてる。
「ねぇ、ちょっと」
ジローとクレスの頭をぺしぺしと叩く。飽きもせず、まだやいやい言い合ってたからね。
「何故に猫耳?」
「ん? ああ、あれか」
「ふふ、あれね」
「何?」
「ヤマタノオロチ」
「は?」
何故そこで、あれが出て来るのか。
「出て来たな」
ジローが指した方から、ヤマタノオロチに似せた人形が出て来た。すると、白菊がヤマタノオロチの前に躍り出る。あれよあれよと言う間に、白菊がヤマタノオロチを撃退。大きな歓声が沸き起こった。
「な‥‥」
まさか、私⁉
「元々この時期に祭りはあったんだが、あれ以来、恒例になったらしい」
「ほら、小さい子達も付けてるわよ」
周りを見てみると、ほとんどの小さい子が白い猫耳を付けて、嬉しそうにお祭りを楽しんでいた。お面を売っている露店には、白い猫のお面が‥‥何これ、羞恥プレイ⁉
「ヤマタノオロチを封印した祠の前には、白猫の石像が祀ってあるらしいぞ」
「マジデスカ」
なんてこったい。
「見に行く?」
「無理」
「「あはははは!」」
暫く露店を見て回っていると、ゴーンと鐘の音が聞こえてきた。
「そろそろだな」
ジローとクレスに連れられて、やって来た浜辺。既に大勢の人が集まっていた。
日が沈み、藍色に染まった空と波の音。
「ほい、貰って来たぞ」
ジローに手渡されたのは、紙で作られたドーム型のランタン。
「鐘が鳴ったら、中の芯に火を灯して飛ばすのよ」
そう言えば、こうして三人でいるのは久しぶりな気がする。
島に移り住んで、人も増えた。なんだかんだ、毎日騒がしくも楽しい。
「ヒナ?」
「どうしたの?」
ぼんやりとしていたのか、二人に顔を覗き込まれた。この、顔だけイケオジコンビめ!
「行き倒れのおじさんを見つけた時の事を思い出してた」
「おじ‥‥」
「そういえば、そうだったわね! この筋肉エルフは昔から」
「はぁ⁉ お前だって小さい頃に」
相変わらず、やれやれである。
また始まったかと思っていると、鐘の音が聞こえてきた。
「ほら、火つけるよ」
魔法で指先に火を灯し、ランタンの中の芯に火を移す。ふんわりとした灯りがあちこちで灯されると、一斉に夜空へと舞い上がって行く。私も手を離すと、ランタンがふわりと空へと昇って行った。
皆、私は異世界で元気に生きています。
「さぁて、何か食って帰るか」
「「‥‥‥」」
「何だよ?」
クレスと一緒にジローにジト目を送ったが、本人はさっぱり意味が分かっていないようだ。
「これだから、筋肉馬鹿は。情緒も何も無いわね。だから彼女が出来ないのねぇ」
「はぁ⁉ 出来ないんじゃないですぅ! 断ってるんですぅ! それに、お前だっていないだろうが!」
「はぁ⁉ 私だって、この前もご令嬢に」
「二人とも、モテるんだねぇ」
まぁ、ジローはこれでもSランクの冒険者だし。クレスはオネエサンだが、王族御用達の看板を持ってるデザイナーだ。二人とも整った顔してるからなぁ。
「「‥‥‥はぁ~‥‥‥」」
え、何故ため息?
「何? あ、もしかして、下宿の事⁉ 連れ込むのはちょっと勘弁してほしいけど、外でのお泊りとかは連絡くれれば良いし! 結婚するなら一軒家を島にゃふあふぇ」
左の頬はジローに。右の頬はクレスに。それぞれ摘まれた。
「お~、伸びるなぁ」
「柔らかいわねぇ」
「ふぁ?」
「「そんな予定はない」」
二人はそう言うと手を離してくれたが、離れる瞬間、それぞれに頬を撫でられた。
一瞬、心臓が跳ねた気がする。無駄にイケオジなんだから!
「ほら、露店が閉まっちゃうわよ」
「皆に土産、買って帰るんだろ?」
「う、うん!」
慌てて二人の後を追った。
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