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突然始まる異世界物語
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1人の少女が息を荒げながら全速力で坂を走っていく。
アメリカ留学経験もある優秀な頭脳。
モデルのようなすらっとした身長、きれいでなめらかな青い髪、グラビアアイドル顔負けのスタイルの良さ、女優と見間違えるほどの美人っぷり。
しかし今その少女はそんな外見と経歴とは裏腹の状態だった。
髪はボサボサ、ここまで走ってきたおかげで額には汗、完全に息は上がっていてみすぼらしい姿をしていた。
まだ朝で日が昇っているころ、周りは閑静な郊外の住宅街、すでに通勤時間を過ぎて人通りはまばら、アイドル候補生である戸波幸乃はそこを猛ダッシュで走っている。
完璧な美貌とはは対照的にテレビでは変顔の連発、さらにお笑い芸人張りのリアクション芸、そして度重なる遅刻は彼女の1つの特徴とされ所属事務所からも再三注意をくらったほどである。
いつしか戸波幸乃となみゆきのは北海道からは「残・念・ア・イ・ド・ル・」という名称がついていた。
昨日まで階段から転んで骨折して休養をとっていた加藤奈美アナウンサーの代役としてわずか16歳で北海道総合映像(HSB)の人気番組「トーストチンしてますか」の司会役として大抜擢されたのだった。
全国各地の名料理を食べつくす趣旨のこの番組の中、今回は地元札幌の名店をめぐっていた。
一日半で彩美、六石亭、など札幌の名店を巡った後ロケは無事終了、そして奈美の復帰のお知らせを最後に幸乃の代役としての仕事は終わった。
そして今日は奈美との打ち合わせだと聞いてHSB本社へ9時に行く予定だった。
しかしなんと寝坊をしてしまい起きた時には9時になってしまい、慌てて飛び起きて地下鉄に乗って局の最寄り駅新平岸についたのは9時30分ごろ、完璧な遅刻になってしまった。
そしていま新平岸からHSBへの道のりである上り坂の住宅街を必死で走っているところだった。
そしてHSBの入り口に到着する、体力を使い果たしてハァハァと荒い息を上げながら遅れましたと幸乃が大声で叫ぶ、すると……
「よう……」
物静か、しかし重く声の中に怒りを交えたような口調で誰かが話しかける。
その声に幸乃は思わず叫び声を上げる。
「げえええええええええええええええええっ社長!!!!!」
「うっ、うっ、やべっ鼻血鼻血」
黒いコートに黒いズボン、肩までかかった黒い髪、黒いサングラスをかけていて初老ではあるが幸乃や周りに与える威圧感は別格だった。
なんと事務所の社長がそこにいた。
そしてその恐怖のあまり鼻血を出してしまったのであった。
慌ててポケットからティッシュを取り出し鼻に詰める。
「す、す、す、すいませんでした!!!!」
幸乃は申し訳なさそうは表情をして土下座をして何でも頭を下げる。
「言ったよなお前、次遅刻したら干すってな……」
「んま、予想通りだったわね……」
そう言ってもう一人の人物が出てきた。
加藤奈美、38歳、肩までかかったセミロングに黒のウェーブのかかった髪の毛、身長は168で妙齢ながらも年を感じさせない体つきグラマーなHSBナンバー1の大人気アナウンサーだった。
また、今はアナウンサーだけでなく編成部長も兼務しているこの会社でも無くてはならない存在になっていた。
「ちょっと、場所移そうか……」
3人は2分ほど歩いて移動する、ここは一般人も通りかかる場所で周りの人たちから大きく目立っていた。
2分程するとその場所にたどり着いた。
新岸高台公園、郊外の都市らしさを醸し出す住宅街の中になだらかな芝生の斜面に木が生い茂っており、緑のオアシスとしての機能を有していた。
「ハァ、ハァ、本当に、本当にほんとうにすいませんでしたぁ~~~~」
走ったせいで息が上がった中幸乃はそこで座り込み、土下座をしだし社長と奈美に何度も頭を下げる。
その中で社長が物静かながらもどこか威圧感を感じさせながら話し始めた。
「いったよな?この前次遅刻したら覚悟しておけってな?」
その通りだった、この前のロケでも幸乃は遅刻をしてしまい注意をくらっていたところだった。
その言葉に幸乃は恐怖を感じ必死に許しを請うように何度も頭を下げた。
「本当に、本当に次はしません、許してください!!」
「それでも、アイドルやりたい?」
と奈美が助け船を出すように微笑して口を挟み始める。
その言葉に幸乃の表情が変わる、少しの間考えこみながらやりたいと言って首を縦に振った。
しばし幸乃は考え始める、もともと幼いころから頭がよく両親の言われるがままアメリカに留学させられていた。
アイドルになったのも親が帰国後にオーディションに参加させたのが原因だった。
その中でいつしか親がいないところで、自分がやりたいことをそのままやってみたい、親の敷いた道ではなく自分で歩くようになりたいと考えるようになっていた──
「わかったわ、次のあなたの出演するテレビそれはなんと……」
奈美がその内容を告げると幸乃は驚愕した。
「モザイクは夜、あ、あ、あ、あれですか?」
それはHSBの深夜番組のひとつで若手のタレントや芸人達がさまざまなことにチャレンジするという内容だった、しかしその内容は過激でしばし警察にお世話になることもあった程であった。
そして何の企画をやるのか聞いてみると……
「その前にちょっと、これを握ってほしいんだけどどういいかな?」
そういって奈美はポケットから宝玉を取り出す。
それは球状になっていて透き通っていて透明な色をしていた。
奈美の言う通り幸乃はその宝玉を握ってみる、すると……
「す、す、すごい──」
奈美が思わず声を漏らす。
幸乃がその宝玉を握ると宝玉は直視できないくらいに青く光り始めた。
「これは、彼女なら行けそうね、凪なぎ──」
奈美はそう囁く、そして幸乃の両手を握り口を開き始めた。
「幸ちゃん、新企画決まったよ!!」
そして幸乃に彼女の新しい企画を耳打ちして告げた。
「は?」
予想だにしなかった企画に幸乃は唖然とする。
「ちょっと、私聞き間違えちゃった?異世界とか、変な言葉出てきたんだけど……」
そう、彼女は確かにそう言った。
次の幸乃の新企画、それは……
「天才アイドルは異世界に行って勇者になれるのか?」
であると──
アメリカ留学経験もある優秀な頭脳。
モデルのようなすらっとした身長、きれいでなめらかな青い髪、グラビアアイドル顔負けのスタイルの良さ、女優と見間違えるほどの美人っぷり。
しかし今その少女はそんな外見と経歴とは裏腹の状態だった。
髪はボサボサ、ここまで走ってきたおかげで額には汗、完全に息は上がっていてみすぼらしい姿をしていた。
まだ朝で日が昇っているころ、周りは閑静な郊外の住宅街、すでに通勤時間を過ぎて人通りはまばら、アイドル候補生である戸波幸乃はそこを猛ダッシュで走っている。
完璧な美貌とはは対照的にテレビでは変顔の連発、さらにお笑い芸人張りのリアクション芸、そして度重なる遅刻は彼女の1つの特徴とされ所属事務所からも再三注意をくらったほどである。
いつしか戸波幸乃となみゆきのは北海道からは「残・念・ア・イ・ド・ル・」という名称がついていた。
昨日まで階段から転んで骨折して休養をとっていた加藤奈美アナウンサーの代役としてわずか16歳で北海道総合映像(HSB)の人気番組「トーストチンしてますか」の司会役として大抜擢されたのだった。
全国各地の名料理を食べつくす趣旨のこの番組の中、今回は地元札幌の名店をめぐっていた。
一日半で彩美、六石亭、など札幌の名店を巡った後ロケは無事終了、そして奈美の復帰のお知らせを最後に幸乃の代役としての仕事は終わった。
そして今日は奈美との打ち合わせだと聞いてHSB本社へ9時に行く予定だった。
しかしなんと寝坊をしてしまい起きた時には9時になってしまい、慌てて飛び起きて地下鉄に乗って局の最寄り駅新平岸についたのは9時30分ごろ、完璧な遅刻になってしまった。
そしていま新平岸からHSBへの道のりである上り坂の住宅街を必死で走っているところだった。
そしてHSBの入り口に到着する、体力を使い果たしてハァハァと荒い息を上げながら遅れましたと幸乃が大声で叫ぶ、すると……
「よう……」
物静か、しかし重く声の中に怒りを交えたような口調で誰かが話しかける。
その声に幸乃は思わず叫び声を上げる。
「げえええええええええええええええええっ社長!!!!!」
「うっ、うっ、やべっ鼻血鼻血」
黒いコートに黒いズボン、肩までかかった黒い髪、黒いサングラスをかけていて初老ではあるが幸乃や周りに与える威圧感は別格だった。
なんと事務所の社長がそこにいた。
そしてその恐怖のあまり鼻血を出してしまったのであった。
慌ててポケットからティッシュを取り出し鼻に詰める。
「す、す、す、すいませんでした!!!!」
幸乃は申し訳なさそうは表情をして土下座をして何でも頭を下げる。
「言ったよなお前、次遅刻したら干すってな……」
「んま、予想通りだったわね……」
そう言ってもう一人の人物が出てきた。
加藤奈美、38歳、肩までかかったセミロングに黒のウェーブのかかった髪の毛、身長は168で妙齢ながらも年を感じさせない体つきグラマーなHSBナンバー1の大人気アナウンサーだった。
また、今はアナウンサーだけでなく編成部長も兼務しているこの会社でも無くてはならない存在になっていた。
「ちょっと、場所移そうか……」
3人は2分ほど歩いて移動する、ここは一般人も通りかかる場所で周りの人たちから大きく目立っていた。
2分程するとその場所にたどり着いた。
新岸高台公園、郊外の都市らしさを醸し出す住宅街の中になだらかな芝生の斜面に木が生い茂っており、緑のオアシスとしての機能を有していた。
「ハァ、ハァ、本当に、本当にほんとうにすいませんでしたぁ~~~~」
走ったせいで息が上がった中幸乃はそこで座り込み、土下座をしだし社長と奈美に何度も頭を下げる。
その中で社長が物静かながらもどこか威圧感を感じさせながら話し始めた。
「いったよな?この前次遅刻したら覚悟しておけってな?」
その通りだった、この前のロケでも幸乃は遅刻をしてしまい注意をくらっていたところだった。
その言葉に幸乃は恐怖を感じ必死に許しを請うように何度も頭を下げた。
「本当に、本当に次はしません、許してください!!」
「それでも、アイドルやりたい?」
と奈美が助け船を出すように微笑して口を挟み始める。
その言葉に幸乃の表情が変わる、少しの間考えこみながらやりたいと言って首を縦に振った。
しばし幸乃は考え始める、もともと幼いころから頭がよく両親の言われるがままアメリカに留学させられていた。
アイドルになったのも親が帰国後にオーディションに参加させたのが原因だった。
その中でいつしか親がいないところで、自分がやりたいことをそのままやってみたい、親の敷いた道ではなく自分で歩くようになりたいと考えるようになっていた──
「わかったわ、次のあなたの出演するテレビそれはなんと……」
奈美がその内容を告げると幸乃は驚愕した。
「モザイクは夜、あ、あ、あ、あれですか?」
それはHSBの深夜番組のひとつで若手のタレントや芸人達がさまざまなことにチャレンジするという内容だった、しかしその内容は過激でしばし警察にお世話になることもあった程であった。
そして何の企画をやるのか聞いてみると……
「その前にちょっと、これを握ってほしいんだけどどういいかな?」
そういって奈美はポケットから宝玉を取り出す。
それは球状になっていて透き通っていて透明な色をしていた。
奈美の言う通り幸乃はその宝玉を握ってみる、すると……
「す、す、すごい──」
奈美が思わず声を漏らす。
幸乃がその宝玉を握ると宝玉は直視できないくらいに青く光り始めた。
「これは、彼女なら行けそうね、凪なぎ──」
奈美はそう囁く、そして幸乃の両手を握り口を開き始めた。
「幸ちゃん、新企画決まったよ!!」
そして幸乃に彼女の新しい企画を耳打ちして告げた。
「は?」
予想だにしなかった企画に幸乃は唖然とする。
「ちょっと、私聞き間違えちゃった?異世界とか、変な言葉出てきたんだけど……」
そう、彼女は確かにそう言った。
次の幸乃の新企画、それは……
「天才アイドルは異世界に行って勇者になれるのか?」
であると──
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