アイドル候補生の初めてもらったテレビの企画が「天才アイドルは異世界で勇者になれるのか」だった件

静内燕

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エンド・オブ・ザ・ノースランド

最初の強敵

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 ベルがそれに気付き、幸乃は慌てて否定するがどこか焦った表情だった。
 するとその予感は的中し出す。

「足音だ、背後から敵のお出迎えのようだ」

 ミリートの言葉の通りカッカッカッと何者かの足音が背後からしてくる。

「みーくん、足音って何かの動物じゃないの? お、お、お、脅かさないでよ~~」

「ここは山も気もない平原だ、背後には見えている、自分で見てみろその正体を」

 幸乃が動揺しながら話しかけるとミリートは淡々と言葉を返す、彼の言う通り背後からは何者かがこっちに近づいてくる音がした、そして4人がその方向に振り向くと──


「みなさん、戦いますよ、構えてください」

 ベルがそう叫ぶと4人は戦うためにそれぞれの兵器を取り出す。
 数は30体ほど油断さえしなければ苦戦する様な相手ではない。

「みんな、行くよ!!」

 幸乃が大声で掛け声を発する、4人は一斉に冥王兵に立ち向かっていく。
 ベルと幸乃がまず戦闘になって剣を振りかざす。
 その攻撃は冥王兵を引き裂き続けてリルカとミリートも戦う、相手はそこまで強くなかったので10分ほどで戦いは終わる。

「ふぅ、何とか終わりましたね。 それほど強くはなかったですが……」

 額をぬぐいながらベルが言葉をかける。

「確かにそうだ、だがこれから敵の中心地に近づくに従って数も増えていくし強い敵も出てくるだろう」

「はい、お兄様の言う通りですね、気をつけましょう」


 そして4人はさらに北上を続けた。時折冥王兵と対峙し戦う。しかし雑兵程度では4人はひるまず戦う。時に苦戦するまでもなく圧倒。

「幸乃さん、もう夜の時間です今日の寝どころを探さないと」

「え、でもまだ日が暮れていないよ」

 リルカが時計を見て夜だと気付き今日の寝場所を探そうと提案する、しかし日はまだ落ちていなく幸乃はもっと先へ行こうとした、そこへベルが話しの入り説明を始める。

「この季節、では北緯が高いこの地区では夜が存在しないんですよ」

 ベルの説明通りだった、この時期は真夜中になっているにもかかわらず日が沈まない
 いわゆる白夜と呼ばれる時期であった。
 リルカによるとすでに夜の8時を回っていたためこの場所の近くにある湖のほとりにテントを張ることにした。

「ねえみんな、湖きれいだよこれ!!」

 幸乃がみんなを呼び湖を指差す。そこでは湖に白夜の陽光が浮かんでいた、まるで夕陽のようにオレンジ色に湖は光っていて湖がその陽光を反射し美しく輝き絶景とも言うべき景色だった。


「そうですねとてもきれいです」

「うん」







 そして朝になり再び出発し始める。雪で覆われた道を犬ソリで進んでいく、


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 その物体は人間の形をしているが大きさはゆうに100メートルはある巨大な身体をしていたが風体は子供のようだった。

「僕の友達、近づくなぁぁぁぁァァァァァァァァァァ」

「私が1人で冒険者をしていた時に噂を聞いたことがあります。フォレストという突然変異で巨大化した子供がいるって、彼は自身の固有の能力でいつでも身体を巨大化させて強大な力を発揮すると、でもその子は両親からは気味悪がられて捨てられてしまったと」

「そして誰も拾ってもらえず冥王」

 地団駄を踏むとこの場所一帯がまるで自身でもあったかのようにグラグラと揺れる。

「あいつだけ、僕に優しくしてくれたのは。 あいつだけ、僕を化けもの扱いせず友達として助け船をくれたのは。 だから許さない。 ここから先へ進むなら僕は貴様を許さない!!」

「どうやら戦うしかないようです」

 リルカがそう理解するとベルが何かを決めたように口を開き始める。

「みなさん、彼は私が相手をします。 だから先へ行ってください」

「え? でも1人で大丈夫? きっとすごい強いよ」

 幸乃が心配するとベルは大丈夫だといわんばかりに微笑を浮かべ言葉を返す。

「心配ありません、私は必ず勝ちます、それより幸乃さんに体力を消耗させたくないですから」

 そして3人は先へ進み、ベルはフォレストを睨みつけ対決の意思を伝える。


 冥王はみんなが気味が悪いと避けられていた中唯一彼に接近した存在でもあった。

 だから彼のもとには誰も進ませない、まずはこいつを叩きつぶす、他の3人はそれからでいい。



 その強い気持ちを乗せてフォレストはベルに向かってパンチを討ち下ろす。
 力任せに何度も何度も地面にいたベルを殴りつける。

 しかし──

「ぐぅぅぅぅ、ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 しだいにフォレストに焦りの表情を浮かべ始める。

 その理由はフォレストの視線の先のベルだった。何度も何度もその拳を叩きつけ、その地面はボロボロになっている。

 そこには彼が何が何でも殺したかったはずのベルがフォレストをにらみながら佇んでいた。

「ううう、貴様ななんでだぁよぅ!!!!」

 彼はその状況が全く理解できなかった、何度も何度もフォレストはベルに向かってたたきつけているはずだった。

 彼女はそれほど速くちょこまかと動いているわけでもなく軽快なステップでフォレストの攻撃をかわしていた。

 一発ならわかる、しかしベルはそれを何度も何度もかわしていた、流石にフォレストも理由を考える、何故か……、分からないがどうにかしてかわしているのだろう。

「クソが、これならどうだァァァァァァ!!」

 そう考えた途端策を思いついたようでフォレストは高くジャンプ、考えついたのはその巨体でのボディプレスだった、巨大化したその身体はゆうに足から頭まで100メートルもある。これならこの女はよけきれまいと考えたフォレストの攻撃が大地を揺らす。

 まるで隕石が衝突したような大きな衝撃がこの場を襲う。

「勝った、このクソ女、僕の親友を襲うクソ女を殺した」

 彼が勝利を確信した瞬間へそのあたりにチクリとした感覚を感じた。

「え──?」

 それはまるで針のような感覚で周期的にチクチクと着いてくるような感覚だった。同時にその理由がすぐに頭に浮かぶ。

(まさか……)

 フォレストはすぐに立ち上がる、すると森がつぶれ抉れ上がった地面に視線を移す、すると。

「ぐっ、何故──」
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