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フリジオ王国編
〖パーティー視点〗 不協和音、そして崩壊へ
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一方。
「くっそ……。なんでつええんだよこいつらは」
薄暗いダンジョンの中。数多の激戦によって体力も魔力も消耗しきっていたアドナがつぶやく。
ウェルキたちは死線をさまよっていた。
フライ達に負けまいと街で一休憩した後、すぐに遺跡の場所を聞き出だした。(なおこの時暴力や脅迫を使った模様)
そしてろくな作戦も立てずにすぐにダンジョンへと向かっていったのだ。
俺たちに今度こそ負けないという理由でだ。
当然悪手中の悪手。
普通は多少時間を割いてでもダンジョンのことを調べ、それに見合った作戦を立てる。
そうすれば無駄な魔力を消費したり、奇襲を受けるリスクも減る。
命がけな冒険の以上、一パーセントでも生存率を高めるのは当然のことだ。
自分だけじゃない。仲間たちの命までかかっているのだから。
今までは俺がその役割を担っていたが、もう俺はこのパーティーにはいない。
事実ダンジョンの中では幾度となく奇襲を食らい、
これには部外者だったトランもあきれるばかり。
「本当に脳筋で使えないやつばかりだな」
おまけに道に迷い、余計な敵と出くわしたおかげで余計に魔力を消耗してしまている。
今まではダンジョンの攻略にここまで苦戦をしてこなかった。俺がいたころは苦戦をしないようにうまく敵を避け立ち、戦っているときも体力の消耗を抑えられるように気を使っていたからだ。
しかしそんな俺の介護がない今、苦戦続きで切迫した状況が続き、だんだんとピリピリとした雰囲気になっていった。
「クソ、フライの野郎。俺たちを裏切ったこと、絶対に後悔させてやる!」
「でも、首にしたのは私達だよね」
アドナは今までにないくらい焦っている。
今まで彼は短期間の間にこのパーティーをSランクまで引っ張ったのは俺の戦果だという自信を持っていた。
自分が常に前戦で大活躍をして、大量の敵を葬っていた。
その時に俺が何をしていたかなんて全く気にかけていない。
雑用係の荷物持ちという印象でしかなかったのだ。
あんなザコの代わりなど、この国に吐いて捨てるほどいる。
そう考えて、フライを首にしたというのに──。
それが今、フライがいないだけでこのありさま。
その怒りは、フライがいない今自然と他の仲間達へと向かっていったのだ。
「ったくよ。お前の援護がクソだからこんなに苦戦してんだよ。さっきも、お前の攻撃全部威力不足で聞いてないじゃねぇかよ」
その言葉を聞いたキルコは怒りを爆発させた。
キルコが舌打ちをすると、機嫌が悪そうに言葉を返す。
「アドナ、何偉そうに言ってるのよ。ウェルキもよ。あんた最近活躍していない癖に何命令ばっかしてんのよ」
「うるっせぇよ。てめえのサポートが悪いからだろうが!」
頭に血が上ったウェルキがキルコの胸ぐらをつかむ。
しかしキルコはひるまない。
たまりにたまった不満を爆発させる。
「私だって頑張ってるわよ。大体あんただって最近斬撃の威力も速度もがた落ちじゃない。だから攻撃がこっちまで来てうまく魔力を集中できないのよ。あんたのせいよ!」
「ああ? お前の援護がクソだからだっつうの。周囲のせいにするのもいい加減にしろよな!」
「こんな時に仲間割れかよ。心の底からどうしようもねぇ奴らだな──」
醜い味方同士の仲間割れ、そんな光景を見てトランはあきれ果てる。
するとダンジョンの奥から再びかっかっと足音が聞こえだした。
真っ黒い光に包まれてる。犬耳に筋肉質な体。それから、騎士のような甲冑をしている。
そんな奴らが十体ほど。
戸惑っているアドナたちにトランが腕を組みながら相手じっと見つめ、正体を見破る。
「あれはコボルト騎士ってやつだ。コボルトの上位種。真黒な光、結構強いと感じる」
「何それ、コボルトは聞いた事あるけど──」
キルコの言う通り、上位種というのは他のオークとかでも存在する。しかしコボルトの上位種というのはあまりメジャーではない。
「けっコボルトかよ。そんな雑魚野郎瞬殺にしてやるよ」
「待て、アイツら何か特殊な力を持っているぞ!」
トランの静止をウェルキは聞きもしない。脊髄反射のごとく突っ込んでいった。
「もう、仕方ないわね。ミュア、援護するわよ」
「はい、わかりました」
すぐに二人もウェルキの援護に入る。
「仕方ねぇな。ほんと脳筋ばっかりだよなこいつら」
アドナ、そしてやれやれとあきれながらトランも加勢に入り、全面対決が始まった。
「クソっ、なんで最近調子が戻らねぇんだよ。こんなやつら、いつもなら屁でもねぇのに──」
苦戦しながらウェルキは現状を嘆く。
確かにフライと別れてから剣を振る速さが落ちたとは感じた。威力も落ちたとは感じた。
以前ならコボルトなど瞬殺だった。この位の敵、数十秒で片が付いたはずだった。
だが、それは俺の加護があっての事。それがなくなった今、コボルトの強化版一匹に苦戦中だ。
これがウェルキの本来の実力だったのだ。キルコたちの援護があってやっと数匹倒せるくらいの力だ。
俺の加護があって初めてこいつらを倒せる。
それが彼らの強さだ。
彼の脳内にはトランから聞いた一つの言葉がよぎり始める
「お前たちはフライってやつのおかげで強くなって、かろうじてSランクを保っているんだよ」
という正論。当然その時は怒鳴って言葉を返した。
「んなことはねぇ。これは俺たちの実力だ。あいつは、足かせなんだよ!」
しかし、その真実を受け入れる器は、彼らの中にはなかった。
「てめぇらクソ野郎が、俺たちの栄光を邪魔するんじゃねぇぇ!」
ウェルキがコボルトたちに剣をふるっていく。
なかなかダメージを与えられない焦りからか、どんどん前のめりにコボルト騎士を攻め立てていく。
「この野郎、早くくたばりやがれぇぇぇぇ!」
その叫びをあざ笑うかのようにコボルト騎士はひらりと攻撃をかわした後、ウェルキにカウンターを浴びせた。
何とかかわそうとしたものの、攻撃はわき腹に少しだけヒット。
あと少しタイミングが遅れていれば、致命傷になるところだった。
そしてさらに別のコボルト騎士が、ウェルキに襲い掛かろうとする。
二対一ではさすがに分が悪い、ウェルキがその現実に顔をゆがめたその時──。
ズバァァァァァァァァァァァァァァァ!
「このザコ野郎。こんなやつらに苦戦してんじゃねぇよ。仮にもSランクだったんだろうがお前ら」
背後からトランがやってきてコボルト騎士を一刀両断。
さすがはAランクといった所か、それからもミュアとキルコの援護を味方に次々とコボルト騎士たちを切り裂いていく。
「けっ、まぐれだよ。だろアドナ」
「まあなウェルキ。だが、それでも助かったことに変わりはあるまい」
その後も五人が必死で戦ったおかげでコボルト騎士たちは一掃された。
討伐したのはほとんどはトランのおかげであったが。
「とりあえず、休憩しよう。それから、道を進む」
「──わかった」
この戦い、確かに勝利したもののトランの奮戦のおかげというのが大きい。
これ以降、このパーティーの主導権はトランへと移っていく。
彼はウェルキ、アドナとは違い感情任せの脳筋ではなく少しは考える力がある。
しかし以前ミュアを見捨てたように生き残るためなら平気で仲間を切り捨てるような奴でもある。
それが後々彼らの運命をどのように変えていくのか──。
そしてウェルキは──。
「けっ、なんでリーダー面してるんだよ。気に入らねぇ」
当然よく思っていなかった。そしてこの感情が彼の運命を決定づけるものになるとは、この時はまだ思いもしなかった。
心の底に、隠しきれない敵意を抱えながら、わだかまりを抱えたまま、彼らは道の奥へと進んでいくのであった。
「くっそ……。なんでつええんだよこいつらは」
薄暗いダンジョンの中。数多の激戦によって体力も魔力も消耗しきっていたアドナがつぶやく。
ウェルキたちは死線をさまよっていた。
フライ達に負けまいと街で一休憩した後、すぐに遺跡の場所を聞き出だした。(なおこの時暴力や脅迫を使った模様)
そしてろくな作戦も立てずにすぐにダンジョンへと向かっていったのだ。
俺たちに今度こそ負けないという理由でだ。
当然悪手中の悪手。
普通は多少時間を割いてでもダンジョンのことを調べ、それに見合った作戦を立てる。
そうすれば無駄な魔力を消費したり、奇襲を受けるリスクも減る。
命がけな冒険の以上、一パーセントでも生存率を高めるのは当然のことだ。
自分だけじゃない。仲間たちの命までかかっているのだから。
今までは俺がその役割を担っていたが、もう俺はこのパーティーにはいない。
事実ダンジョンの中では幾度となく奇襲を食らい、
これには部外者だったトランもあきれるばかり。
「本当に脳筋で使えないやつばかりだな」
おまけに道に迷い、余計な敵と出くわしたおかげで余計に魔力を消耗してしまている。
今まではダンジョンの攻略にここまで苦戦をしてこなかった。俺がいたころは苦戦をしないようにうまく敵を避け立ち、戦っているときも体力の消耗を抑えられるように気を使っていたからだ。
しかしそんな俺の介護がない今、苦戦続きで切迫した状況が続き、だんだんとピリピリとした雰囲気になっていった。
「クソ、フライの野郎。俺たちを裏切ったこと、絶対に後悔させてやる!」
「でも、首にしたのは私達だよね」
アドナは今までにないくらい焦っている。
今まで彼は短期間の間にこのパーティーをSランクまで引っ張ったのは俺の戦果だという自信を持っていた。
自分が常に前戦で大活躍をして、大量の敵を葬っていた。
その時に俺が何をしていたかなんて全く気にかけていない。
雑用係の荷物持ちという印象でしかなかったのだ。
あんなザコの代わりなど、この国に吐いて捨てるほどいる。
そう考えて、フライを首にしたというのに──。
それが今、フライがいないだけでこのありさま。
その怒りは、フライがいない今自然と他の仲間達へと向かっていったのだ。
「ったくよ。お前の援護がクソだからこんなに苦戦してんだよ。さっきも、お前の攻撃全部威力不足で聞いてないじゃねぇかよ」
その言葉を聞いたキルコは怒りを爆発させた。
キルコが舌打ちをすると、機嫌が悪そうに言葉を返す。
「アドナ、何偉そうに言ってるのよ。ウェルキもよ。あんた最近活躍していない癖に何命令ばっかしてんのよ」
「うるっせぇよ。てめえのサポートが悪いからだろうが!」
頭に血が上ったウェルキがキルコの胸ぐらをつかむ。
しかしキルコはひるまない。
たまりにたまった不満を爆発させる。
「私だって頑張ってるわよ。大体あんただって最近斬撃の威力も速度もがた落ちじゃない。だから攻撃がこっちまで来てうまく魔力を集中できないのよ。あんたのせいよ!」
「ああ? お前の援護がクソだからだっつうの。周囲のせいにするのもいい加減にしろよな!」
「こんな時に仲間割れかよ。心の底からどうしようもねぇ奴らだな──」
醜い味方同士の仲間割れ、そんな光景を見てトランはあきれ果てる。
するとダンジョンの奥から再びかっかっと足音が聞こえだした。
真っ黒い光に包まれてる。犬耳に筋肉質な体。それから、騎士のような甲冑をしている。
そんな奴らが十体ほど。
戸惑っているアドナたちにトランが腕を組みながら相手じっと見つめ、正体を見破る。
「あれはコボルト騎士ってやつだ。コボルトの上位種。真黒な光、結構強いと感じる」
「何それ、コボルトは聞いた事あるけど──」
キルコの言う通り、上位種というのは他のオークとかでも存在する。しかしコボルトの上位種というのはあまりメジャーではない。
「けっコボルトかよ。そんな雑魚野郎瞬殺にしてやるよ」
「待て、アイツら何か特殊な力を持っているぞ!」
トランの静止をウェルキは聞きもしない。脊髄反射のごとく突っ込んでいった。
「もう、仕方ないわね。ミュア、援護するわよ」
「はい、わかりました」
すぐに二人もウェルキの援護に入る。
「仕方ねぇな。ほんと脳筋ばっかりだよなこいつら」
アドナ、そしてやれやれとあきれながらトランも加勢に入り、全面対決が始まった。
「クソっ、なんで最近調子が戻らねぇんだよ。こんなやつら、いつもなら屁でもねぇのに──」
苦戦しながらウェルキは現状を嘆く。
確かにフライと別れてから剣を振る速さが落ちたとは感じた。威力も落ちたとは感じた。
以前ならコボルトなど瞬殺だった。この位の敵、数十秒で片が付いたはずだった。
だが、それは俺の加護があっての事。それがなくなった今、コボルトの強化版一匹に苦戦中だ。
これがウェルキの本来の実力だったのだ。キルコたちの援護があってやっと数匹倒せるくらいの力だ。
俺の加護があって初めてこいつらを倒せる。
それが彼らの強さだ。
彼の脳内にはトランから聞いた一つの言葉がよぎり始める
「お前たちはフライってやつのおかげで強くなって、かろうじてSランクを保っているんだよ」
という正論。当然その時は怒鳴って言葉を返した。
「んなことはねぇ。これは俺たちの実力だ。あいつは、足かせなんだよ!」
しかし、その真実を受け入れる器は、彼らの中にはなかった。
「てめぇらクソ野郎が、俺たちの栄光を邪魔するんじゃねぇぇ!」
ウェルキがコボルトたちに剣をふるっていく。
なかなかダメージを与えられない焦りからか、どんどん前のめりにコボルト騎士を攻め立てていく。
「この野郎、早くくたばりやがれぇぇぇぇ!」
その叫びをあざ笑うかのようにコボルト騎士はひらりと攻撃をかわした後、ウェルキにカウンターを浴びせた。
何とかかわそうとしたものの、攻撃はわき腹に少しだけヒット。
あと少しタイミングが遅れていれば、致命傷になるところだった。
そしてさらに別のコボルト騎士が、ウェルキに襲い掛かろうとする。
二対一ではさすがに分が悪い、ウェルキがその現実に顔をゆがめたその時──。
ズバァァァァァァァァァァァァァァァ!
「このザコ野郎。こんなやつらに苦戦してんじゃねぇよ。仮にもSランクだったんだろうがお前ら」
背後からトランがやってきてコボルト騎士を一刀両断。
さすがはAランクといった所か、それからもミュアとキルコの援護を味方に次々とコボルト騎士たちを切り裂いていく。
「けっ、まぐれだよ。だろアドナ」
「まあなウェルキ。だが、それでも助かったことに変わりはあるまい」
その後も五人が必死で戦ったおかげでコボルト騎士たちは一掃された。
討伐したのはほとんどはトランのおかげであったが。
「とりあえず、休憩しよう。それから、道を進む」
「──わかった」
この戦い、確かに勝利したもののトランの奮戦のおかげというのが大きい。
これ以降、このパーティーの主導権はトランへと移っていく。
彼はウェルキ、アドナとは違い感情任せの脳筋ではなく少しは考える力がある。
しかし以前ミュアを見捨てたように生き残るためなら平気で仲間を切り捨てるような奴でもある。
それが後々彼らの運命をどのように変えていくのか──。
そしてウェルキは──。
「けっ、なんでリーダー面してるんだよ。気に入らねぇ」
当然よく思っていなかった。そしてこの感情が彼の運命を決定づけるものになるとは、この時はまだ思いもしなかった。
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