~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕

文字の大きさ
43 / 203
フリジオ王国編

唯一王 強敵と出会う

しおりを挟む
 さあ、先へ進もう。

 それから俺たちはさらに道を進む。
 途中コボルトやオークと遭遇。当然俺たちを敵と認識して、戦闘。
 すぐに倒して先へと進んでいく。

 そしてその道中の景色を見て一つの真実に気づく。

「誰かがダンジョンに入っているんだ」

 所々に魔物の死骸が道端に散らかっているのが確認できる。
 何があったのか調べるため、その死体を見てみた。

「多分この先に、誰かいる」

「なんでわかるの?」

「死体、触ってみたけどまだ暖かいし、腐った匂いもしない。まだ新しい。恐らくだけど、この先にいると思う。ここでこのゴブリンと戦った奴らが」

 もっとも、それが誰だかはわからない。けれど、一応警戒はしておこう。

「味方であることを、祈るしかなさそうですね」

「──そうフィッシュ。先へ進むしか、無いフィッシュ」

 そして俺はさらに道を進んでいった。
 やがて山のふもとの様な場所にたどり着いた。

「ここがダンジョンの奥への入り口よ」

 洞窟の入り口のような場所。中は真っ暗。
 俺が魔法によって明かりを灯し、洞窟の先へと進む。



 明かりをともしたとはいっても道の先までは照らせない。どんな罠が待ち構えているかわからず、ゆっくりと周囲を警戒しながら中へと進む。


 ダンジョンにふさわしい雰囲気をした道を歩いていく。

 このダンジョンの中でも、魔物たちの死体を時折見かける。
 冒険者達と戦った後だ。

 それも損傷が相当激しい。かなり激戦を繰り広げていたのだろう。

 体力も相当消耗しているはずだ。少し触ってみた。

「この死体、まだ暖かい。まだ戦って時間がたっていない」

「つまり、この先に戦っていた冒険者がいるってことね」

「そうだな」

 激戦を繰り広げているということはその冒険者もダメージを受けているってことだ。
 傾向的に、ダンジョンの奥に行けば行くほど強い敵が多くなる。

 大丈夫だろうか。

 それだけじゃない。強い魔物と対峙したら、力を合わせてくれるタイプの冒険者なのだろうか。
 冒険者によっては獲物を横取りされることを恐れ、襲ってくる奴だっていた。

 今はまだわからないけれど、どんな奴らと出会っても対応できるように警戒はしておこう。

 そんな説明をフリーゼたちに行い、さらに道を進んだ。

 もちろん、どこから攻撃が飛んできてもいいように神経を研ぎ澄ませながら。

 そして、そんな時──。

 ドォォォォォォォォォォォォォォォン!

 道の奥から爆発音がした。それも普通の術式ではここまで大きな爆発音は出ない。かなりのクラスの音。

 フリーゼたちも一気に警戒モードになったようで、真剣な表情になる。
 そしてレディナが話しかけてくる。

「あの奥がダンジョンの最深部よ。何かあるはずよ。行ってみましょう」

「そうですねレディナ。行ってみましょう」

 最深部か。レディナの情報通りなら一番強いやつがいるはずだ。

 最深部とはそういう場所だ。
 そして俺たちは速足になりダンジョンの最深部へと向かっていく。


「着いたわ。ここが最深部よ」

 ダンジョンの最深部。薄暗くて広い大広間みたいなつくりになっている。

 壁には神秘的な模様の壁画があったり、見たこともないような文字の文章が羅列したりして、別世界のような雰囲気を醸し出している。


 そしてこの部屋の中央には敵対している集団がいた。

 まず一つ目──。

「アドナ、お前たちこんなところに潜り込んでたのかよ」

 そこにいたのはなんとアドナたちだ。
 ウェルキにキルコ、ミュア。それからトランもいる。

 するとウェルキがにらみつけてきた。

「お前たち、何しに来たんだよ。分け前ならやらねぇぞ!」

 相変わらずのケンカ腰。その言葉を聞いてレディナは警戒したような表情になり、俺たちの一歩前に出ると忠告をしはじめた。

「ちょっと、そんな事言ってる場合? あいつを倒すことがまず第一じゃないの?」

 目の前にあるもう一つの勢力に目を向けながら──。

「ああん、あんなの見掛け倒しだろ? 余裕でぶった押してやるよ!」

 アドナはレディナの忠告に耳を貸さない。
 今までもウェルキは人の話を聞かず攻撃的に突っかかることが多かったが、今はいつにもましてひどい。

 おそらくはSランク称号をはく奪され、傷つけられた自尊心を守ろうとして、過剰に攻撃的になっているのだろう。

「というかなんでこんなところに来たんだ? ここに来るクエストなんて存在していないはずだったろ?」

「へへっ、ここから金のにおいがしたんでよぉ。来て見ればこの状況だ。この強そうな魔物を倒して、またSランクに返り咲いてやるぜ!」

 その言葉に俺は視線を彼らの先へと向けた。

 大広間の奥には、財宝たちが山のように連なっている。手に入れれば相当な金になりそうだ。
 最も持ち出して生きて帰ることができればということだが──。


 しかしそれを遮るようにもう一つの集団がこちらを威嚇してにらみつけている。

 真っ黒い光を身にまとった、首がない騎士が十体ほど。
 そして彼らが取り巻きとなって、その中心にひときわ巨大な肉体を纏った魔物がこちらをにらみつけている。

 その魔物からは強い魔力の気配がした。

「あいつがこの遺跡で一番強い魔物、『ウツロ』よ」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...