~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕

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最終章 天界編

最後の決着

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「どうしました? 守ってるだけじゃ勝てないですよ」

 力が、強い──。一撃一撃に彼女の想いが乗っかっているのがわかる。
 攻撃を受けるのだけで精一杯で、攻撃に移ることが全くできない。

 まだ一歩足りない──。セファリールに勝つためには──。
 そう考えているうちに、セファリールはどんどん踏み込んで切る。もちろん、前がかりに出たからと言って、スキを見せるなんてしない。

 攻撃をしながら、話しかけてくる。

「フライ──確かにあなたは強い。ただ力に頼るだけでなく、しっかりと彼女たちの力を使いこなしています」

「それは、ありがとう」

「今までの行いも、素晴らしきものだと、賞賛いたします。しかし──」

 そう言ってセファリールが一気に踏み込んでくる。

「私を倒すには、それでは一歩足りません」

 そして、聖剣に今までないくらい、強い力を込めてきた。
 剣が、眩しいくらいに魔力で光っているのがわかる。
 今までよりも、一層強いパワーの攻撃で、剣を振り下ろしてきた。

 その攻撃に対応できず、のけ反る形になってしまう。

 そして、その瞬間を──セファリールは見逃さなかった。

「フライさん!」

「フライ!」


 みんなの悲鳴が聞こえだす。
 そして、セファリールは強く蹴りを見舞う。攻撃を受けきることができず、体が投げ飛ばされてしまう。

 ──スキを見せるわけにはいかない。
 何とか立ち上がり、こっちも剣を向ける。セファリールは追撃してくるのをやめた。

 それでも、セファリールは攻め続けてきた。さっきまでよりも、ずっと激しい連続攻撃。
 彼女の、この勝負にかける思いがとても伝わってくる。

 そして──。

「これで終わりです」

 運命を導く力、今ここに現出し──裁きの鉄槌を下せ!

 シャイニング・スターライトアロー

 セファリールの聖剣から真っ白い光を伴った光線が出現。
 それが俺に向かって発射される。

 障壁を作って防ごうとするが……。

「そんなおもちゃ、通用しません」

 セファリールの言葉の通り作り出した障壁は一瞬で崩壊。圧倒的な威力に防ぐすべはなく、大爆発を起こして直撃。

「ドォォォォォォォォォォォォォォォン!」

「フライ!」

「フライさん!!」


 俺の体は大きく後方に吹き飛び、そのまま転がり込んだ。
 そして、俺の元にセファリールが歩いて来る。

「どうですか? これが私の力です」

「まだだ、まだ、戦える」

 何とか立ち上がる。
 けれど、次同じ攻撃を食らったらもう戦えないだろう。

「あと少し──といった感じですね」


 その言葉通りだ。いよいよ追い詰められた。それでも、絶望は感じなかった。
 俺一人ではないから。みんながいるから──。

「大丈夫。俺は負けない」

 そう言って、フリーゼのことを想いだす。
 今度は、フリーゼの力だ。

 深呼吸をして、フリーゼの力を剣に込める。

 大丈夫。

 魔力が全身を包む。ほんのりと、ぬくもりがあり暖かい。
 彼女のやさしさが現れてるようだ。

 言葉こそ交わさなくても、理解出来ていた。
 これが、最後の一撃になると。

 セファリールの消耗具合、俺の残り魔力から分かる。

 次の一撃で、勝った方が戦いに勝利するだろうと──。

「さあ、最後の一撃です。これで、私はあなたを倒します」

「それはこっちのセリフだ。俺は。絶対に勝って見せる」


 互いに剣を向け、じっと見合う。
 そして、互いに相手の方に向かっていき、最後の一撃を放っていく。

 最後の、全ての力を込めた一撃。




 五つの輝き、今一つとなりて希望を刺す道となれ

 スタースラッシュ・ザ・ライトニング


 俺が放った、最後の、全力を込めた攻撃。全力で剣を振りかざす。
 セファリールの攻撃を吹き飛ばし、彼女に直撃。
 勝負は、一瞬で終わった。

 セファリールの体が後方に吹き飛んでいき、倒れこんだまま動かない。
 どうやら、勝負はついたようだ。

 フリーゼの表情が、はっと明るくなった。

「……フライさん」

 レディナ達3人は、喜びをあらわにしてハイタッチを決めている。

「やったでフィッシュ。すごいでフィッシュ!」

「すごいよフライ。流石だよ」

「もう、心配したじゃない──ばか」

 そしてフリーゼは。まるで女神のような、優しい微笑みを見せ、目からうっすらと涙を浮かべていた。

「フライさん──流石です」

 俺はふらふらとしながら彼女たちに近づくと、みんな俺に抱き着いてきた。
 彼女達の、柔らかい体を前面に感じてしまい、ドキッとしてしまう。

「待って、まだ終わってないから」

 そうだ。話を聞かないと。
 俺は熾天使たちやツァルキールの方向に視線を向けた。

「勝った。フライさんが──、セファリールに……」

 セファリールに勝ったという事実が信じられないのか、大きく目を見開きただ俺の方を見ている。



 セファリールは、ただ倒れこみ、青空を見上げていた。

「私は、わずかたりとも油断なんてしていませんでいた。今までで、最高の想いを込めて──、最強の力を使った、最高の攻撃──、それが破れました」

「うそ……ですわよね」


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