悪役令息アルフレッドのため息〜断罪処刑を絶対回避して平和な未来を手にいれるぞ!〜

コロン

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10. 悪役令息、絶対絶命のピンチ

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 「ルーク早く逃げて!」

 絡まれた大柄な男達から守るべく、恐怖に震える身体を抑えながら、ルークの前に立ち精一杯の声をあげた。

 そう僕は今、絶賛、絶対絶命のピンチだ。


 二人楽しく市井を散策し、ルークのお母さんにプレゼントの髪飾りも買って、ドキドキしながら渡しに行った。

 「お友達になってくれてありがとう。」
って、すごく喜んでくれて、久方ぶりの母子の対面にほのぼのした気分を味わった。

 前世ぶりにワクワクした一日を過ごして帰路に着く所だった。

 近道をしようと、薄暗い路地に入ったのが行けなかった。



 「よう、可愛いにいちゃんじゃないか?俺達と一緒に遊んで行こうぜ!」

 どう見ても柄の悪い破落戸達が、ルークに目を付け声をかけて来た。

 「いえ、僕達はもう家に帰らなきゃいけないので、失礼します。」

 ルークが、毅然とした態度で断りの言葉を、口にする。

 なのに、そいつらはすごくしつこくて、ルークの手をとり強引に連れて行こうとする。

 「やめろ、ルークの手を離せ!」

 僕は、必死でその手を離そうとする。
 だが、力で敵う訳もなく、

 「何だ?やっぼったい奴だな。お前には用はないんだよ!あっちへ行け!」

 簡単に引き剥がされて、路地に力一杯倒されてしまう。

 「アル様!」

 ルークが、泣きそうな顔で振り返る。

 ああそうだ、確か小説では、悪役令息の僕アルフレッドが、嫉妬心から破落戸を雇ってルークを襲わせるんだったな。

 形は違っても、同じ事が起きるなんて‥油断していた。

 僕はまた、目には見えない強制力の様な物を感じて、絶望しかけた。

 だめだ、今はそんな事考えてる場合じゃない。

 ルークを助けなきゃ。

 恐怖心を拭いながら、立ち上がる。

 そして、もう一度ルークを引き離し、僕の後ろに庇った。

 「早く!ルーク早く逃げて!」

 「だめです!アル様も一緒に、」

 「あいつらは、ルークが目当てなんだ。僕は大丈夫だから‥」

 「はぁ、早くその子を渡せって言ってるだろ!さもないと、」

 破落戸のボスみたいなやつが、刃物をちらつかせた。

 絶対、ルークに怪我なんてさせない。

 そんな事になったら、セドリック様が悲しむ。

 僕はどうなったっていい。

 たとえルークを襲わせたと勘違いされて、断罪される事になっても‥

 絶対に助けなくちゃ。

 僕は、大好きな二人に幸せでいて欲しいんだ。

 だから、無我夢中で飛び出して行った。


 刃物を持ったあいつらは怖かったけど、少しでも時間を稼げるかと思って、体当たりした。

 何度か殴られて、所々身体も切られたのか、チクチク痛いけど、僕が守らなきゃ。

 ルーク、泣かないで、早く逃げて‥


 「何だこいつ、よく見たら可愛い顔してるじゃねーか。それに、すげぇいい匂いがする‥」

 殴る手が一瞬止まった。

 「アル様に手を出すなー!」


 破落戸の仲間に羽交締めにされていたルークが、声をあげたその瞬間、何処からともなく騎士が現れ、破落戸達をなぎ倒して行く。



 ああ、良かった。助かった。

 ルークを守れて本当に良かった。

 ほっとした僕は、急に力が抜けて、意識が遠のいて行った。

 微睡む意識の中、暖かい物に包まれながら、ここにいるはずのないセドリック様の声を聞いた気がした。

 何だか、必死に僕の名を呼んでいる様なそんな声。

 そんな事ある訳ないのにな。
 
 きっと僕の願望だな。

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