4 / 10
4.小説の中の僕と今の僕
しおりを挟む
アルフレッド・ベンジャミンは、前世の僕が読んでいたライトノベルに出てくる悪役の公爵令息だ。
男性も女性と同じく妊娠する事が可能な、オメガも存在するオメガバースの世界であった。
確か、公爵家の力を笠に王太子の婚約者になるのだが、その難ありの性格で、関係は上手くいかず、後に現れる平民出身の男爵令息と恋に落ちた王太子に、色々やらかした罪に問われ、あっけなく断罪、処刑されるのだ。
わがまま放題に育った世間知らずのお坊ちゃまが、品行方正で優秀な国家の長となるべく教育を受けた王子に、早々に愛想をつかされるのも想像に値する訳で・・・。
自分に向けられない愛情を一心に受ける男爵令息に、激しい嫉妬心を抱き、暴言や嫌がらせ、ついには破落戸を使った暴行未遂事件を起こしたのだ。
未遂だけでは、処刑という重い罪に問われるのはどうかと思うが、犯行時、男爵令息は王太子と一緒に城下を散策中だったのだ。
まさか、王子が自らの身を挺して、彼を守るとは。
まさかその時、破落戸の振りかざした剣によって軽傷とはいえ負傷するとは。
まさか、脅すだけのつもりの犯行が、王家を巻き込んだ大事になるとは。
そして、あっさりと黒幕がアルフレッドである事が判明し、弁解の余地なく断罪。
あっけなくこの世を去る。
その後、王子と男爵令息は、身分差の問題も解決しながら二人の愛を深め、無事結ばれハッピーエンド。
幸せになりましたとさ。
何だ。このテンプレ展開は!
一読者の時は、アルフレッドがその悪行によって断罪されて、ざまあって思ってたけど。
いきなり処刑とは、もと日本人の感覚としては、ちょっと罪が重すぎる。
せめて、身分はく奪の上の平民落ち、もしくは国外追放ぐらいで良くない?
あー、なんでよりによって、アルフレッドに転生しちゃうかな~。辛い。ほんとに辛い。
今はショックで、どうしたら良いのか分からない。
あーいやだー。逃げ出したいよ~。
現実逃避しか考えられない中、半面ふと俯瞰して、今の自分を見ている冷静な自分自身の感情にも気が付いた。
逃げてどうする?
そもそも逃げるってどうやって?
今は、これからどうするか考える事が一番大事なんじゃないか?
未来に起こるであろう最悪の出来事を回避する事を考えるんだ。
そうだ。王子に断罪される人生ではなく、幸せな人生を歩むために。
自分自身で、これからの人生を切り開いて行くんだ。
「僕は生きる。絶対生き残ってやるんだ。」
涙目になりながらも、僕は決意新たに立ち上がったのだった。
「ぐすっ。」
鼻水はすすったけどね。
男性も女性と同じく妊娠する事が可能な、オメガも存在するオメガバースの世界であった。
確か、公爵家の力を笠に王太子の婚約者になるのだが、その難ありの性格で、関係は上手くいかず、後に現れる平民出身の男爵令息と恋に落ちた王太子に、色々やらかした罪に問われ、あっけなく断罪、処刑されるのだ。
わがまま放題に育った世間知らずのお坊ちゃまが、品行方正で優秀な国家の長となるべく教育を受けた王子に、早々に愛想をつかされるのも想像に値する訳で・・・。
自分に向けられない愛情を一心に受ける男爵令息に、激しい嫉妬心を抱き、暴言や嫌がらせ、ついには破落戸を使った暴行未遂事件を起こしたのだ。
未遂だけでは、処刑という重い罪に問われるのはどうかと思うが、犯行時、男爵令息は王太子と一緒に城下を散策中だったのだ。
まさか、王子が自らの身を挺して、彼を守るとは。
まさかその時、破落戸の振りかざした剣によって軽傷とはいえ負傷するとは。
まさか、脅すだけのつもりの犯行が、王家を巻き込んだ大事になるとは。
そして、あっさりと黒幕がアルフレッドである事が判明し、弁解の余地なく断罪。
あっけなくこの世を去る。
その後、王子と男爵令息は、身分差の問題も解決しながら二人の愛を深め、無事結ばれハッピーエンド。
幸せになりましたとさ。
何だ。このテンプレ展開は!
一読者の時は、アルフレッドがその悪行によって断罪されて、ざまあって思ってたけど。
いきなり処刑とは、もと日本人の感覚としては、ちょっと罪が重すぎる。
せめて、身分はく奪の上の平民落ち、もしくは国外追放ぐらいで良くない?
あー、なんでよりによって、アルフレッドに転生しちゃうかな~。辛い。ほんとに辛い。
今はショックで、どうしたら良いのか分からない。
あーいやだー。逃げ出したいよ~。
現実逃避しか考えられない中、半面ふと俯瞰して、今の自分を見ている冷静な自分自身の感情にも気が付いた。
逃げてどうする?
そもそも逃げるってどうやって?
今は、これからどうするか考える事が一番大事なんじゃないか?
未来に起こるであろう最悪の出来事を回避する事を考えるんだ。
そうだ。王子に断罪される人生ではなく、幸せな人生を歩むために。
自分自身で、これからの人生を切り開いて行くんだ。
「僕は生きる。絶対生き残ってやるんだ。」
涙目になりながらも、僕は決意新たに立ち上がったのだった。
「ぐすっ。」
鼻水はすすったけどね。
153
あなたにおすすめの小説
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
生まれ変わったら俺のことを嫌いなはずの元生徒からの溺愛がとまらない
いいはな
BL
田舎にある小さな町で魔術を教えている平民のサン。
ひょんなことから貴族の子供に魔術を教えることとなったサンは魔術の天才でありながらも人間味の薄い生徒であるルナに嫌われながらも少しづつ信頼を築いていた。
そんなある日、ルナを狙った暗殺者から身を挺して庇ったサンはそのまま死んでしまうが、目を覚ますと全く違う人物へと生まれ変わっていた。
月日は流れ、15歳となったサンは前世からの夢であった魔術学園へと入学を果たし、そこで国でも随一の魔術師となった元生徒であるルナと再会する。
ルナとは関わらないことを選び、学園生活を謳歌していたサンだったが、次第に人嫌いだと言われていたルナが何故かサンにだけ構ってくるようになりーーー?
魔術の天才だが、受け以外に興味がない攻めと魔術の才能は無いが、人たらしな受けのお話。
※お話の展開上、一度人が死ぬ描写が含まれます。
※ハッピーエンドです。
※基本的に2日に一回のペースで更新予定です。
今連載中の作品が完結したら更新ペースを見直す予定ではありますが、気長に付き合っていただけますと嬉しいです。
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました
まんまる
BL
貧乏男爵家の次男カナルは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。
どうして男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へいく。
しかし、殿下は自分に触れることはなく、何か思いがあるようだった。
優しい二人の恋のお話です。
※ショートショート集におまけ話を上げています。そちらも是非ご一読ください。
時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
泥酔している間に愛人契約されていたんだが
暮田呉子
BL
泥酔していた夜、目を覚ましたら――【愛人契約書】にサインしていた。
黒髪の青年公爵レナード・フォン・ディアセント。
かつて嫡外子として疎まれ、戦場に送られた彼は、己の命を救った傭兵グレイを「女避けの盾」として雇う。
だが、片腕を失ったその男こそ、レナードの心を動かした唯一の存在だった。
元部下の冷徹な公爵と、酒に溺れる片腕の傭兵。
交わした契約の中で、二人の距離は少しずつ近づいていくが――。
なんでも諦めてきた俺だけどヤンデレな彼が貴族の男娼になるなんて黙っていられない
迷路を跳ぶ狐
BL
自己中な無表情と言われて、恋人と別れたクレッジは冒険者としてぼんやりした毎日を送っていた。
恋愛なんて辛いこと、もうしたくなかった。大体のことはなんでも諦めてのんびりした毎日を送っていたのに、また好きな人ができてしまう。
しかし、告白しようと思っていた大事な日に、知り合いの貴族から、その人が男娼になることを聞いたクレッジは、そんなの黙って見ていられないと止めに急ぐが、好きな人はなんだか様子がおかしくて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる