悪役令息アルフレッドのため息〜断罪処刑を絶対回避して平和な未来を手にいれるぞ!〜

コロン

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7. 王子と主人公と悪役令息

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 「あーん、アルフレッドこれも食べるんだよ。」

 「うむむ、美味しいです。セドリック様。もぐもぐ‥‥」

 「たくさん食べるんだよ。ふふふ、食べてる姿も可愛いな‥‥」


 ランチの鶏肉のグリルと野菜のソテーを、王子自ら切り分けて、口に運んでくれている。

 学園の食堂の、いつもの光景である。

 が、慣れない!

 こんなのいつまで経っても、慣れる訳ないじゃ無いか!

 むむむ‥‥嬉しいけど、照れ臭いんだよ。

 周りの生徒たちの、何だか生暖かい視線も気になるし‥

 雛鳥に餌付けしてる感覚なのか?

 
 そんな事を思いつつ、いつも王子にされるがままになっちゃうんだけどね‥‥



 そんなかんやで、王太子の婚約者という肩書き以外、全く地味な僕の学園生活は、順調に過ごせていたのだが‥‥


 とうとうやってきたのだ!


 そう、主人公が転入してくるこの時がね。

 僕の今後の運命を大きく左右する彼が、とうとう学園にやって来たのだった。


 彼、主人公であるルークは、入学から遅れて、夏の終わりの時期に、学園に転入して来た。

 お決まりのピンクブロンド髪で、庇護欲をそそる、それはそれは可愛らしいオメガであった。

 平民として暮らしていたルークは、最近になって、父親である男爵に引き取られた。

 かつて、屋敷に勤めていたメイドとの間に出来た私生児であったが、男爵家が跡取りに恵まれなかった事と、ルークが容姿端麗なオメガであるのが分かった事で、高位貴族との縁結びを狙った男爵の思惑に叶った訳だ。

 確か、母親とは引き離されて、別々に暮らしてたんだよな。

 今、16歳なら、前世で言う所の高校一年生に当たるわけで。

 思春期だし、環境が大きく変わって、戸惑ってしまうよな。

 母親がまだ恋しい時期だよな。

 とか、この時の僕は、主人公に対して、断罪の脅威を抱きながらも、同情せずにはいられなかった。


 ん?だからなのか?



 「アルフレッド様~。」

 「早くこちらですよ~。今日は、僕が手作りしたサンドイッチ、一緒に食べましょうよ。」
 
 今、ルークに手を引かれて、学園の庭のベンチへと連れて来られたのは、僕、悪役令息アルフレッドである。

 あれ?何で、主人公とこんな事になってるんだ?

 ルークは、王子であるセドリック様と仲良くなるんじゃなかったけ?

 ほら、セドリック様が、不機嫌そうにこちらに向かって来たじゃないかー!



 たまたま同じクラスになったルークに、ついつい親心で、知らず知らずの内に親切にしてしまっていたらしく、何故かめちゃめちゃ懐かれた。

 隣の席のヘンリーには、王子が焼き餅焼くから気をつけろって言われたけど、それは違うぞ。

 王子は、ルークを好きになる運命なんだ。

 僕は、2人を引っ付けて、穏便に婚約を解消してもらうんだ。


 そう思う度に、何故か僕の心が、ズキっと痛んだ。

 いや、気のせいだ。そう思わないといけないんだ。

 
 僕は、無意識に自分の気持ちに蓋をしてしまっていた。
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