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07 職員室に突撃
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職員室に突撃したエクア。
授業前の慌ただしい職員室は戸惑い、どよめく。
アウィス伯爵家の者達は感覚が麻痺していて誰も気付かなかったが。
エクアがただならない状態なのは職員室の誰の目にも明らかで。
睡眠障害のせいで授業中居眠りしてしまうエクアを『不真面目者』として敵視している若い代理教師ですら顔を蒼褪めさせる。
「アウィス伯爵令嬢…その、まだ体調が悪いのなら無理に学校へ来なくても…」
「ご心配ありがとうございます。ですが私、家に居たら殺されてしまいますので」
「なッ――
もしかしてその頬の腫れは…」
「はい。
母に打たれました」
「なッ――
一体何をしてそんなに叱られ‥」
「言葉が足りませんでした。
理不尽に打たれました。
母が私の婚約者とベッドで抱き合っていたので止めようとしたら邪魔するなと打たれたのです」
どよどよどよッ!
「私は自分が悪いとは思っていませんが罰として朝食も昼食も抜きだそうです。
それを決めたのはメイドです。
アウィス家ではそれがまかり通ってます。
因みに昨日の朝具無しスープを3口飲んだのが最後の食事です」
ざわざわざわッ!
「私は修道院に保護を求めます!
アウィス伯爵邸は母と母のお気に入りのメイドが取り仕切っていて私は母と使用人…アウィス伯爵邸全員に虐待されています!」
職員室には『関わりたくない空気』が一気に広がる。
(…だったら修道院へ行けばいいのにねぇ?)
(騎士団詰め所とかね)
(教師も職員も平民か下位貴族――伯爵家の問題に関われるはずないじゃない!)
(下手に何かして不敬罪に問われたら身の破滅だもの冗談じゃないわよ)
貴族令嬢が通う学園には女性教師しかいない。
彼女達は『集団』となることで個人のモラルから目を逸らす。
(私達は身分的には弱者なんだから!)
(何の責任も無いわ!)
(いくら子供でもそれぐらい分かるでしょうに!)
教師達は厄介事を持ち込んで来たエクアに怒りさえ感じ始める。
皆我が身の保身で頭がいっぱいで。
今倒れて死んでもおかしくない様子の13才に対する同情心は全く湧く気配が無い。
(…まずい…)
正確に空気を読んだエクアは自分の行動が失敗だったと気付くが時すでに遅し。
教師達はエクアにとって1番最悪な方向へ動き出す。
「アウィス伯爵令嬢、とても体調が悪そうだからご自宅へお送りするわ!」
「いえ!
家に戻されたら私は殺されてしまいます!」
「誤解よ!
被害妄想よ!
そんな事誰もするわけないでしょう?
あなたの勘違いよ!」
「いいえお母様は私を‥」
「あのね!
子供を愛さない親なんていないのよ!
きっと我儘を言って叱られてそんな風に思ってしまっているんでしょう!
お母様のありがたい『しつけ』を暴力だなんて思ってはダメよ」
「違‥」
「兎に角お母様とよく話し合えば誤解も解けるわ!
学校の馬車で送ってあげるわ」
『さぁ』と言って手を伸ばして来る教師達。
エクアは逃れようとするが囲まれて捕まってしまう。
「家に戻れば私は殺されるわ!
先生達は私の殺害に加担する事になるのよ!?」
必死に教師達に訴えるエクア。
だが教師達はカッとして声を荒げる。
「変な事言わないで!
体調の悪い生徒を早退させるのは当たり前の事だわ!」
「そうよッあなたに何かあってもそれはあなたの家の問題で責任よ!」
「言い掛かりはよしてね、急ぎましょうね、さぁ」
背中を押されれば痩せた体は簡単に移動させられてしまう。
「‥酷い!
先生達はいつも教壇で立派な事を言っているのに!
実際は助けを求める生徒を見殺しにするのね!
教師として以前に人として最低だわ!
ここには教壇に立って人に教える資格のある教師なんて1人もいない!」
「さぁ、ほら、大丈夫よ、ご自宅までちゃんと送ってあげますからね!」
「放して!
学校に保護を求めたんじゃないわ!
何も求めないからせめて放して!」
必死に叫び続けるエクアだが。
誰も耳を貸そうとはせず一刻も早く厄介事を排除しようとする。
どうしてこんな自己保身しか考えない醜悪な偽善者を信用してしまったのか――
エクアは大人の欺瞞やら自分の甘さやらにショック過ぎて涙も出ない。
とうとう養護教諭に布で口を塞がれ『もうオワリだ』と思った瞬間――
エクアに答えた人がいる。
授業前の慌ただしい職員室は戸惑い、どよめく。
アウィス伯爵家の者達は感覚が麻痺していて誰も気付かなかったが。
エクアがただならない状態なのは職員室の誰の目にも明らかで。
睡眠障害のせいで授業中居眠りしてしまうエクアを『不真面目者』として敵視している若い代理教師ですら顔を蒼褪めさせる。
「アウィス伯爵令嬢…その、まだ体調が悪いのなら無理に学校へ来なくても…」
「ご心配ありがとうございます。ですが私、家に居たら殺されてしまいますので」
「なッ――
もしかしてその頬の腫れは…」
「はい。
母に打たれました」
「なッ――
一体何をしてそんなに叱られ‥」
「言葉が足りませんでした。
理不尽に打たれました。
母が私の婚約者とベッドで抱き合っていたので止めようとしたら邪魔するなと打たれたのです」
どよどよどよッ!
「私は自分が悪いとは思っていませんが罰として朝食も昼食も抜きだそうです。
それを決めたのはメイドです。
アウィス家ではそれがまかり通ってます。
因みに昨日の朝具無しスープを3口飲んだのが最後の食事です」
ざわざわざわッ!
「私は修道院に保護を求めます!
アウィス伯爵邸は母と母のお気に入りのメイドが取り仕切っていて私は母と使用人…アウィス伯爵邸全員に虐待されています!」
職員室には『関わりたくない空気』が一気に広がる。
(…だったら修道院へ行けばいいのにねぇ?)
(騎士団詰め所とかね)
(教師も職員も平民か下位貴族――伯爵家の問題に関われるはずないじゃない!)
(下手に何かして不敬罪に問われたら身の破滅だもの冗談じゃないわよ)
貴族令嬢が通う学園には女性教師しかいない。
彼女達は『集団』となることで個人のモラルから目を逸らす。
(私達は身分的には弱者なんだから!)
(何の責任も無いわ!)
(いくら子供でもそれぐらい分かるでしょうに!)
教師達は厄介事を持ち込んで来たエクアに怒りさえ感じ始める。
皆我が身の保身で頭がいっぱいで。
今倒れて死んでもおかしくない様子の13才に対する同情心は全く湧く気配が無い。
(…まずい…)
正確に空気を読んだエクアは自分の行動が失敗だったと気付くが時すでに遅し。
教師達はエクアにとって1番最悪な方向へ動き出す。
「アウィス伯爵令嬢、とても体調が悪そうだからご自宅へお送りするわ!」
「いえ!
家に戻されたら私は殺されてしまいます!」
「誤解よ!
被害妄想よ!
そんな事誰もするわけないでしょう?
あなたの勘違いよ!」
「いいえお母様は私を‥」
「あのね!
子供を愛さない親なんていないのよ!
きっと我儘を言って叱られてそんな風に思ってしまっているんでしょう!
お母様のありがたい『しつけ』を暴力だなんて思ってはダメよ」
「違‥」
「兎に角お母様とよく話し合えば誤解も解けるわ!
学校の馬車で送ってあげるわ」
『さぁ』と言って手を伸ばして来る教師達。
エクアは逃れようとするが囲まれて捕まってしまう。
「家に戻れば私は殺されるわ!
先生達は私の殺害に加担する事になるのよ!?」
必死に教師達に訴えるエクア。
だが教師達はカッとして声を荒げる。
「変な事言わないで!
体調の悪い生徒を早退させるのは当たり前の事だわ!」
「そうよッあなたに何かあってもそれはあなたの家の問題で責任よ!」
「言い掛かりはよしてね、急ぎましょうね、さぁ」
背中を押されれば痩せた体は簡単に移動させられてしまう。
「‥酷い!
先生達はいつも教壇で立派な事を言っているのに!
実際は助けを求める生徒を見殺しにするのね!
教師として以前に人として最低だわ!
ここには教壇に立って人に教える資格のある教師なんて1人もいない!」
「さぁ、ほら、大丈夫よ、ご自宅までちゃんと送ってあげますからね!」
「放して!
学校に保護を求めたんじゃないわ!
何も求めないからせめて放して!」
必死に叫び続けるエクアだが。
誰も耳を貸そうとはせず一刻も早く厄介事を排除しようとする。
どうしてこんな自己保身しか考えない醜悪な偽善者を信用してしまったのか――
エクアは大人の欺瞞やら自分の甘さやらにショック過ぎて涙も出ない。
とうとう養護教諭に布で口を塞がれ『もうオワリだ』と思った瞬間――
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