ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく

犬野きらり

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25 頑張ってね、リディア

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いつもの友達といつも通りの過ごし方、食堂でまったりとお茶をする。

「もーう、不正解でーす。今日はいーちーごなの」

という声が聞こえてきた。彼女は、とにかく声が大きい。外にいるのに聞こえる。今日のお相手は、我々のクラスメイトの眼鏡男子だ。

「ねぇ、私いつも不思議なんだけど、あの人、ルーナさんって微妙な男子生徒と一緒にいるよね」

とマリーダが禁断の箇所をついてくる。
私もずっと思っていた。
始めは、ヒロインポジションだと思っていた。いや今も、トリスタン王子に、グレリュード様にも見かけたら、迷わず絡んでくる人だけど…

「最初というか、サマーパーティーとか私も焦っていたから、モテて多少は羨ましいとか思っていたけど。あの方の周りにいる男子生徒って、特徴がないわよね」

とマリーダは、ここぞというばかりに斬る。そうなってくるとキャロラインも言いたいことを言い始めた。

「微妙な犬顔、しかもみんな似たような顔してない?中肉中背で。本当に微妙な普通か、それ以下ってライン。もしくはノリだけの勢い系男子生徒、そこって乗り換え早いよね、お互い、次から次に行くみたいな。ルーナさん身分なんて関係ないお付き合い、みんなお友達宣言を、絡んできた上級生の女子生徒にしたじゃない。あれ聞いて、私達とは違う世界の人だと思ったのって私だけ?」

「「「思ったわ」」」

そう、私もこの宣言を聞いて、私は、ルーナさんはヒロインではないと確信した。
まぁ、怪しい所は、まだある。私が転生者であるとわかった以上、やはり何かの物語ではないかという疑念となんたって彼女は、タイミングよく現れるから。

でも、運の良い人悪い人と言われるように、引きの運が強い人は、いると思っている。

「多分、あの人は、私達が見えてないと思うの。極端に視野が狭いというか、自分にとっていらない情報は見ない、排除している気がする。前に王子様と一緒にいた時も、私には一切触れず見もしない。黙っていれば木と同じ存在」

と言えば、

「それってめちゃくちゃ怖くない?よく今まで、女子生徒に注意されるぐらいで済んでいたわよね?今はいないけど、アンネリーネ様達なら何かしそうだけど」

とクロエに言われた。

「あぁそう言えば、馬糞事件の時、ルーナさん慣れっこみたいな発言していたような…なんかここまで相手にされないと、私としては相手にするのが馬鹿馬鹿しくなるというか、あの人と向き合いたいとは、思わなくなるんだよね。私も利用しようとしか思わないの」

面倒を押しつけたい時、一番使えるんだよね、彼女。裏とか感じないし。

「いや、リディが一番酷いこと言ってないかしら?私達は、彼女の周りの男子生徒を貶めたけども、リディは、今も恨んでいるの?」

とキャロラインに聞かれた。

「まさか!因縁というよりも彼女のおかげでグレリュード様との今があるわけだし」

「リディが幸せなのはわかるわ。見目のかっこよさも成績優秀、生徒会でも仕切ってテキパキして最高よ。連れて歩くだけで自慢よね。でもモテ過ぎる男ってどうなの?大変そうだし、ガルドニ侯爵家としては、条件に当てはまらないでしょう」

と言われ、確かに再び微妙な落ち込みに入った。私は拒否したけど結局押し負けたのよ、彼の見目に。
さらに、彼が王族なんて言えないから、曖昧に笑った。そう言えば、前に茶会で亡き王弟の話題が出て、私に恋は盲目ってアドバイスくれたなぁ。
…もしかして、私達似た者同士かもしれない。

「キャロライン、リディはね、また今日も上級生の女生徒にグレリュード様の件で、恨み辛みを言われているのよ。確かに自慢の婚約者かも知れないけど、大変そうよ。今日は、ガツーンと言ってやるって言ってたわよね」

とクロエ。マリーダは、見ていたらしく笑っていた。

「聞いてよ、クロエ!リディったら、ガツーンじゃなくて詰め寄られていたんだから。適度な距離とグレリュード様に自由を与え、癒しの環境を作れだったっけ。熱烈な女生徒達だったね。一人じゃなくて5、6人でリディに体当たりしそうな勢い。見ててうわぁ~って声をあげそうになったわ」

「マリーダ、見ていたなら助けてよ。先輩方、陰でグレリュード様をずっと応援していたと熱弁されたわ。何の応援か聞いたら、アンネリーネ様の熱い視線を感じ取り、邪魔をコソコソしたり、王子を呼びに行ったり、ルーナさんの進路を塞いだり、先生を防波堤にしたり、みんなで協定を作り守っていたと言われたわ。…端的に言うわね。その熱意を彼に伝えればいいのに…私に自慢気に語るのよ、面倒に尽きるわ」

と言えば、

「でも今回の人達は、リディのこと罵ってこなかったのね。グレリュード様のことよろしくって聞こえるわ」

とクロエに言われると確かにそうだった。今回の方々は、まだいい人だった。
ただその熱意も私を刺激するのよ!

三人が笑っている。

「良かったね、リディ」


〰︎〰︎

「リディア!すまない、待たせたか?」

「いえ、風に当たり考え事をしていましたから、特に時間は気になりませんでしたわ」

「そうか、で、何を考えていた?」

「ん、グレリュード様は、おモテになるなと。でもみなさん陰でお慕いしていたとよく言われるんですよ。想いは自由ですし憧れるのもわかります。だってグレリュード様かっこいいですもの」

ただみんな言う『陰で』がつく。
どこまでが陰なのか、誰か教えて欲しい。

「誰かに嫌がらせされているのか?俺に言わないでリディアに文句を言っているのか?」

「いえ。まぁ面倒な方もいますが、言い終わった後、みんな逃げるんですけど、少し笑顔なんですよね、その理由を考えてました」

「全くわからん」

「スッキリしているのかなぁと。想いに区切りもあるみたいですけど、なんとなくグレリュード様をよろしくって渡されているのかなと」

「怖い」

言い方!

「酷くありません?その一言で彼女達の想いを切るのは!」

「言いたいことがあれば、俺に言えばいい。俺の事だろう?何故リディアに言う?俺は、自分の想いははっきり言う」

うん、だから逃げとして、皆さん私に告げに来るんだね。みなさん、彼の言い方を知っているからこそね。この人なら容赦なく言葉で切るわ。

「全く甘くないのね、グレリュード様は」

「…今、俺が考えているのは、リディアにどうやったら、飛び級させるかだな」

ん?飛び級?

「今、成績を見てきた。悪くないが、偏りがある。集中的にスケジュールを組む。良かったよ、生徒会なんか入らないでくれて。しっかり勉強時間が取れる」

えっ、せっかく婚約者になったんだから、街でデートや観劇、植物園、公園…イチャイチャラブラブはどうしたのかな?

「グレリュード様、私、飛び級なんかしませんよ。グレリュード様と彼方此方デートして、幸せ(自慢)になるんですから!」

「リディア、リディアは後二年以上も学園に通い、二年、俺と離れていて大丈夫なのか?俺は、一緒にいたい!」

ゴーン、ゴーン

と頭を思いっきり叩かれたよね。
元ストーカーに重い愛を打ち込まないでーーー

「頑張る、寂しい、離れる、嫌」

…口から出てしまった…

あ、大失敗。
失言…グレリュード様の口元がニヤっとした。
ハァーーー

ストーカー婚約者でしたが、ストーカーする暇もない程、非常に面倒な婚約者に掌で転がされる話ってあるのかしら?




~fin~
ありがとうございました。
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感想 27

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みんなの感想(27件)

reon
2025.10.12 reon

ストーリーが好き。作者の他の作品も好きです。

「王子様」呼びに違和感。そこは王子殿下とかのほうが読みやすいです。

解除
木之下いちご

3度目の読み直しが終わったとこです
すごく面白くて、続編が出ないかなぁ…なんていつも思ってしまう(おねだり)
いろいろ熱い感想があるんですが、この作品の魅力をうまく言葉に出来ないのがもどかしい!
物語を紡げるってすごい能力だと心の底から思います
そして作者さまの文章が私はとても好きです
次作も楽しみにしていますので、ぜひまたお会いできますように

ちなみに、続編とか番外編ってやっぱりダメ…ですか、ね?(上目遣い チラチラッ)
 

2024.05.25 犬野きらり

お読み下さりありがとうございました。

三度も読んでもらえたなんて嬉しいです。楽しんでもらえて、この作品にとって最高の褒め言葉です。

リディアの友人の話は、本編に関係なく書いてます。お読みいただけたら嬉しいです。

解除
sakura
2024.05.21 sakura

楽しかった!面白かった!!
完結してから一気読みさせていただきました。
出てくるキャラがそれぞれ、なかなか個性的で本当に面白かったです

2024.05.21 犬野きらり

お読み下さりありがとうございました。

感想聞かせて頂き嬉しいです。

面白かったと言ってもらえて、この作品をこちらに出せて良かったです。
その言葉が嬉しいです。

解除

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