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マティルダが下準備をしてくれて、私とリビエラは横に並んで一つのティポットにミントを詰め、リビエラがお湯を注いだ。
摘む前よりも輝きを増した緑色に、リビエラが感嘆の声を上げて、また笑顔になる。
これも透明のガラスの器に、ポットの中身を注ぎ入れると、清々しい香りがふわっと広がった。
「わあ、いいにおい! 飲んでみよう、リビエラ!」
「は、はい。いただきます……わあ、本当にいい香りです……。胸がすくよう……!」
リビエラは、くるりと振り返って、クライネに声をかけた。
「クライネ、これを飲んでみてください。ミントのお茶なのです。ユーフィニア様がくださいました」
「え、ユーフィニア様が……?」と少したじろぐクライネ。
「い、いや、私よりリビエラが入れたんだよ! 苦手じゃなければ飲んでみて、クライネ」
クライネが、恐る恐るといった様子でカップに口をつけた。そして、ぱあっと華やいだ顔になる。
「あー、いいにおい! 体の中にこんないいにおいのものが入っていくって、最高の気分―!」
「よかった……このポットの中のグリーン、クライネの髪と瞳の色に似ていて、とてもいいなって思っていたの」
そう言ったリビエラが、今度は私のほうに振り替える。
「ありがとうございました、ユーフィニア様。わたくし、日ごろ草花ばかり相手にして過ごしていますので、お話ししていても退屈だと思うのですが、思いがけずこのような……。お城の周りは整地されていて、花はあまた咲いているのですが、香草の類が自生していることなどありませんもので……」
「あ、うん、ここの整備してくれているのがムシュっていうメイドさんなんだけど、草木が自然にが生えるに任せてる区画もあって、結構いろいろな種類の植物があるんだよね」
ゲームでは妹姫たちの姿をさんざん見慣れてしまっているせいで、私のほうだけ口調がどんどんくだけてしまうけど。
とりあえず、誰かに怒られない限りはよしとしておこう……勝手に。
「それに、リビエラが退屈なんて、そんなわけないよ。今私、かなり楽しかったよ。それにクライネのことを思い浮かべてお茶を入れるなんて、友達思いなんだね」
リビエラが、さっきのミルノルドと同じくらいに赤面した。
「えっ? そ、そのようなことはありません。……ただクライネは、昔から私の内気さを気にかけて、世話を焼いてくれるので、……私もできるだけ報いたいのです」
この健気さが、リビエラの人気の一因だろうなあ……。
クライネがリビエラと話し始めたので、私はさっきから気になっていたヒルダを探した。
私の胸くらいまでの高さがある植込みをいくつか回り込んでみると、ようやく、しゃがみ込んでいるヒルダを見つけた。向こうも私を見て、びくりと体をすくめる。
赤い髪が、すぐ横にあるウツギ(風)の緑の葉と白く小さな花によく映えていた。
でも、その表情は暗い。
ゲームの中では、時間をかけてアリスと打ち解けて妹みたいになるのだけど、ユーフィニアの私にはそこまでは荷が重いだろう。でも、話くらいはしてみたい。
「ヒルダ、ごめんね驚かせて。お腹空いてない? 喉は?」
ヒルダがふるふるとかぶりを振る。いるかどうか聞くんじゃなくて、こっちから飲み物を持ってきたほうがよかったかもしれない。
「あれ? ヒルダ、なにそれ?」
てっきりリビエラのように草花を覗き込んでいるのかと思ったら、ヒルダの手元には、トランプくらいの大きさのカードの束があった。それも一枚や二枚じゃなく、ざっと見で、五十枚くらい。
……トランプくらいというか、これは、トランプだ。間違いない。さすが日本製のゲーム。ゲーム内では、さすがに見たことがないけれど。
「ヒルダ、トランプでなにしてるの?」
ヒルダは答えない。
もしかして、この世界ではトランプという名前ではないのかもしれないと思い、「そのカード、みんなで遊ぶために持ってきたの?」と訊き直した。
でも、やっぱり答えはない。
あまり無理に構わないほうがいいだろうかと思った時、ぽつりと、少女が言った。
「……みんなじゃない。一人で」
見ると、ヒルダは、芝生の上にぽとぽととカードを並べていく。
……七並べ的なものだろうか。
それにしては、並べ方が不規則で、適当過ぎるように見えた。
「ヒルダ、さっき、私怖かったかな。ごめんね?」
ヒルダの手が止まり、ごく小さく動いた唇から、静かな声が聞こえてくる。
「……怖くはないです。わたくしめが、人と話すのが、苦手なだけなので」
「そうなんだ? 今は、お話ししてくれてるけど」
「……これでも、ひ、姫なので。失礼がないように、ど、努力はしていて。兄は、あんなに社交的なのに、わ、わたくしめは全然、だめで」
ヒルダがうつむいた。
年下の子が力なく下を向くのを見ると、どうにもやるせない気持ちになってしまう。
私はより深くかがみこんで、ヒルダと目の高さを合わせた。
「だ、だめじゃないよ。私も結構人見知りするほうだったし――って、比べるものじゃないよね、ごめん。あ、そのカードって、並べて遊ぶものなの? 一人用のゲーム?」
「……いえ。並べるだけ並べたら、片づけるだけです」
「うん? それで?」
「また並べます。その繰り返しです。わ。わたくしめはいつもこういうふうなんです。自室にいる時は、膝を抱えて、部屋の一つの隅をじっと眺めています。それに飽きたら、体の向きを変えて、……別の隅を見ます。そ、その繰り返しで、一日が終わっていきます。……だめでしょう?」
……この話は、初めて聞く。
確かに、少し変わってはいる、かもしれない。
けれど。
「だめではないよ。でもそうだね……、たとえばそのカードで、あっちにいるみんなと、一人じゃできないゲームで遊んでみるのもいいかもだよ。みんな、いい子たちだし――」
その時。
「ちょっと、ユーフィニア様。ヒルダになにをなさっているのです?」
振り返ると、いつの間にか私の後ろで、ミルノルドが仁王立ちしていた。
「えっ? なにって、少し話していただけで」
「ヒルダはね、少女時代のあなたがグリフォーン中の野良猫を集めて囲い、餌を抜いて、そこで自分の手から食べ物を与えて自分にだけ懐かせようとしたって話を知っているのですよ。それ以来、あなたとだけは仲良くなれそうにないって言っておりましたわ。わらわも同じですけどね!」
なっ……
「さ、最悪! 頭も性格も!」
「なにを他人事のように! ちなみにその猫たちは全然まったくただの一匹も、あなたには懐かなかったそうですわね! いい気味ですわ!」
私はがばっとヒルダへ振り替える。
「ご、ごめんね! ううん、本当はその猫たちに謝らなくちゃいけないんだけど……もう絶対、そんなことしないから!」
なんだかもう、こんなのばっかり。
けれどミルノルドが舌鋒鋭く、
「しらじらしい。信用できるものですか。なにかしら別の悪事を働くに違いないっですわ。なにしろあなたについては、悪評しか聞いたことがないのですから。今日だって、お兄様たちがリルベオラス様にお会いするつき添いでなければ、わらわたちもあなたの招きになど応じなかったのに」
これは、根深いな……。
ここでいくら言葉で弁解しても、信用なんてしてもらえないのだろうことは分かるけれど、このままでいるのもつらい。
そこで、別の声が横から飛んできた。
「いかがなされました?」
そう言って顔を出してきたのは、マティルダだった。
ミルノルドが、いくらか険の和らいだ顔で応える。
「あなた、この人のメイドですわよね? さぞかし苦労することでしょうね、こんな主人では」
「あら」マティルダは、それだけで、私たちの状況を見て取ったらしい。「確かに、手を焼くお方ではございますね。ですが、ミルノルド様。今ほど、リビエラ様とクライネ様には申し上げたのですが、ここのところはそうでもございませんのですよ」
「……どういうことです?」
マティルダが、私の記憶喪失から、今では別人のようになった――別人なんだけど――話をしてくれた。
「へええ、記憶喪失ね……本当なら、同情の余地がありますけれど……」
ミルノルドは完全に信じたわけではない様子ながら、もしかしたら本当なのかもしれないという可能性は考慮してくれているらしく、圧が目に見えて和らいだ。
……つまるところ、人がいいのだ。こういう一面があるので、ミルノルドが好きだというハイグラプレイヤーは多い。
なんにせよ、今がチャンスかもしれない。
「ヒルダ、少しカードを貸してもらってもいい?」
「えっ……は、はい。あの、でも……」
「でも?」
ヒルダがうつむいたままで言う。
「カードを猫に、な、投げつけたりとか」
「……しません」
「ひ、人にも投げつけたりとか」
「誓ってしませんっ。……ヒルダ、カードマジックって知ってる?」
■
摘む前よりも輝きを増した緑色に、リビエラが感嘆の声を上げて、また笑顔になる。
これも透明のガラスの器に、ポットの中身を注ぎ入れると、清々しい香りがふわっと広がった。
「わあ、いいにおい! 飲んでみよう、リビエラ!」
「は、はい。いただきます……わあ、本当にいい香りです……。胸がすくよう……!」
リビエラは、くるりと振り返って、クライネに声をかけた。
「クライネ、これを飲んでみてください。ミントのお茶なのです。ユーフィニア様がくださいました」
「え、ユーフィニア様が……?」と少したじろぐクライネ。
「い、いや、私よりリビエラが入れたんだよ! 苦手じゃなければ飲んでみて、クライネ」
クライネが、恐る恐るといった様子でカップに口をつけた。そして、ぱあっと華やいだ顔になる。
「あー、いいにおい! 体の中にこんないいにおいのものが入っていくって、最高の気分―!」
「よかった……このポットの中のグリーン、クライネの髪と瞳の色に似ていて、とてもいいなって思っていたの」
そう言ったリビエラが、今度は私のほうに振り替える。
「ありがとうございました、ユーフィニア様。わたくし、日ごろ草花ばかり相手にして過ごしていますので、お話ししていても退屈だと思うのですが、思いがけずこのような……。お城の周りは整地されていて、花はあまた咲いているのですが、香草の類が自生していることなどありませんもので……」
「あ、うん、ここの整備してくれているのがムシュっていうメイドさんなんだけど、草木が自然にが生えるに任せてる区画もあって、結構いろいろな種類の植物があるんだよね」
ゲームでは妹姫たちの姿をさんざん見慣れてしまっているせいで、私のほうだけ口調がどんどんくだけてしまうけど。
とりあえず、誰かに怒られない限りはよしとしておこう……勝手に。
「それに、リビエラが退屈なんて、そんなわけないよ。今私、かなり楽しかったよ。それにクライネのことを思い浮かべてお茶を入れるなんて、友達思いなんだね」
リビエラが、さっきのミルノルドと同じくらいに赤面した。
「えっ? そ、そのようなことはありません。……ただクライネは、昔から私の内気さを気にかけて、世話を焼いてくれるので、……私もできるだけ報いたいのです」
この健気さが、リビエラの人気の一因だろうなあ……。
クライネがリビエラと話し始めたので、私はさっきから気になっていたヒルダを探した。
私の胸くらいまでの高さがある植込みをいくつか回り込んでみると、ようやく、しゃがみ込んでいるヒルダを見つけた。向こうも私を見て、びくりと体をすくめる。
赤い髪が、すぐ横にあるウツギ(風)の緑の葉と白く小さな花によく映えていた。
でも、その表情は暗い。
ゲームの中では、時間をかけてアリスと打ち解けて妹みたいになるのだけど、ユーフィニアの私にはそこまでは荷が重いだろう。でも、話くらいはしてみたい。
「ヒルダ、ごめんね驚かせて。お腹空いてない? 喉は?」
ヒルダがふるふるとかぶりを振る。いるかどうか聞くんじゃなくて、こっちから飲み物を持ってきたほうがよかったかもしれない。
「あれ? ヒルダ、なにそれ?」
てっきりリビエラのように草花を覗き込んでいるのかと思ったら、ヒルダの手元には、トランプくらいの大きさのカードの束があった。それも一枚や二枚じゃなく、ざっと見で、五十枚くらい。
……トランプくらいというか、これは、トランプだ。間違いない。さすが日本製のゲーム。ゲーム内では、さすがに見たことがないけれど。
「ヒルダ、トランプでなにしてるの?」
ヒルダは答えない。
もしかして、この世界ではトランプという名前ではないのかもしれないと思い、「そのカード、みんなで遊ぶために持ってきたの?」と訊き直した。
でも、やっぱり答えはない。
あまり無理に構わないほうがいいだろうかと思った時、ぽつりと、少女が言った。
「……みんなじゃない。一人で」
見ると、ヒルダは、芝生の上にぽとぽととカードを並べていく。
……七並べ的なものだろうか。
それにしては、並べ方が不規則で、適当過ぎるように見えた。
「ヒルダ、さっき、私怖かったかな。ごめんね?」
ヒルダの手が止まり、ごく小さく動いた唇から、静かな声が聞こえてくる。
「……怖くはないです。わたくしめが、人と話すのが、苦手なだけなので」
「そうなんだ? 今は、お話ししてくれてるけど」
「……これでも、ひ、姫なので。失礼がないように、ど、努力はしていて。兄は、あんなに社交的なのに、わ、わたくしめは全然、だめで」
ヒルダがうつむいた。
年下の子が力なく下を向くのを見ると、どうにもやるせない気持ちになってしまう。
私はより深くかがみこんで、ヒルダと目の高さを合わせた。
「だ、だめじゃないよ。私も結構人見知りするほうだったし――って、比べるものじゃないよね、ごめん。あ、そのカードって、並べて遊ぶものなの? 一人用のゲーム?」
「……いえ。並べるだけ並べたら、片づけるだけです」
「うん? それで?」
「また並べます。その繰り返しです。わ。わたくしめはいつもこういうふうなんです。自室にいる時は、膝を抱えて、部屋の一つの隅をじっと眺めています。それに飽きたら、体の向きを変えて、……別の隅を見ます。そ、その繰り返しで、一日が終わっていきます。……だめでしょう?」
……この話は、初めて聞く。
確かに、少し変わってはいる、かもしれない。
けれど。
「だめではないよ。でもそうだね……、たとえばそのカードで、あっちにいるみんなと、一人じゃできないゲームで遊んでみるのもいいかもだよ。みんな、いい子たちだし――」
その時。
「ちょっと、ユーフィニア様。ヒルダになにをなさっているのです?」
振り返ると、いつの間にか私の後ろで、ミルノルドが仁王立ちしていた。
「えっ? なにって、少し話していただけで」
「ヒルダはね、少女時代のあなたがグリフォーン中の野良猫を集めて囲い、餌を抜いて、そこで自分の手から食べ物を与えて自分にだけ懐かせようとしたって話を知っているのですよ。それ以来、あなたとだけは仲良くなれそうにないって言っておりましたわ。わらわも同じですけどね!」
なっ……
「さ、最悪! 頭も性格も!」
「なにを他人事のように! ちなみにその猫たちは全然まったくただの一匹も、あなたには懐かなかったそうですわね! いい気味ですわ!」
私はがばっとヒルダへ振り替える。
「ご、ごめんね! ううん、本当はその猫たちに謝らなくちゃいけないんだけど……もう絶対、そんなことしないから!」
なんだかもう、こんなのばっかり。
けれどミルノルドが舌鋒鋭く、
「しらじらしい。信用できるものですか。なにかしら別の悪事を働くに違いないっですわ。なにしろあなたについては、悪評しか聞いたことがないのですから。今日だって、お兄様たちがリルベオラス様にお会いするつき添いでなければ、わらわたちもあなたの招きになど応じなかったのに」
これは、根深いな……。
ここでいくら言葉で弁解しても、信用なんてしてもらえないのだろうことは分かるけれど、このままでいるのもつらい。
そこで、別の声が横から飛んできた。
「いかがなされました?」
そう言って顔を出してきたのは、マティルダだった。
ミルノルドが、いくらか険の和らいだ顔で応える。
「あなた、この人のメイドですわよね? さぞかし苦労することでしょうね、こんな主人では」
「あら」マティルダは、それだけで、私たちの状況を見て取ったらしい。「確かに、手を焼くお方ではございますね。ですが、ミルノルド様。今ほど、リビエラ様とクライネ様には申し上げたのですが、ここのところはそうでもございませんのですよ」
「……どういうことです?」
マティルダが、私の記憶喪失から、今では別人のようになった――別人なんだけど――話をしてくれた。
「へええ、記憶喪失ね……本当なら、同情の余地がありますけれど……」
ミルノルドは完全に信じたわけではない様子ながら、もしかしたら本当なのかもしれないという可能性は考慮してくれているらしく、圧が目に見えて和らいだ。
……つまるところ、人がいいのだ。こういう一面があるので、ミルノルドが好きだというハイグラプレイヤーは多い。
なんにせよ、今がチャンスかもしれない。
「ヒルダ、少しカードを貸してもらってもいい?」
「えっ……は、はい。あの、でも……」
「でも?」
ヒルダがうつむいたままで言う。
「カードを猫に、な、投げつけたりとか」
「……しません」
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「誓ってしませんっ。……ヒルダ、カードマジックって知ってる?」
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