崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十六・五話 VSラグナロク・妖炎

おまけ・シルヴィアの過去②

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「あらん、アナタが噂の天才ボーイ、シールズ君ね? ヨロシク♡」 
「あ、ああ。よろしく」
「アタシは誰より美しくありたいの。そのために、最高の美しさである花火の研究をしているのよ」
「そ、そうなのか」
 こんな感じで二人握手して、研究の日々が始まった。

 ヴァーレはチャレンジングな人物だった。魔法石や攻撃系のポーション、爆弾……無茶な実験を行っては毎回爆発を起こすので、フィールドワークが大半だった。

 シールズも彼が何度も爆発を起こし、火だるまになった姿を見た。
「そんなんじゃ危ないぞ!」とアドバイスしてやっても、毎回爆発する。彼の指摘を快く聞き入れてもなお、だ。

 なかでもヴァーレが熱を上げていたのは『花火の開発』だ。美しさにこだわる彼女にとって、花火は憧れのものだったのだ。
 毎日のように長ったらしい方法をイラストにして、奇妙な舞いを踊っては呪文を叫び……時に至近距離で爆発し、時に色とりどりに爆発し、時に爆発すら起こらないのに黒コゲになったりしていた。

 シールズには彼が理解できなかった。
 自分なら、そんな無謀なことはしない。自分に向いていないことは、したくならない。
「なんでいっつも失敗ばかりなのに諦めないんだ?」
 ある日、魔道研究所の階段に座って、いつものように回復薬をガブ飲みするヴァーレに聞いてみた。彼はさも当然のように言い放った。

「アタシは美しくありたいって言ったでしょ? もちろん、アナタみたいには慣れないけど……」
「うん」
「……ええ、分かるわ。私は美しいレディになりたかった。けれど、そうはなれない。だからせめて見た目だけでも近づこうとしたけど……みんなには変な目で見られたりキモがられたりするだけ」
「…………」

「でも、だからこそ決意したのよ。男とか女とかじゃない、アタシの……ヴァーレの美しさを、みんなに認めさせたかったのよ」
「ヴァーレの美しさを……みんなに……」
「そう! 今は失敗ばかりだけど、いつか必ず実現させてみせるわ。見る者全てを恍惚とさせる特大の輝き……イグニッションをね!」
 ヴァーレは己の夢、そしてそれを体現せんとする姿に誇りを持っていた。みんなから好奇の目で見られようと己を貫くその姿勢は……シールズには、とても美しく見えた。

「……気が変わったよ」
「あら、何が?」
「ぼくも手伝おう。一緒に花火魔法イグニッション……いや、ぼくたちの情熱を全て捧げた魔法『パッション・イグニッション』を!」

 その日から、ヴァーレとシールズは永遠の親友となった。
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