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第三十七話 恐怖の盾なる用心棒
次の日
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おまけにそんな肝心な手紙のことも忘れていた。……よく考えたらナガレ当ての手紙なのだし、ジョーは見ない方が良かったかもしれない。
「……すまん、ナガレ。手紙を勝手に読んだぞ」
一応謝罪しておく。聞こえているのかいないのか、ナガレは何の反応も見せない。
これが一年ほど前ならジョーも「くだらん恋慕で大袈裟な……」と思っただろうが、アリッサやルックや仲間たちと深くつながっている今のジョーには、ナガレの気持ちもよく分かった。
「……とりあえず、寝るんだ。明日何があるのか分からないんだから」
無反応のナガレを適当に担ぎ上げ、ベッドに下ろす。そして布団をかけてやり、ジョーもまた灯を消して眠りに着いた。
~☆~☆~☆~☆~☆~
翌日の朝。ゴスティーニャの食堂には、多くの宿泊客が集まっている。カチャカチャと食器や食具の音が、忙しなく鳴っていた。
「……そんな訳で、ナガレはこんな様子なんだ」
「うゔぅ~~~~!」
号泣しながら、朝っぱらからヴェニソン(鹿)肉のステーキを口に掻き込むナガレ。ナイフがあるのに切ろうともせず、肉の塊にフォークをぶっ刺し噛みついている。
「なるほどのぅ。サキミさんのお手紙を……ところでどんな内容だったんじゃ」
「……ナイショらしいです。しかしこの様子だと、よほど悲観的なことが書いてあったのでしょう」
レンは手紙の内容が気になるらしい。ジョーは実は知っているのだが、他の人には黙っていた。
「なんなんッスかね。おいたわしや、ナガレ先輩ッス」
「んーー……アタイらと入れ違いにサキミさんが来たとかじゃないー?」
「そんな偶然ありえるかにゃあ」
ほぼ事実を見事に言い当てたシャットだが、ミケに否定されてしまった。
「……ところで(シュバッ!)ニンフォはまだ(モグモグ)来ていない(ゴクッ)のか」
いつも通りシチューの漬けパンをシュバ食いしてから、ジョーは顔を上げた。食卓にニンフォの姿が見えない。
「アタイは知らないよー。でも朝起きたらいなくなっちゃってたー」
「えぇ? そりゃマズイんじゃないのかにゃ」
「人攫いにでもあったッスか! ……い、いや、それならシャットが無事なのは変ッスね」
「……あぁ。おそらく自分で出て行って……」
「どうせ攫うならニンフォよりシャットを攫った方が数十倍は良い気がするッス。淫乱サキュバスより働き者の小鬼族の方が良いッス」
「……言ってやるな。おそらく自分から出て行ったんだろう。……なんだか別の意味で嫌な予感がする」
「……すまん、ナガレ。手紙を勝手に読んだぞ」
一応謝罪しておく。聞こえているのかいないのか、ナガレは何の反応も見せない。
これが一年ほど前ならジョーも「くだらん恋慕で大袈裟な……」と思っただろうが、アリッサやルックや仲間たちと深くつながっている今のジョーには、ナガレの気持ちもよく分かった。
「……とりあえず、寝るんだ。明日何があるのか分からないんだから」
無反応のナガレを適当に担ぎ上げ、ベッドに下ろす。そして布団をかけてやり、ジョーもまた灯を消して眠りに着いた。
~☆~☆~☆~☆~☆~
翌日の朝。ゴスティーニャの食堂には、多くの宿泊客が集まっている。カチャカチャと食器や食具の音が、忙しなく鳴っていた。
「……そんな訳で、ナガレはこんな様子なんだ」
「うゔぅ~~~~!」
号泣しながら、朝っぱらからヴェニソン(鹿)肉のステーキを口に掻き込むナガレ。ナイフがあるのに切ろうともせず、肉の塊にフォークをぶっ刺し噛みついている。
「なるほどのぅ。サキミさんのお手紙を……ところでどんな内容だったんじゃ」
「……ナイショらしいです。しかしこの様子だと、よほど悲観的なことが書いてあったのでしょう」
レンは手紙の内容が気になるらしい。ジョーは実は知っているのだが、他の人には黙っていた。
「なんなんッスかね。おいたわしや、ナガレ先輩ッス」
「んーー……アタイらと入れ違いにサキミさんが来たとかじゃないー?」
「そんな偶然ありえるかにゃあ」
ほぼ事実を見事に言い当てたシャットだが、ミケに否定されてしまった。
「……ところで(シュバッ!)ニンフォはまだ(モグモグ)来ていない(ゴクッ)のか」
いつも通りシチューの漬けパンをシュバ食いしてから、ジョーは顔を上げた。食卓にニンフォの姿が見えない。
「アタイは知らないよー。でも朝起きたらいなくなっちゃってたー」
「えぇ? そりゃマズイんじゃないのかにゃ」
「人攫いにでもあったッスか! ……い、いや、それならシャットが無事なのは変ッスね」
「……あぁ。おそらく自分で出て行って……」
「どうせ攫うならニンフォよりシャットを攫った方が数十倍は良い気がするッス。淫乱サキュバスより働き者の小鬼族の方が良いッス」
「……言ってやるな。おそらく自分から出て行ったんだろう。……なんだか別の意味で嫌な予感がする」
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