崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十八話 恋の祭りは鬼火の如し

高級ディナーの一コマ

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「分かってる。……だが、こいつは同感だ、これは美味い……」
 コソコソ話す二人。すると目の前にグラスが置かれて、誰かがワイン……によく似た葡萄ジュース(しかしこれも高級)を注いでくれた。
「ごきげんよう、スー・ウエスト様。あなた様のお父上レック様とガーナ様には、常日頃よりお世話になっております」
 それはミャモ市長だ! にこやかな笑みを浮かべてジュースを注いでくれる。ナガレはハッとしてから、慌てて取り繕った。
「そう言ってくださり幸福ですわ。このマリーオウの市長様がお名前を把握してくださっているとは、父上もきっと喜んでくださるはずです」
「いえいえそんな……こちらこそ、お忙しいお父上様に変わって、スー様自らがお越しくださり大変ありがとうございます」
 立派な風貌とは思えないほどにペコペコする市長。そしてジョーの方にはお酒の方のワインを差し出した。
「スー様は未成年にございます故、お連れ様にはこちらを……」
「……いいや、私にもジュースをいただきたい」
「えっ? そ、そうですか」
 ナイフとフォークを持ったまま、全然手が動いていないジョー。確かに礼儀作法なんざに乗っ取っていては、いつものシュバ食いが出来ない。
 空気を読んだナガレは「失礼、市長様」と声をかける。
「彼、宗教上の理由で、今日は断食しなければなりませんの。ワガママを言ってしまってごめんあそばせ……ですが彼は信心深い者ですから。酒も禁止ですが、飲み物は許されています故」
「なんと、それは失礼致しました! ささ、どうぞどうぞ」
「……ありがとうございます」
 そうして市長も去り、ナガレとジョーは黙々とご飯を食べる。ワインを飲んだ上座の貴族たちは、次第に貴族同士で仲良く喋り始めた。
「……上座の方に貴族が集まっているのか」「ああ、貴族ってのはメンツで生きてるからな。そっちの方がマウント合戦が取りやすい。カンパニーの重役にマウント取ったって、それも駒でしかないからな。駒にイキっても仕方ない」
 そう言われてみれば、確かにみんな華やかに見えて目が笑っていない。なかなかどキツイ皮肉が飛び交っている……反面、下座のカンパニーのグループはなんだか楽しそうだ。
「そちらはなかなか調子が良さそうですな。我がカンパニーも負けてられん」
 老獪に笑うシワシワのおじちゃんは、武装研究ギルド『ボリスカンパニー』の重役。
「ハッハッハ……我々が若い世代として活躍を担っていきます。ボリスや合金会ごうきんかいには負けませんぞ!」
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