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第三十八話 恋の祭りは鬼火の如し
逃亡
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そう言ってふわりと飛び上がるカエデ。焦ったのか浮遊がふらついている。そして手繰り寄せるように手を動かすと……。
「ぐむぅ! ぐむむーーーー!」
「あっ、市長サマ!」
何と縛られたままの市長が、そのまま飛んできた! ジョーはハッとして呟いた。
「しまった……完全に忘れていた」
「ふふっふふむむふむーー!」
多分文句を言われているが、口が動かせずになんとも言えてない。
「こいつは人質である! 返してほしければ条件に従うことだ!」
「くっ、逃がすか!」
「待ちなさい! 五角っていうことは、他にもいるってこと?」
ニンフォの問いに、カエデはニヤリと笑った。
「ふん、蛭の癖によく聞いた。……ああそうだ、わらわと同等の存在が、あと三人いる! 恐れおののけ、これで勝ったと思うなよ!」
「……なに? 四人じゃないのか。馬鹿め、数も数えられんのか」
ジョーの辛らつな言葉。しかしカエデは、突然俯いてしまった。
「……うむ、かつては五人だった。しかし一人は殺されてしまった」
「え? なんか語りだしたわよ」
「…………その名はワッカーサ。不死身の体とオオカミの姿を持つ、五角の中でも最強だった。しかし奴は、名うての冒険者に殺されてしまったのだ!」
「なっ……ワッカーサだと!」
ジョーはハッとした。一年ほど前キンテツ村にて殺害(?)した、イーターズに紛れ込んでいたライカンスロープ。(第十八話)なんとヤツは五角という、優秀な戦士だったらしい。
「ジョー・アックス。そしてナガレ・ウエスト……教団の敵、そしてワッカーサの仇! スラガン地方のどこかに潜伏しているらしいが、いつか必ず見つけ出し、死の償いをさせてくれる!」
「……そうか、うまく行くといいな。もっとも、それをお前が見届けることは叶わないだろうが」
オブシディアンダガーを構えるジョー。赤い炎に照らされて、黒い刃が光る。
「なに、すぐに貴様も同じ目に遭わせてやる。ジェイ! よく覚えているがいい!」
「むぐぅーーーー!」
「……クソッ、逃がすか!」
ジョーが襲い掛かるも一歩遅かった。
そうしてミャモ市長を連れたまま、カエデは鬼火に包まれる。火が消えるころには、その姿は消えていた。
「……ちぃっ、逃がしたか」
壁に貼り付き、摩擦を使ってゆっくり降りるジョー。下を見ると、カエデの分身が次々消えていく。それと同時に、突然火の勢いがなくなり始めた。
「けが人はいない? 皆さん大丈夫ですか!」
「あっ、ジョー! それにニンフォも!」
「ぐむぅ! ぐむむーーーー!」
「あっ、市長サマ!」
何と縛られたままの市長が、そのまま飛んできた! ジョーはハッとして呟いた。
「しまった……完全に忘れていた」
「ふふっふふむむふむーー!」
多分文句を言われているが、口が動かせずになんとも言えてない。
「こいつは人質である! 返してほしければ条件に従うことだ!」
「くっ、逃がすか!」
「待ちなさい! 五角っていうことは、他にもいるってこと?」
ニンフォの問いに、カエデはニヤリと笑った。
「ふん、蛭の癖によく聞いた。……ああそうだ、わらわと同等の存在が、あと三人いる! 恐れおののけ、これで勝ったと思うなよ!」
「……なに? 四人じゃないのか。馬鹿め、数も数えられんのか」
ジョーの辛らつな言葉。しかしカエデは、突然俯いてしまった。
「……うむ、かつては五人だった。しかし一人は殺されてしまった」
「え? なんか語りだしたわよ」
「…………その名はワッカーサ。不死身の体とオオカミの姿を持つ、五角の中でも最強だった。しかし奴は、名うての冒険者に殺されてしまったのだ!」
「なっ……ワッカーサだと!」
ジョーはハッとした。一年ほど前キンテツ村にて殺害(?)した、イーターズに紛れ込んでいたライカンスロープ。(第十八話)なんとヤツは五角という、優秀な戦士だったらしい。
「ジョー・アックス。そしてナガレ・ウエスト……教団の敵、そしてワッカーサの仇! スラガン地方のどこかに潜伏しているらしいが、いつか必ず見つけ出し、死の償いをさせてくれる!」
「……そうか、うまく行くといいな。もっとも、それをお前が見届けることは叶わないだろうが」
オブシディアンダガーを構えるジョー。赤い炎に照らされて、黒い刃が光る。
「なに、すぐに貴様も同じ目に遭わせてやる。ジェイ! よく覚えているがいい!」
「むぐぅーーーー!」
「……クソッ、逃がすか!」
ジョーが襲い掛かるも一歩遅かった。
そうしてミャモ市長を連れたまま、カエデは鬼火に包まれる。火が消えるころには、その姿は消えていた。
「……ちぃっ、逃がしたか」
壁に貼り付き、摩擦を使ってゆっくり降りるジョー。下を見ると、カエデの分身が次々消えていく。それと同時に、突然火の勢いがなくなり始めた。
「けが人はいない? 皆さん大丈夫ですか!」
「あっ、ジョー! それにニンフォも!」
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